「毎日生命線を彫刻刀で延ばしてる俺が死ぬわけないだろ」「手相以外の知識を捨てて来たのは分かりました」 作:遺書の切れ端
ごめんなさい主人公辞めます、現実を見るんで許してください
今日という日に乾杯、
「ついでに君の瞳にも乾杯」
弁当を空き教室で食べている、この弁当はコンビニの工場の正真正銘の手作りだ。いつも混んでいるからと素通りしてたが今日は空いていたので久しぶりに買ってみた。
涙程度の漬物とか小さくて可愛い、略してちいかわ。工場で
「そんな1人っきりじゃないか、恥ずかしがることないよ」
食品添加物最高!オーガニックとか知らねえ!いつも通り自己ディナー
「今日、クラスメイトを1人も見てないな」
これはクラス転移というヤツかもしれない、聞いたことあるぞ。なんか自分だけ余った残りスキル全部もらえたり、外れスキルだと思ったらチートだった系だ。今のうちに柊に別れの挨拶をしないとな、電話をかけよう。
ツーツー、ガチャガチャ、ジーコージーコ、プルルルル。
黒電話は日曜日の夕方にしか見たことないが、本当に実在したのだろうか? 電話ボックスは絶対に学校の前にあるよね、山の中の電話ボックスは蛾が中に、わんさか居て殺虫剤を吹きかけると、
『だ、誰ですか?』
前回がトラウマになっているのか。いい加減に知らない番号を取るな。
「俺さ、クラスから追放されるかもしれない……」
『あ、先輩ですね。もうされてると思います、休日に後輩にイタ電かけてる人なんて皆嫌いです』
「エクストラ整形後輩聞いてくれよ!これが最後の会話になるかもしれないんだ!」
真剣な話なのに水を差すなとツイートする、ポストになったんだった。ちなみに好きなローマ字はカエサル、ローマ人やないかーい。と考えていたら虚しくなってしまった。異世界にどうせ行ったところで馴染めない気がしてきた。でも行かなければ世界は救えない、
──覚悟を決めた
遺言気分で大事な話をする。テレビを見る前は部屋を明るくして離れて見よう。
『なんなんですか……もう』
絶対に最後の会話だと思われてない、やれやれしてる。
「地域猫が最近
『えっ』
通話越しに絶句が伝わってくる。そんなに俺が異世界に行くのがショックだったのか。
「エアーガンで仕留めてその後、砂場で あっ!もう時間だ!クソッ!今救いに行くからな世界!」
世界の方が大切だから仕方ない。勇者は壺を割ってもタンスを漁っても怒られないのだ。その割に武器屋にはゴールドを払わされる。
『待ってください!世界の前に地域の治安を救いましょうよ!!どこに物的証拠を埋めたんですか!第二公園ですか!?第一ですか!?』
目から鱗が落ちた。地域の安全を守れずに果たして世界を守れるのだろうか?でも異世界特化Sかもしれないし、地元地域適正Dかも。
「俺も好き好んで砂場に来た子供のトラウマ製造機になるつもりはない」キリッ
子供は動物が好きだし、生きてる動物とか死んでる動物とか一々気にして無いだろう。公園に段ボールの箱が置いてあって、よく見る捨て猫、犬パターンだと思ったら死んでる赤ん坊で驚いた、世の中広いぜ、ぷにぷにしてて可愛かった。
『最近、不審者注意報として回覧板で回ってきてましたよ。特徴が先輩と一致してます……どこに死体を埋めたんですか……?文芸部に埋めてませんよね……?』
アジア人なんて見た目はどれも一緒だから気にしない、柊も俺もどうせ黒髪、黒目だ。他人なんてどうでもいい。
「そういえばさ、休日ってマジ?俺学校に居るんだけど馬鹿した?」
なんか言ってたな。休日出勤のサラリーマンは残業は仕事の範囲外だからタイムカードを定時で切っとかないといけないと聞いたことある。課題は大人になっても続くらしい。
そう、そんな不条理に比べれば俺の休日登校なんて小さくない、めっちゃ大きい。だって俺の人生の基準なんだから他人の人生を味わったことが無いから、お互いに理解し合えないことを知ってくれ、それすら知れないと知った。
『それよりミーちゃんは!?馬鹿ですよ!!というか犯罪です!』
地域猫に名前付いてたんだ、先越された。今からでも遅くない、名付けよう。黒っぽかったからクロロホルムか?ありきたり、こんなのでは駄目だ、誰も俺を許してくれない。
「はぁ……人はどうして牛や豚を殺すのに、猫や柊を殺すのは駄目なんて差別だ」
