※タピオンの能力まわりに若干の独自解釈と捏造設定が含まれます。
ゴジータが悟飯を伴ってブウの前に現れたのは、肉片に包まれたゴテンクスが今まさに吸収されてしまったという瞬間だった。
「「っち・・・!一歩遅かったか・・・・・」」
先程までは悟天とトランクスのほかにあと二人居た筈だったが、今この場には兄弟と思しきその二人のうちの弟のほうしか残っていない。
唐突に場へ現れたゴジータ達に対し、ブウはさほど驚いた様子も無く嘲ったような笑みを浮かべ口を開いた。
「ふん、次から次へと。お前もわざわざオレに食われに来たのか?」
「「へっ、ご所望のブロリーじゃなくて悪ィけどよ。今のオレはアイツより格段に強ぇと思うぜ?」」
軽口を叩きながらゴジータは気を探る。
ブロリーの気もかなりの速度でここへ向かっているようだが、ゴジータと同じ頃に動き出したのだとすると瞬間移動を使えない彼はもう少しばかり到着まで時間を要するだろう。
出来ることならば一対一で闘いたいところだ。合流するまでに決着がつけられれば一番だが、果たしてそう上手くいくかどうか。
すると悟飯がブウから視線は外さないまま、ゴジータへ声を潜めつつ口を開いた。
「お父さん・・・アイツの様子、先程までとは随分と違いませんか?」
「「気付いてるさ。お前は一旦下がっとけ、パワーアップしたっていってもまだお前じゃ今の奴相手はキツそうだ。あそこに一人残ってるガキを頼む」」
「わかりました」
ゴジータほどの強者が間近で全力を出してしまえば、その余波すらも相当なものとなる筈だ。常人には浴びるだけでも危ない。
悟飯は素直に指示に従い、怯えた目で一行を見ている少年のほうへと向かう。
今目の前にいる魔人ブウは、悟飯が違和感を口にしたように界王神界で水晶玉を通して様子を見ていたときと比べ随分と風体が変わっていた。
丸々としていた体形が引き締まった見た目になったこともそうだが、その顔は目鼻立ちがハッキリとしていてどことなく知性も感じさせる。
可能性はひとつ。
他者を吸収することによって、その能力と共に外見にも変化が表れているのだろう。
察するに、先程居合わせた人間のうち唯一の大人だったであろう兄弟の兄のほうを取り込んだ影響か。
ゴジータは戦う前にひとつ確認しておこうと、不敵な笑みを浮かべているブウへ問い掛けた。
「「なあ、聞きてえんだけどよ。お前に吸収された人間ってのはそこでもう死んじまったのか?それとも、お前の中でまだ生きてんのか?」」
「さあな。オマエも吸収されてみればわかるんじゃないか?」
対するブウは挑発じみた答えを返す。
そしてまじまじと無遠慮にゴジータのことを眺めたと思えば、こんなことを言い出した。
「オマエのその服・・・さっきの生意気なガキと同じものだな」
「「お、よくわかったな?アイツはオレの息子だよ」」
「ほう、ならば親子共々同じ末路を辿らせてやろう」
「「あんなんでも一応、かけがえのない家族なんだ。死んじまったってんなら、カタキはきっちり討たせてもらうぜぇ!!」」
別に親子だから同じ服装をしていたというわけではないのだが、フュージョンでの融合体の証でありメタモル星人の民族衣装でもあるその服は今のブウの外見にも通じている。
ブウがわざわざあのポーズをとって誰かとフュージョンしたというのは考え難い。やはりゴテンクスをその身に吸収した影響なのだろう。
ゴジータは握った拳を軋ませ、余裕の態度を崩さないブウへと一気に踏み込んだ。
視認出来ないほどの神速の殴打を、しかし確かに当たった筈のブウは平然としており全く応えた様子は無い。
((手応えが無ぇ・・・どういうことだ))
不可解に思えたが、再度の攻撃が透かされたときには何が起こっているのかをゴジータも把握した。
どうやらこちら側が仕掛けたときにだけ、当たる刹那に空間が歪み攻撃が当たらないらしい。
にもかかわらず、一方でブウの攻撃は実体を持ちこちらへ問題なく当たるようだ。
一見して厄介極まりない状況だが、それでもゴジータの口角は思わず上がっていく。
「「・・・流石に、一筋縄じゃいかねえってことか」」
近寄ってきた悟飯へ、独り取り残されていた少年は最初こそ警戒と怯えを見せていたが悟天の兄だということを知ると緊張を綻ばせた。
聞けばミノシアと名乗るその少年は、どうやら悟天と年頃が近かったこともあり少しの間ではあるが行動を共にしたことで友達のように打ち解けていたらしい。
