【旧版】明治生まれの特級呪術師は、泥人形の夢を見るか?   作:須川ユイ

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 皆さま、ご無沙汰しております。

 拙作の今後について、活動報告の方に記載いたしましたが、一応こちらにも載せさせていただきます。


今後について

 

 

 

 長らくお待たせしてしまい、申し訳ありません。

 以前の活動報告(https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=334394&uid=354324)

 でお話ししたとおり、本作は物語の大幅な改稿を行うため、暫く投稿を停止しておりました。

 

 改稿に至った理由につきましては、お手数ですが上記の活動報告をご覧いただけますと幸いです。今回の報告で改稿のことを知った方には、唐突なお知らせとなってしまい大変申し訳ありません。

 

 

 

【新版の投稿先について】

 

 

 新版は、現在お読みいただいているこちらとは別のシリーズとして、新規投稿を開始いたします。

 

 新しく生まれ変わった物語は、下記よりお読みいただけます。

 

 

 新版『明治生まれの特級呪術師は、泥人形の夢を見るか?』

 (https://syosetu.org/novel/409195/)

 

 

【旧版の扱いについて】

 

 

 これからは、今までの内容は「旧版」とし、基本的にはここで更新停止(打ち切り)扱いとなります。

 

 ただし、新版の投稿開始に伴い、旧版をすぐに削除することはせず、当面はそのまま残しておく予定です。最終的に残すか否かについては本投稿でのアンケートを取らせていただきますので、皆さまのご意見をお聞かせいただけますと幸いです。

 

 もし「残してほしい」というお声が多かった場合は、手元に残っている旧版のストック(約5話分)を、新版の展開のネタバレにならないタイミングで供養として投稿してもいいかな、とも考えております。

 

 作者の身勝手極まりない進行は、重々承知しております。旧版の物語を好いて頂いた読者の皆さまには、申し訳ないという思いが強くあります。このような駄作を、それでも読みたいと思ってくださった読者の皆様。生まれ変わった夜永の物語をお楽しみいただければ幸いです。

 

 お試しで下部に新版の冒頭を置かせていただきます。よしなに。

 

 

 

 ───────────────

 

 

 

 

 

 

 太陽が西の稜線にその身を隠す逢魔が時。

 

 

 山林の奥深く。本来ならば獣道すら存在しない、人を拒む急峻な緑陰の腹の中を、一つの「影」が疾走していた。

 

 標高が高くなるにつれ、空気は冷たく、そして希薄になっていく。湿った腐葉土と、斜面から隆起した巨大な木の根が複雑に入り組む悪路。

 だが影はそれをものともせず、杉の幹を足場に高みへと跳躍した。重力という枷から解き放たれたかのような機動は、獣のそれではない。

 

 木漏れ日の残滓が、その姿を一瞬だけ照らし出す。

 現れたのは、齢五つほどにしか見えない(いとけな)い少女だった。

 

 風圧に煽られ波打つ長髪は、濡羽色の中に神秘的な瑠璃紺の色彩を孕んでいる。意志の強さを宿した瞳は、残光を反射して燃えるような赤銅色に輝いていた。

 通常ならば親の庇護の下、玩具で遊んでいるはずの年頃だ。しかし、彼女の華奢な四肢には、本来あるはずのない膂力を補う力……

 

 ────「呪力」が張り巡らされていた。

 

 少女は止まらない。

 直角に近い軌道で木々を縫い、残像だけを網膜に焼き付けながら、森のさらに奥、澱んだ気配の源流へと突き進む。

 

 それを追う影があった。

 少女とは対照的に、ズズ、ズズズ……と、湿った音を立てて空間を侵食するように進む異形。

 視界の端で捉えた獲物を見失い、それは苛立ちと共に周囲の木々を無造作になぎ倒した。

 

 

  『呪霊』

 

 

 人間の負の感情が澱み、形を成した呪いの具現。

 この森に以前から巣食っていたのか、あるいは何者かが残していった「置き土産」か。吐き気を催す腐臭と、濃密な呪いの気配を撒き散らしている。

 

「……テ、てテてをヲ……かシてクダさい……ネェ」

 

 森の静寂を切り裂くような、不快なノイズ混じりの声。

 その姿は、巨大な蛞蝓(なめくじ)蜈蚣(むかで)を悪趣味に煮詰めて融合させたようだった。粘液に塗れたブヨブヨとした胴体からは、歯茎剥き出しの口と、節くれだった無数の人間の腕のような「足」が飛び出している。

 

 それぞれの節に埋め込まれた充血した眼球が、勝手気ままにギョロギョロと動き、消失した少女の痕跡を探して蠢いた。

 

「……ドコ……手、足リなイ……クださイ、ネェッ!!」

 

 呪霊が咆哮を上げ、近くの大木を足で踏み壊し始めた、その時だ。

 

 ドォッ!!

 

 大気を震わす破裂音。

 真横から放たれた衝撃が、呪霊の巨体を捉えた。

 

 少女による強襲である。幼い拳に込められた呪力は、鋼鉄すら容易くひしゃげさせる質量兵器となり、異形の脇腹を穿(うが)ったのだ。

 

 バゴンッ!!

 

 ゴム鞠のように弾き飛ばされた呪霊は、数本の木々をへし折りながら急勾配の斜面を転がり落ち、露出した岩盤に激突して止まった。潰れた肉と体液が飛び散り、鼻を突く腐臭が周囲に充満する。

 

「……テが、イ……ナななッ!!」

 

「頑丈だな。今の不意打ちで祓うつもりだったんだが」

 

 少女はひらりと木の枝の上に降り立つと、退屈そうに眼下の化け物を見下ろした。

 恐怖も、嫌悪もない。ただ作業をこなすかのような冷徹な眼差し。

 

 呪霊の肉体が泡立ち、瞬く間に再生していく。

 損傷した箇所から新たな「足」が生え、攻撃本能を剥き出しにして少女を睨みつけた─────

 

 

 




 こちらの報告投稿は、一定期間を過ぎましたら削除する予定であることをお含みおきください。

旧版維持の是非について

  • 残したままで
  • どちらでも構わない
  • 紛らわしいから削除して
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