俺は真理の扉を開ける、返せよ。
『動物のラインナップになんか私居ません?』
スマイル売り切れ。
「学校来ない?一緒に下校しようぜ」
気さくな人柄が滲み出てる。いや、今はスマイルの説明はすべきかもしれない、地元のハンバーガーショップでメニューのスマイルに売り切れと書かれている、やっぱり説明なんて要らない気がしてきた。通じ合っている。横浜と流星ぐらい通じ合っている。名前が強すぎるので中学生の頃に罰ゲームでスマイルを頼みに行くという身内乗りが永遠に始まった。その時の夏休みが終わる頃には売り切れと手書きで貼られてるようになった、俺が負けた時に被害者ヅラをして『助けてください……』と悲しく小声で呟いたら大事になってしまったのだ。
『嫌です。私、午後から夏祭りの出店行きますので先輩に拘束されたくありません二度と』
ブチッと切られる。
「辛い……電波が繋がってないスマホに独り言を言っちゃうぐらい幸い!」
こうなったら休日に登校してそうな部活を荒らすしかない。
俺の使命だ。逃げたりしない、運動部は怖いから文科系にしよう。
*
見慣れた道のりを走っている、この景色が過去になる時を成長と呼ぶのかもしれない。
廊下から見て開いているドアを黙視する、何度目かの道場破りを決行。
「お邪魔しまーす!!!六回目のお邪魔!」
「だ、誰だ!?」
なんか引いたぞ、ようやくか。相手も驚いて引いているダブルミーニング、うるせえ。
ずっと人数が多いせいで戦力的不利で撤退してきた1VS1なら勝てる!
ここまでが長かったぜ、手芸部、美術部、料理研究部、放送部、パソコンを触るだけなのに名前がカッコいい情報処理部、そしてスイス学王部だ。
「六は縁起が悪い、なんでよりによって六番目に居るんだよ!責任取れよ!!」
これはスイスの何をする部活なんだ、椅子が
見渡すとフルート、ヴァイオリン、トランペット、オーボエ、サックスはカッコいい、コントラバスは一番興奮する。
「さ、西藤、なんで休日にいんの?」
楽器の素晴らしさを脳内体験してきた俺に話しかけてくる生徒は、
オタクに優しくないギャルの
今日は?
《わかってるよね》
若い
「それを話すには去年の寒い冬に寒波が下りてきて俺は灯台下暗し並みに「その話長い?」
ついつい言い訳を並べる己に対してカットインしてくる樫見優香、多分もうエンドランだったはず。
「いや、今終わったところ」
「終わった!?」
失礼な、終わりの始まりってよく異世界ライトノベルのタイトルで見るだろ、俺の説明の言葉尻に参加してきた樫見さん、いや同年代だから、『かしみん』と親しみを込めて付けとこう。でも下の名前で呼ぶのは恥ずかしいのでやはり苗字だ、苗字が全てを解決する。
「じゃあ、そういう樫見さんは何で吹奏楽部で放火を?」
マズい……あれだけ反省した、すぐ火を付けたがる思考が直ってない。昔から面倒になると燃やして解決しようとしてしまう。効率が良いからな。そして簡単に馬鹿でも出来てしまう。その割に被害が
「放火してないから、自主練。ちゃんと許可ももらってる」
ありえない、なんてことありえない。かしみんは偉い、唯一俺が力になれるのはエール。
「わかった、ギャルと茶髪を辞めて清楚系でデビューするんだね、応援してる」
珍しくクラスメイトの容姿を把握している、樫見んは黒髪に茶髪が入り混じっててよく俺が教室で喋っている宮川と同じ中学だったらしい。お里が知れる。
「いや、地毛だし。というか私はお前より優等生だぞ」
俺より優等生なんてスイミー並にわんさか居る。目玉の1匹の黒い魚のお陰という教養のある話だ。でも考えてみて欲しい、魚は食べてる餌で色が変わったりするのって面白いよね、と。
生態系がどうなってる海なんだ気になる、誰も気にしてないか、ただしクラムボンてめえは許さねえ、ずっとお前のアンチは辞めないからなクラムボン、かぷかぷ笑うなクラムボン。
「えっ?俺を比較対象に選んで勝って嬉しい?ねえ?嬉しいの??おめでとう???」
かっしーの顔が敗北感に染まる、また勝ってしまったな。もうTUEE系として生きていこう、異世界主人公並みにスムーズに聞く。
「下の名前ユウカであってる?」
いきなりギョっと目を見開く彼女、なんかビビっている。クラスメイトだよね?名前覚えてるのがおかしいって、それって弱すぎるって意味だよな?