「兄様が・・・ぼくを庇って、アイツに取り込まれてしまったんです。それに、悟天くんたちも・・・・・」
僅かに震える声で、しかし逃げ出そうとはしないその様子に悟飯は僅かに違和感をおぼえ落ち着いた様子で問い掛ける。
「キミたちは・・・キミとお兄さんは、どうしてこんな危険なところへ?」
「・・・それは・・・・・」
少しだけ躊躇ったあと、ミノシアは語り始めた。
自分達兄弟の宿敵でありその身をもって封じる役目を負った『幻魔人』のこと、そしてそれが今どうなっているのかを。
通常の徒手空拳はブウへは当たらない。
圧倒的なアドバンテージであった"それ"が有利に働いていたのは、戦いが始まってから最初のうちだけだった。
ブウからの攻撃はゴジータへ通じる。
それはつまり、攻撃を放ち当たるまでの瞬間は実体化せざるを得ないということだ。
そのことを把握し、打ち込まれた蹴り足を掴んでゴジータが反撃を入れた頃にはブウの表情からも余裕の笑みは既に消えていた。
「ぐぅッ・・・!!」
「「おいおいさっきまでの余裕はどうしたよ!?」」
歴戦の戦士であった悟空やベジータ、それが合体した姿であるゴジータと魔人ブウの間にある差のひとつ。
それは圧倒的な経験値の差だ。
ブウは生まれながらの強大な魔人として、封印されるまでの過去に経験した戦いは軒並み格下の相手を蹂躙するばかりであった。
一方のゴジータ・・・つまり悟空やベジータは、これまでの幾多の修羅場の中で格上をも相手取り様々な苦境を生き延びている。
特質的な相手の特徴に戸惑うのも、最初だけのこと。
観察し、軽妙な言動の裏で冷静に迅速に打開策を見出す。
流れが変わってきたことに対しブウは戸惑いを感じていた。
事実として強化を重ねに重ねた今、純粋な戦闘力においてブウは超サイヤ人4の状態でフュージョンを成したゴジータをも上回っている。
その筈なのに、明らかにこちらが強かった筈であるのに何故か追い込むことが出来ない。
そしてさらに状況は変化する。
ブウの攻撃に合わせてカウンターを撃ち込むのみに専念していたゴジータが、攻撃をいなされたブウが体制を崩したその隙へ突き出した両腕から極大の気功波を放ったのだ。
「「ビッグバンかめはめ波ぁぁぁ!!」」
「ふん、ただのエネルギー波など・・・・・ッッ!?」
再びブウの身体は幻影と化し、攻撃は通じない筈だった。
しかし余裕の笑みで避けもしなかったブウのその身を呑み込むその瞬間、鬼気迫る表情でゴジータが叫ぶ。
「「10倍だ!!!!」」
「な・・・!?バカな・・・・・、」
輝きを増したその光の奔流は、空間のズレをも貫通しブウの半身を消し飛ばした。
常識破りの偉業をことあるごとに成し遂げてきた戦闘民族サイヤ人。
強大過ぎるその力は次元すらも砕く。
「「へっ、さすがのお前も力でゴリ押されるとは思ってなかっただろ?」」
「ぐ・・・貴様、なんぞに・・・・・」
戦闘力そのものは勝っていたが、局所的に威力をとことん高めた攻撃でその差を埋められた。
してやったりという表情で見下ろすゴジータに、ブウは半軟体であるその桃色の身体をうねらせて元の形状に戻るもギリリと歯噛みしながら睨め付ける。
「・・・ふん、これで勝ったなどと思うな」
一杯食わされたものの、しかしブウは再び不敵な笑みを浮かべた。
確かにダメージは通されたが、それは不意を突いた上にキメの一撃だったことが大きい。
既に見た以上、そう何度も通じるものではないだろう。
「そろそろ貴様の相手もするのにも飽きてきたところだ」
「「・・・・・?」」
訝し気に眉根を寄せたゴジータの見る先で。
いつの間にかブウはその手に、見慣れない一振りの"剣"を手にしていた。
「あれは・・・兄様の剣・・・!!」
戦いを見ていたミノシアが叫ぶ。
あれは確かに、兄タピオンがその背に携えていたものだ。
「い、いけない!あの剣の攻撃を受けちゃ・・・!!」
ゴジータ目掛け、ブウがその手に持った剣を大薙ぎで振るう。
剣の長さは把握している。間合いの外だ、刃は届かない。
そう分かってはいたものの、ゴジータは直感でその攻撃を防御した。
剣から放たれた衝撃波のようなものがガードした腕を突き抜け、そのまま身体を通り過ぎる。
「「!!?」」
・・・いま、何をした?
