比翼の二人   作:暁悠

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第十話 決める覚悟 前編

 ジーン達が魔国〝ツェペシュ〟で生活し始めて一週間が経った。

 受付の仕事を放棄していたフウマだったが、一度〝エイン〟支部に戻り、辞表を提出。冒険者として、再度活動を開始した。

 ちなみに、ランクは二段階下がってAランクからである。それでも、中々の高ランクであった。

 そうして、フウマが冒険者活動を再開。ジーンも同じく再開しようとしたのだが……。

「行くな!」

「え、ええ……?」

「行くなと言っておる! まだこの街に居ても良かろうが!」

 カーミラが駄々をこねる。一国の女王とは思えないような態度なのだが……。

 カーミラは、信じられないほどジーンに懐いていた。

「行くとしても、わたしを連れて行け!」

「どういう事?」

「わたしも仲間(パーティ)に入れろと言っているのじゃ!」

 驚きの申し出である。そして、前代未聞だった。

 当然、彼女の従者であるアイヴィーがそれを(たしな)める。

「お言葉ですが、姫。それは、明らかな無茶かと。一国の、それも他国からの信頼も希薄な我が国の唯一たる王女である貴方様が、いち冒険者と行動を共にするなど……」

「何じゃと、アイヴィー。わたしの言う事が聞けぬか?」

 いえ、貴方様の言う事とかではなくてですね──と、頭を抱えるアイヴィーである。事実、一国の王女が冒険者と行動を共にするなど、前代未聞なのだ。

 それも、カーミラが治める魔国〝ツェペシュ〟は得体の知れない、しかも魔人が治める国という事で、他国からの信頼は希薄だ。国交などはどことも結んでいないので困らないが──

 そこまで考えたところで、危うく考えるのが面倒くさくなりかけたアイヴィーである。しかし、すぐに気を引き締めた。

(こんな事、慣れっこではないか。カーミラ様に振り回される事など、もはや日常茶飯事。この程度で音を上げていては、王女側近の執事(バトラー)としての名が泣いてしまう。ここは、断固として!)

 なんて考えているが、アイヴィーは十分に頑張っている。それどころか、他国基準で見ればこれ以上ないほどの有能な執事(バトラー)なのだ。

 しかし……カーミラによる無茶振りはそんな有能さをも上回ってしまうのだ。だが、アイヴィーもこの仕事に使命感とやり甲斐を感じていた。振り回されるからと言っても、不快には感じないアイヴィーである。

「それでも、ですな。カーミラ様が旅立ってしまうとして、この国はどうするのです? 国民は、それはもう悲しむかと」

 今度は、情に訴えかける作戦に打って出た。

「歓喜して見送ってくれるじゃろう」

 しかし、カーミラの返しは一枚上手(うわて)だった。これには、アイヴィーも更に頭を悩ませる。

 なぜならば、確かにそうなるかもしれないと思えたからである。

 前提として、魔国市民のカーミラに対する忠誠心は凄まじいものなのだ。カーミラが冒険者と行動を共にし、世界中の旅に出るとなれば──

『我らがカーミラ様の門出だ! 盛大に盛り上げるんだ!!』

 ──なんて、言い出しかねなかった。

 しかし……それでは、マズイ──のだが。

(……アレ? それならば、別にいいのでは?)

 そう思えてしまうアイヴィーなのだ。これで、反論の手を失ったわけで……。

「異論ないな?」

「ハハッ、ありませぬ」

「では、告知しておけ。門出は明日じゃ」

「了解いたしました」

 こうなると、アイヴィーの仕事は早い。幾度も繰り返されたカーミラによる無茶振りに適応した結果、超絶仕事早い有能執事に成っていたのだった。

 

   ◇◇◇

 