「え、怖いんだけど、唐突に何?」
怪訝そうな顔で要件を聞いてきた、真理の扉の通行料を要求したくなってきたので申し訳ない気持ちを かしみんにぶつけることにする。
「勘違いをしていたのかもしれない、ずっとカシミさんのことギャルでイジメの主犯で同級生にパパ活をさせて円光させて売春させて中抜きしているクラスで俺に次いで捕まりそうだと思ってたんだ」
ちなみに宮川はもう捕まったことあるからランキング外だ、長谷部さんは簡単に捕まらないから県外に引っ越させよう。
「ん-、売りはやってるけど、別に虐めも中抜きもしてないから否定しとく」
そう返答に悩みながら応えてくれた樫見。少し言おうか迷った素振りをしていた、そんなこと気づくな、ここは
「わかった、半分だけ謝るね」
背中を曲げないで首だけ下げて謝る。
「西藤は結局、何しに登校してきたの?」
そんなの知らねえよ。
「夏祭り、一緒に行かない?金払うよ」
臨時収入がたんまりあるからな!ペインが唸るぜ!
「え、私に質問権無い感じ?というかいくら?」
疑いの目線を送られてくる、疑念というやつか、はろ。
「5万」
指を2本立てる。
「一回、現物出して」
騙されないギャルかっけー。
「10万!」
「わかった、お前とは行かない」
瞬時に、いつもの
「あっ、俺の財布が勝手にっ、待てー!こらー!」
目の前の財布から10万を落とす、ヒラヒラしている、十枚も勝手に落ちないよね。ここだけ重力が強かったんだ、凄い脳内の理屈と言い訳が戦っている、どっちが勝つんだ!?
「……」
「ふう、危ない危ない」
万札を拾い集める、まだ俺は寝てないのにトイスト〇リー並に勝手に動きやがって。
無限の彼方へさあ行くぞ!