得体の知れない感覚、目に見えない"何か"を斬られた。
刃そのものはやはり届いておらず、外傷は無い。
しかしそれを認識した直後、ゴジータの身体は唐突に元の悟空とベジータの二人へ分離してしまった。
「ぅげっ!?」
「何だと!?」
「まだ30分経ってねえぞ!?」
起こるはずのない現象を目の当たりにした動揺。
その僅かな隙をブウは見逃さなかった。
「貰ったぞ!!」
二人のうち、位置が比較的手近なところにあったベジータへブウの切り離された肉片が飛び掛かる。
「しまった・・・ッ!!!」
悟空は咄嗟に気弾を放つも、波打つ肉の表面を僅かにうねらせたのみでその動きを止めることは出来なかった。
「ベジータ!!振り払え!!!」
「ぅぐ、くそぉ・・・!!させて、たまるかぁぁぁ!!!」
ベジータは全身から全力で気を放出し肉片を弾き飛ばそうとするも、さらにその上から包み込むように覆われやがては完全に閉じてしまう。
蠢く肉の球体となったそれはブウのもとへと戻り、先刻のゴテンクスと同じく肉塊ごとその身に取り込まれてしまった。
「ち、ちきしょう・・・!!何だってんだよ!!」
「ふははは・・・!!やはり貴様もあのガキ共と同じく合体した姿だったようだな。しかし片方を失った今はもうどうすることも出来まい!」
「その剣でフュージョンを解除したってのか・・・!?ワケわかんねえことしやがって!」
歯噛みする悟空と高笑いを上げるブウ。
その様子を見て、ミノシアは「やっぱり・・・」と気落ちした声を漏らした。
あの魔人が手にしている剣は、かつて故郷コナッツ星にて神から賜ったと伝わる特別なもの。
幻魔人ヒルデガーンを封じた際にその身を両断したそれは普通の剣とは違い、あらゆるものを"分かつ"力を持つ。
封印のための笛を失ってもなお兄弟が幻魔人を追おうとしたのは、アレがあったからだ。
しかし今やそれも所有していたタピオンごと取り込まれ、あまつさえ敵に利用されてしまっている。
戦況は一気に逆転した。
残された悟空と悟飯だけでは、吸収合体を重ねたブウに対し到底勝ち目はないだろう。
老界王神の儀式を受けた悟飯の戦闘力が超サイヤ人4に近いところまで引き上げられた今、悟空と悟飯でフュージョンを実行することが出来ればまだ可能性はあるかもしれないものの・・・フュージョンポーズの成功率自体がそこまで高くはない上に、そもそもブウが悠長にその隙を与えてくれるとも考え難い。
「ちきしょう・・・!!」
一見して打つ手が無さそうに思える状況に、悟空が悔し気に表情を歪める。
―――――その時。
「!!」
何かを感じ取った悟空は咄嗟にその場から飛びのきブウから距離を置いた。
そしてそれとほぼ同時に飛来した"緑色の光球"が、ブウに着弾した直後膨大な気の爆発を起こす。
「あっぶねぇ~!巻き込まれるところだったじゃねえか!」
文句をつけつつ、口角を上げた悟空の見上げた先。
「・・・ふん、そこまで鈍くもあるまい」
遥か上空から、超サイヤ人4となったブロリーが一同を見下ろしていた。
原作ではピッコロさんを吸収することによってブウに鼻が出来たりハッキリ流暢に喋るようになったりしていましたが、本作では代わりにタピオンを取り込んだことでそういった変化が起きています。あとついでの剣。
バトル描写ってやっぱり難しいっぴ!
それはそうと、番外編について再びちょっとお伺いしたいです。
今は番外編だけひとつの章にまとめて、追加するときもそこに差し込みで足していってるんですが・・・
アクセス数が極端に少ないので、後から途中に差し込んだぶんはあまり気づかれてないのかな~?などと思っていたりします。
なので後から書いた番外編はその都度最下部に更新するようにして、番外編も本編も混在しつつ更新日順に並んだほうがいいのか
それとも今のまま番外編は番外編の章にまとめたまま差し込みで追加していったほうがいいのか
どっちのほうが良さそうでしょうか??
番外日常編を更新するとき、どこへ追加したほうがいい?
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本編に混じりながら一番下へ追加
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番外編の章の中だけに追加する(現状ママ)