 明くる翌朝。

 ジーンは、やはり自分用に斡旋された部屋で目覚めた。

 隣には、やはりイオフィエル。

 いつも通りの光景なので、もうジーンも慣れている。

「イオフィ、起きて」

「ん〜〜〜……わかったぁ……」

 ちょっとは朝に強くなったようで、寝起きは弱いままだが、二度寝する事は消えたイオフィエルである。この成長には、ジーンやゼルエルも喜んだのだ。

 二人で少しゆったりと準備をしようと思った、その時。

「二人とも、起きるのじゃ!!」

 バァーーーンッ! ──と、大きな音を立てて扉が開け放たれる。その先にいたのはもちろん、カーミラである。

「カーミラさん? どうしたんですか、朝早くに」

「どうしたもこうしたもないわ! 今日はわたしの新たな門出なのじゃぞ?」

 いつもの幼女スタイルに戻っていたカーミラは、未だ成長途中の胸を張って言い放った。

 カーミラは、いつも以上に、明らかにテンションが高い。そんなに嬉しいのか──と、ジーンもちょっとだけ納得した。

「ほわっ……なんだ、カーミラちゃんか」

 爆音と大声量で一気に覚醒したイオフィエル。

 ちなみにだが、この一週間でカーミラとイオフィエルはかなり仲良くなっていた。キッカケはもちろん……ジーンの名誉のためにも、触れないでおこう。

 そんな話は置いておいて。覚醒すると強いイオフィエルなので、ちゃっちゃと準備を終わらせた。いつもの換装魔法(ドレスチェンジ)で服装を換え、荷物をあらかた『格納空間』に放り込む。今日は、ジーン達にとっても旅立ちの日なのだ。

「準備を済ませたようじゃな! 次はフウマ──」

「もう終わってんだよ」

 イラついた様子のフウマが、扉の前に立っていた。

「しっかしよう、扉を開ける音がうるせーんだわ」

「仕方ないじゃろう!」

「どこがだよ! もっと抑えてくれ。うるせーんだから」

「ウルサイ男じゃのう。お主の方が〝うるせー〟わ!」

「ああん、何だと?」

「何じゃ、やる気か?」

 始まったのはいつもの言い合いである。

 ジーンとしては何度も見た光景なので、抵抗感というか、不快感はない。それどころか、少し微笑ましく感じている。

 カーミラが仲間(パーティ)に加わるという事は、これからもこんな会話が繰り広げられるのだろう──そう、いつかの明日を夢想する。

 苦労はするだろうが、苦ではない──そんな旅が繰り広げられそうだった。

「はいはい、不毛な争いはヤメテねー」

 この言い合いを仲裁するのがゼルエルの務め。というか、暫定業務。

 この平和な光景が、ほぼ日常茶飯事化しているのだった。

 ──しかし、不穏とは本当に、前触れもなく訪れるものであるのだ。

 

   ◆◆◆

 

 一人、物陰に潜む彼。

 緑色の鱗と、知欲に歪む翡翠の宝玉のような瞳が特徴的な龍人族(ドラゴニュート)

 その名を──ニック。

 ニックは、考えたのだ。

 どうすれば、フウマやカーミラという、超級戦力を無事に消し去れるのか?

 その上で、ジーンを成長に導けるのか?

 考えた。

 考えて、考えて、考えて、考えて。

 そして、結論を出した。

 この国ごと消し去り、同時にジーンの逆鱗を刺激する。怒りで無理矢理に力を解放させ、そのまま──という、無茶で荒唐(こうとう)()(けい)な作戦。否、作戦と呼べるのかすらも怪しいモノ。

 しかしそこに、ニックは絶対の自信を持っていた。

 ニックが行うのは禁忌とされる呪法である。

 この世ならざる者──それこそ〝(えん)()(じゅう)〟等の特別な存在にしか許されない、呪法にして邪法。

 地獄に眠る死した魔物の魂──それを、多重複合させる。

 それこそが──禁忌邪法:魔獣融合(デモンフュージョン)

 紛うことなき彼の、知の果てに行き着いた万能のユニークスキル──『融合分離』を持ってすれば、その邪法で実現させた混沌魔獣の力をその身に宿す事も可能。

 我が身をも糧にして任務を遂行する──その覚悟で、ニックは後戻り出来ぬ、邪の道を進む事となる。

 