「浴衣レンタルとかした方がいいかな?」
急に猫撫で声になる、かしみんにはガッカリだよ。
柊なら六月なのに夏祭りに行っているので、もっとガッカリしてる。皆カレンダー持ってないのかよ、これが優越感か……。
「樫見さんのことをよく知らないから、まずは学歴と資格と経験実績、長所と短所、志望動機を答えてくれるかな」
窓を見ないように椅子に座って樫見さんに圧迫面接をする。
「えっと、ふざけてる?」
怪訝そうな顔をされて俺は思わず手と足が出そうになる、
そこを
必死に
肉体を
青空が視える
窓から飛び降りた
ガタン、ガシャン、ズドドドン、最後絶対そんな音しないだろ。
「いってえええええええええええええええ!!!!!!」
俺は今日は人に暴力を振るわないと決めていた、ただ、肩の傷が悪化したかもしれん。
空と目が合う、青くて元気そうだった。
「おい!大丈夫か!」
窓から顔を出して樫見さんが話しかけてくれた、
ありがとう。
2Fとはいえ8m少しばかりだったから足が痛い。でも子供は風の子らしいので平気だ。
「俺はユウカさんを大切に出来なかった!すまない!!」
青春ドラマみたいな台詞を吐いとく、ピースサインもしている。5万円の2だ。手を地面に着けて着地したので手の感覚が無い、2になってるかな?なってるといいなぁ。
「何の話だよ!いいから大人しくジッとしとけ!今行く!」
逃げないと確保されて逃走失敗で賞金が没収される。取れ高を考えるに自首は良いのか悪いのか、教えてくれ制作会社、知識欲に殺される。あと猫は殺してないにゃあ。
かっしーの足
「だ、大丈夫かよっ」
息を切らせながら こんな俺のために駆けつけてきてくれた。
やっぱり樫見さんは清楚だったんだ。そうネットに真実はない、もしくは真実しかない。
「俺はここまでだ、構わず先に行け!」
ピースサインカウントを5周して指が4に差し掛かった所で樫見さんが身を案じる。
「ほら、掴まれよ、保健室まで運んでやる」
彼女は身体を俺の内側に入れてそのまま持ち上げてくれる。
自責の念に駆られて自白剤の原料がベラドンナという植物なのを思い出す、花言葉は沈黙、俺とは関係なさそうだ。
「ううっ……財布から偽札を出してボロ雑巾のように捨ててやろうとか思っててごめん……」
「まじで置いてくぞ」
呆れた目で見てくる、この恩義に報いなければ。
「置いてかれたら放火しようとしてた樫見さんが証拠隠滅の為に窓から俺を突き落としたって証言しなけゃいけなくなるだろ!」
「誰も お前の発言に信憑性なんて持ってないぞ」
「大変遺憾である」
「はいはい」
流される言葉、左に見えるのはガーデニングが
ボールを見捨てて保健室の方へ運ばれていく、もうリスポーン地点に名前変えるべきかもしれない。
うんとこしょ、どっこいしょ、と事務所総出で引っこ抜かれるカブの気持ちになってズルズルと運ばれていく、
ずっと自分で歩いてる流石に。
*
「まあ、こんなもんか」
応急処置を受けてる俺を見ながら樫見さんはそう呟く、着地が完璧だったために特に致命傷は無い。
休日とはいえ、運動部が練習していたこともあり保健室のティーチャーも居たのはラッキー。
特殊耐久値めっちゃ高い、なんで進化するより進化前の方が高いんだ、ハッピーはラッキー以下なんて……幸せより幸運の方が運んでくるからなのか。
「先生、聞いてください。俺、樫見さんと付き合うことになったんです」
さっそく報告をした、多分そういうことだろうから。
「あらまあ、おめでとう〜」
声のトーンが
「おい」
樫見さんが
「先生はいつ恋人、いや結婚するんですか?年齢は飾りじゃなくて実際に積み重ねていくものです、時間は待ってはくれないんですよ、現状維持とは死ぬことに等しい、先生の場合はまだ生きてないと言うべきか……」
悟りへの境地に辿り着いたのに何故か先生の愛想笑いの目の奥がどす黒くなっていく、保健室はインファーマリーで合ってるのかな。
「俺が何か間違ったことを言ったのなら謝ります、でも先生が独り身なのは事実!ったあああああああああああああああああああああ!?」
着地した時に着いた手をピンセットで刺される、落ちた時より大きな声が出たよクラムボン。
「絶対、お前が悪いよ」
元からの悪人なんて居ない!貧すれば鈍する、衣食足りて礼節を知る。
環境がその人を悪くも良くもさせたという責任転換の援護ワードがわらわら出てくる脳内。
「樫見さん、内緒にしてね」
先生が茶目っけで樫見んに言ってる感じだけど、
冗談じゃないッ
手が息をしてないじゃないかッ
「教師が!暴行を!ぶんしゅうさん!!一面ですよ!ワイドショー!ぼっこぼこに!正義厨集まれ!」
保健室の中心で正義を叫んだ。
「ほら、もうこれ以上居ても怪我が増えるだけだ、出るぞ」
何しに保健室に来たんだ。樫見さんがまた背負ってくれて退出を
負けたままで居られるか!
