窓から光が差す。暖かくはない、ただ無機質で冷たい光が男の顔を照らす。男は眩しそうに起きる。
「……朝か…」
男はベットから降りて、リビングに向かう。
リビングはひどく散らかっていて汚れもひどい。匂いもひどそうだ。
「…朝食は……これしかないか」
男がそういって取り出したのは、固形型保存食『アルファ』……政府が出した食料の一つだ。保存期間がとても長く、栄養価が満点な優れモノだ。
その代わり味がとにかく悪いうえ、お湯でふやかさないと食えない。ふやかしたとしても、ヘドロの様にどろどろな感触で味と相まって吐瀉物と同じと言われている。
男はお湯を沸かし、アルファにお湯をかけ食べる。
「………」
男は吐瀉物もどきを食べ終え、着替える。出かける準備だ。
「……行ってきます」
そうして、男は家から出た。
男は家から出た後、あるスラム街のちんけで汚らしい店についた。
男が店の扉を開けると…
「おっ…いらっしゃい。久しぶりだな、ストレーの旦那」
男の知り合いだ
「久しぶりだな…店長…」
「元気ねぇな。まぁ、いつものことか。んで?今日は何の用だ?」
ストレーは店長の話を聞きながらスマホ型端末を操作し、画面を店長に見せる。
「この二人に見覚えはないか…?」
ストレーはそういいながら見せたのは、少年と少女の二人が写った写真だった。
「ストレーの旦那……この構図…どっからどう見ても盗撮じゃねぇか」
「そんなことはどうでもいい……」
「で、でもストレーの旦那……あんたのような立場の人間が他人の盗撮なんかやってたらまずいぜ。しかも、こいつらが来ている服…いいところのじゃねぇか。絶対に上流階級の奴らだって。ばれたら、旦那が…」
「そんなことはどうでもいい…」
店長はストレーが2回も食い気味に言ったので、すこし驚きながら話す。
「……こいつらに似た顔つきの奴らならすぐそこのブラックマーケットで見たぜ。何かを探しているようだったが…」
「そうか……感謝する……」
「え!?もういいのか?せっかく久しぶりに常連が来たのに…」
「俺は常連ってほど来てないだろ……」
「俺にとっちゃ、2回以上来てくればそいつは常連だ」
店長がわけのわからないことをぬかしている。ストレーはそんな店長を無視し、店を出る。
「また来いよー」
店長の声が店の外まで響く。うるさい。
「…早く見つけねば……」
ストレーはそのまま、スラム街の影へと消えていく……
「……………ト様」
声が聞こえる。
「…………ォルト様!」
声が大きくなる
「ヴォルト様!!」
「ぅわっっッと!」
意識が現実に戻って来た。
「ヴォルト様…お目覚めですか?」
黒スーツを着た女性…秘書が目の前にいる
「あぁ…完全に目が覚めたよ……良いところだったのに」
「また監視カメラを覗き見してたんですか?それ、やめてくださいよ。悪趣味です」
……ひどい言いようだな。別にいいだろ?
あの後、ストレーがどこ行くか結構気になったのに。
「もうすぐで会議です。ご準備を」
「わかった。すぐ行く。外で待っていてくれ」
「かしこまりました」
秘書が俺のオフィスから出る。
…全く。うるさい秘書だ。なんだよ、悪趣味って。上司に言う言葉じゃねぇぞ。しかも一企業の代表取締役社長だぞ?はあ…
あっ、自己紹介が遅れたな。俺はヴォルト・オーヴェル。アンチ三大企業の一角、ヴォルテック・ワン・フォー・オール…通称VOFOの代表取締役社長だ。まあ、自分で言うのもアレだが、アンチの権力者だな。ちなみにVOFOはどんな会社かというと、電子機器、電力を中心としたエネルギー事業、番組制作放送、機械などの研究などなど…アンチで必要不可欠な情報や電気関係の事業に幅広く手を出している会社だ。
いやぁ、メディアを握っているおかげで不祥事なんかを全て揉み消せるの楽だわ〜
…それじゃ、そろそろ会議に行くか…
ちなみ今日の会議の内容は三大企業間で行われる貧困層の住人たちによる革命運動への対策だ。どうやら政府が、革命運動に参加している奴らが、とても多くてめんどくさいと理由で、我ら三大企業に協力をもちかけたらしい。別に政府だけでどうにかできると思うが逆らえないので仕方なく協力することになった。今日はその革命運動対策の具体的な計画らしい。
はぁ…めんどくさ。
それじゃあ、準備もできたことだし、会議室に向かうとしよう…なんでうちの会議室使うのか本気で不思議だがな
そして俺はオフィスを後にした