   ◆◆◆

 

 再度謁見の間に集合したジーン達。

「さて、集まったな。……今からソワソワしてきたわ」

「流石に、最後くらい女王としての威厳を保ってくだされ」

 流石に、そこは譲れないアイヴィーなのだ。

 そんな事あって、仕切り直し。

「おお、スマン……コホン。ではお主らよ。わたしと共に旅に出る準備が出来たか?」

 その問いに、それぞれらしい回答を述べる。

「うん。いつでもオーケーだよ」

「私もワクワクしてきちゃった!」

「……おうよ!」

「今から再始動、か」

 リーダー──とはいえ事実上の──らしい答えを出すジーン。

 本心からカーミラに同意するイオフィエル。

 敢えて何も言う事なく答えるフウマ。

 いつかの明日を夢見るゼルエル。

 本当にそれぞれらしい回答なのだった。

 

 さて、無事に準備も整った五人──ではなく、三人。これからは〝()(そう)の森〟の〝瘴気〟を抜けるので、その身に天使を宿す必要があるのだ。

 ──が。ここで、問題発生である。

「……む?」

「カーミラ様、これは……」

 感じ取ったのは、カーミラとアイヴィーだけ──では、もちろんない。

『ジーン……は、感じない? この、凄く禍々しい気配……』

 イオフィエルと、

『フウマ、こりゃヤバイ。アンタでも、対処は厳しいかも』

『……かもな』

 フウマにゼルエルも、である。気づいていないのはジーンだけだった。

 これはジーンが特別鈍いわけではない。何なら逆で、ジーンの方が普通なのだ。この場にいるのは、ジーンを除いてかなりの武闘派達。気付ける五人がオカシイのである。

 そして、その〝気配〟は、どんどんと膨れ上がっていく……。

 

 轟音が鳴り響いた。

 ジーン達が今いるのは北西魔都(クリシュナ)だが、轟音の発生地は首都〝トランシルヴェリア〟である。かなり離れているが、それでも聞こえる。それ程、大きな音。

「アイヴィーよ、先回りしておれ。この先にも幾つか、魔獣の気配を感じるでのう」

「しかし、姫様……」

 アイヴィーは心配だ。

 カーミラは、巣立ちの時を迎えようとしている。アイヴィーに無茶振りをし、勝手気侭に生きる……そんなカーミラでは、なくなろうとしている。仲間を持つ事など、初めてと言って差し支えなかった。

 だからこその、心配。嬉しさ故に舞い上がり過ぎて、空回りしてしまうのではないかと。

 カーミラには威厳を感じるが、普段の見た目らしい言動や考え方も目立つのだ。

 しかし──

「案ずるな、アイヴィーよ。わたしだって、もうお主に全て任せきりの王女(ひめ)ではいられなくなった故にのう。この程度の事件で失敗していては、(きゅう)(けつ)()にして夜叉姫、カーミラ・ツェペシュの名が泣いてしまうというものよ!! わかったら行け、アイヴィー。わたしを信じるのじゃ」

 その言葉には、確かな強い信念と、成長が感じられた。

 もう、我侭なだけのお姫様ではないのだ。

 それがわかるだけに、アイヴィーは一瞬、涙を流しそうになる。しかし、直ぐに気を引き締めた。

「了解しました、カーミラ様。(わたくし)アイヴィー・シュトラウスの名に懸けても、必ずや足止めを成功させますればッ!!」

「それならば良い。早う行け」

「承知ッ!!」

 そう言って、アイヴィーは事件現場まで『転移』した。

「さて、ここからはわたしの頑張り時よのう」

「一人で行かせるわけねーだろ」

 そんな事を言うのは、美麗な青年──フウマだ。既にその身に天使(ゼルエル)を宿し、名刀〝風花(かざはな)〟を手にしている。

「……フンッ。果たして、わたしの戦いに着いて来られるかな?」

 対するカーミラも、本気モードだ。夜叉姫としての真なる姿を晒し、更に〝純白(ブラン)〟まで手に取っている。

 ジーンは二人のような超級武器を所持していなかったので、買っておいた弓と神聖魔法で裏方作業に徹する構えだ。

「じゃ、とっとと片付けちまうか」

 フウマ達の眼前には──実に数百を超える数の、黒妖犬(ヘルハウンド)(たむろ)していた。

 