俺は異世界系主人公だ!
「先生!!嫉妬は醜いですよ!内面だけじゃなく外見もっうわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ?!」
ごめんなさい主人公辞めます、現実を見るんで許してください、このとおりです。
「樫見さんソイツ置いてって」
先生?かしみん!置いてかないで!痛みで悶えてる俺を捨てたら保護責任者
「あの、こいつの席に花瓶置くことになりそうなんで、こっちで言い聞かせときます……」
俺は痛みが伝達する脳の信号シナプス君がやっと解放してくれたので言いたいことを、いの一番に言う。
「た、助けて。手の感覚が分からない……!これで自慰したら誰かにされたみたいになっちゃう!」
「生命力が凄いな……」
樫見さんの背負い方が心無しか雑になった。
*
運ばれ慣れてきた自分へ心の花束を添えて、
ちょうど昇降口の靴箱十字路に辿り着いた。
階段を上がれば吹奏楽部へ続く廊下なので帰宅する予定の俺とはお別れの時間、英語にするとアディショナルタイム。
「で、帰れるか?」
下駄箱で心配そうな視線で心配をしてくれるギャル。
これが噂の手帳持ちに優しいギャルというヤツかもしれない、オタクは健常者だろ、ちなみに俺はオタクが良いヤツだと思ってる、悪く言う人を許せない。
全力で人権を援護していきたいが障害者はお前だろと頭の中の柊が言ってきてる、あとで脳みそを摘出しよう。
「一人で帰れると思う?」
俺は自分の自律神経が心配になってきたのでSOSを出す、無人島に漂着したらSOSを木で作って飛行機が通ったら燃やす、もっと良い材料が有るんではないかと常々思う。
「足は平気なんだろ?」
足より心が限界なんだ。だいたい、無人島の話が出たら人間末期なんだ。
「頭が平気じゃないだろ!どうみても!」
必死に懇願する、助けて欲しい、帰り道に犯罪を生んだら出生届ださないといけなくなる。
「そうだけどさ……」
納得するな!戦え!抗議しろ!生き様!
「樫見さん、これで俺が事件性のある事件を起こしたら誰の責任になるか分かってるの?」
「お前の責任、あと親」
何歳になっても有名な犯罪者は親へのインタビューでどんな子だったんですか?って流れる。地上波デビューするなら天才子役がいい、まず子供にならなければ、無理じゃん帰ろう。
「親には迷惑を掛けられない……!俺は真っすぐ帰宅する……!良い子……!」
確かに親族に迷惑を掛けるのは死ぬ時だけにしたい、死んだ後は正直どうでもいいや。
「最初からそうしとけ」
呆れと心配が
「まあ、親居ないんだけどさ」
「……」
その顔が見たかった、こういうことでしか他人への関心が向かない。
凄いお通夜だ。香典は毎回いくらか悩むんだよね、葬式呼ばれたことないけど。
「えっ冗談、通じない人?」
てってれー、水曜日とか良くやってる。
「二度と喋るな、私と」
そう言い捨ててスイス学王部へ戻っていく樫見優香。
俺は二年の時に自由研究の課題にした人間観察ブック完全版の内容を思い出した。
樫見さんの家は貧困家庭片親シングルマザーだから吹奏楽部の楽器をパパ活で稼いで買ってるらしい、あと弟の学費やら家庭の生活費で大変らしい、
きっと好きなことをやってるんじゃなくて、好きなことをやってると見せているだけ、家族に気を遣わせない方法を彼女は知っている、
誰よりも親と金に苦しめられた彼女は誰かの言葉に傷付いたのだろう、そうだね、理解に苦しむ。
「ごめええええん!意地をはってごめええん!俺が悪かったァーー!今更みっともねえんだけども!俺1人で帰るって言ったけど!あれ……!取り消す訳にはいかねぇがなぁー!!」
俺の声は届かなかった。むしろ届いたことがあっただろうか?信じるか信じないかはあなた次第。