   ◇◇◇

 

 視点は移り──事件の中心地である首都〝トランシルヴェリア〟に赴いた、アイヴィー。

「……これはまた……」

 その中心地では、不可解で奇妙な姿形の化け物が、荒れ狂っていた。

 全身が、黒くくすんだ緑色の鱗に覆われている。しかし所々に、外骨格のようなものが浮き出ていた。

 尻尾は二本あり、背中には無数の背びれが乱立している。そのどれもから、規格外なエネルギーが発せられていた。脚は一対で、黒い毛に覆われている。それこそ、黒妖犬(ヘルハウンド)を彷彿とさせるような……。

 顔は、〝獣〟を体現したような、歪なモノだった。竜とも言えそうだが、犬や狼の類とも言えそうだ。単純な獣にも見えそうだが、凶悪にも見える。その瞳は、翡翠の宝玉。そんな瞳が、邪悪に輝いている。

(なんとも禍々しい……そして、規格外の魔力反応……。これは、ちと厳しいやもしれませぬな)

 厳しい──が、諦める気はないアイヴィーである。

(主であるカーミラ様があれ程にまで成長し、頑張っておられるのだ。その側近たる(わたくし)が、ここで諦めるなど……(まか)りならぬ、最悪の醜態ッ!! 諦めるわけには行きませんな)

 絶望的な状況とは裏腹に、アイヴィーの真っ赤な瞳は、希望に満ち溢れていた。

 

 かくして、戦闘が開始される。先手を打ったのは、もちろんアイヴィーだ。

「──紅血散雨刃(ブラッディレイン)ッ!!」

 硬質化した血液で構成された無数の刃が、その化け物に襲いかかる。しかしその攻撃に対して痛痒も催していないらしく、意に介する様子はなかった。

(チッ、厄介なものよ。私だけであればどうとでもなるだろうが、街に被害を出さずに……と考えると、少々厳しいな)

 そう言って、次に発動させるのは──

紅血鎖縄縛(ブラッディバインド)!」

 同じく硬質化した血液で作り出す、束縛の縄。超極大化したそれが、化け物を締め付ける。幸い、幾らかは動きが鈍くなっていた。しかし、明らかに二十メートル以上もある巨体を、それで縛り付けるなんてあまりにも無茶で……。

「グジアァアアアアアアアア──ッ!!」

 という大咆哮と共に、その縄は千切れてしまった。

(……本当に、厄介なものよな。カーミラ様の本気であれば、こんな事造作もないのだろうか? いやはや、流石にあの御方でも、これは……無理かもしれませぬな。しかし、こんな状況まで我が主君に頼り切りとは。世知辛いものですな)

 ──半ば諦めと共に、アイヴィーはそう考えていた。

(では──む?)

 アイヴィーの瞳が、明らかな異常を感知する。それは──化け物の、無数に乱立する剣のような背びれだった。

 そのどれもが、どこか巨剣背突竜(グレイブドラゴン)の背びれに似ていて……。

 その全てが、眩い光を放ち始めた。その一本一本に蓄蔵されていた規格外のエネルギーが、全て化け物の口内に集中していく。

(マズイッ! これはマズイぞ!! 魔力反応的に、あれが放たれれば……この国が滅んでしまう!!)

 あの化け物自身も、全てを出し切る超奥義の筈だ。威力が強過ぎて、自身も甚大なるダメージを食らうだろう。しかし、その事実に裏付けされて、その威力はとんでもないものだと思われた。

 故に、アイヴィーがこう考えるのも仕方のない事なのだ。

 アイヴィーは数多の策を考える。しかし、そのどれもがあの巨大な化け物相手では無駄に思えてしまう。

 そうこうしている内に──そのエネルギーが、アイヴィーに向かって解き放たれてしまった。

(────クソッ、クソクソクソッ!! こうなれば──)

 そう考えたアイヴィーに、放射破壊熱線とも言えるそれ──核破壊熱線(ニュークリアブレス)が襲いかかった。

 

 爆音と熱、そして光。

 それがアイヴィーを包み込み、一瞬で焼滅させる──と、思ったが。

「──────っぜぇっ、はあっ、くっ……うくっ……う……」

 生きていた。辛くも、生き延びていた。

 アイヴィーは、かなりの無茶をしている。降り掛かった超エネルギーの塊を、全力で吸収(ドレイン)しつつ、吸収(ドレイン)したエネルギーを体の回復と更なる吸収(ドレイン)に回す事で、ギリギリ生き延び、周囲への被害を押し留めていた。

 そこまでは良かったが、肝心のアイヴィー自身はもう虫の息である。風前の灯火とも言うが、本当にそうだ。あの化け物が少しエネルギーを発散するだけで、アイヴィーは消し炭になってしまうだろう。

(──フフッ、哀れなものだ。あんなに意気込んでいたのに、その結果がこれとは……。死せる同胞達に、顔向け出来ませんな)

 もはや死すらも受け入れて、そんな事を考えていた。心の中にあるのは、ドス黒い絶望である。心の全てを塗り潰す、最悪の感情。

 しかし、良い事もそれなりにある。あの化け物は、あの破壊熱線を放つと口を含む顔全域がかなり甚大なダメージを負うのだ。もはや熱線を放つどころではなく、動きが停止していた。

(フッ、フハハッ、フハハハハッ! 私の身を犠牲にしてしまったが、予定通り、時間稼ぎは完了した。後は、彼らが来るのを待つのみ──だが……)

 アイヴィー自身も、もう先が長くないと確信していた。先程から魔力の漏出が止まらず、このままでは確実に死んでしまう。

(──フフッ、後は任せましたぞ、姫。そして、姫が認めし〝勇者〟達──)

 そこまで考えた所で、化け物が活動を再開した。もう一度口内にエネルギーを収束させ、アイヴィーに放ち、討ち滅ぼす気のようだ。

(……もう、私に戦う気力など残っておるまいよ。ここが私の墓場か……。カーミラ様が愛したこの土地で死ねるのならば、幸せな事よな)

 幸いにも、カーミラが愛するこの国の民達は、既に夜薔薇城(ローズガーデン)から繋がる地下避難所(シェルター)に避難していた。ただ、飽く迄も中央魔都(トランシルヴェリア)だけである。しかし、それでいいのだ。

 ──カーミラ達が到着すれば、この化け物を討伐出来るだろうから。

 そして、全てを諦めようとした──その時。

「諦めるでないわッ!!」

 そんな、幼くも安心出来る声が響いた気がした。次の瞬間には、化け物の核破壊熱線(ニュークリアブレス)が放たれていたが──それが、アイヴィーの体を滅ぼす事はなかった。

 アイヴィーの前に、一人の美女が立っていた。

 化け物から放たれた破壊の力を、その美女が持つひと振りの細剣(レイピア)が薙ぎ払い、吸収していたのだ。

 その細剣は白薔薇を彷彿とさせる〝純白〟で、常夜の国には似つかわしくない。しかし、それは自然にこの国に溶け込んでいて……。

「……待たせたのう、アイヴィーよ。後はわたしに任せて……ゆっくりと、休むがいい」

 蝙蝠(コウモリ)のような翼を広げ、真紅の瞳と深紅の二本角を輝かせる──アイヴィーの絶対的な主たる夜叉姫、カーミラ・ツェペシュがそこにはいた。




 超いいところで終わり! 続きは後編です
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