「毎日生命線を彫刻刀で延ばしてる俺が死ぬわけないだろ」「手相以外の知識を捨てて来たのは分かりました」 作:遺書の切れ端
掃除機(唯一の家族で在り妹)
休日は部屋の掃除に決まってる。
コードレス掃除機を
サイクロン式のゴミを定期的に捨てるという手間と空気が通り抜けて埃が舞いやすいデメリットが無い紙パック式を購入してみたところ、風が通り抜けない。
しかも掃除機の充電器が自動で紙パックの中身のゴミを吸い取ってくれるという こんなの令和にあっていいのかよ。
家電の特集を見ながら『これ絶対買うなー、でも金無いなー、強盗不可避』なんて思っていたら、今は口座がバブル状態なので問題ないや目隠し完了(死語硬直)
「兄ぃー、へ、へくちー!」
ハウスダストの餌食になった妹が部屋に入ってきた。
もういい、いくらでも部屋に入るがいい、これで物欲センサーが働き入って来ないはず。
「タクシーを呼ぶ時みたいなクシャミだな」
「うるさい!」
掃除機は静音機能付きなので
カーペットやフローリングにも対応していて消臭と除湿機能もある。
(明らかに妹より掃除機の方が優秀だ、掃除機を妹にしよう)
俺は掃除機を愛している。
だが近親相姦は良くないので掃除機とは結婚できない、悔しい。
でも掃除機が寝込んでいたら俺は寝ずに看病する。
元から対して寝てないだろは野暮。
「兄はうるさいもんなんだよ」
「弟にするよ?」
まずは要件を言ってくれ。残って
掃除をするためだけに神様は休日を作ったんだぞ(墓守)
「こんな姉は嫌だ、どんな姉?」
反転攻勢、弟にされる前に大喜利のお題を妹に投げる。
「っ逆立ちして生活!」
妹は一瞬でお題を飲み込み瞬時に答えた。
大喜利は解答が長引くほどにハードルが上がるらしいので早いのは良いこと。
「確かに嫌だな」
掃除機をしながらでも会話は出来る。
何故かって? 軽いし、場所に合わせてノズルを変えることに依り「兄はー?」
「振ってくれ」
流石に大喜利の回答だけをいきなり言ってウケる気はしない。
まぁ、身内の盛り上がりにスベるもウケるもどうでもいいんだぜ? と澄まし顔しつつでも どうせならウケたい!!!! と心が叫びたがってるんだ。
「こんな姉! どんな姉!?」
雑だ。お雑煮以下。
「無宗教なのに断食してる」
「許せる!」
駄目だったらしい、難しい。
「んー、通行人全員に あだ名を付けているの方が良かったか」
「あーそっちの方が嫌かもー」
何個か浮かんだか
政治ネタや宗教絡みは人次第では笑えなかったりするから気を付けなければ。
さて日本国憲法第九条、戦力の不保持について。
「あと 勝手に自室で漫画を読んでる妹もイヤだよな」
俺が片付けて荷造りした漫画を勝手に開け出した。
「いいじゃーんー! ちゃんと巻を順番に戻してるよ?」
捨てるから順番は関係ないが。というかお目当ては漫画だったんだな。
フリマアプリで売るのも有りだけど、自分が使っている物を誰かが使っている不快感が付きまとう。
お金には耐え難い嫌悪感だ。
「だって お前 手が
兄妹でじゃんじゃん言い合う。やはり家族は口調が似るのか。
あと坊主に付いて触れられない、これが家族か……!
「兄の心より綺麗だよ?」
ゴミ処理場で燃やされる前に、漫画も最期に読まれて喜んでいるはずだから
それに今、俺は お坊さんだから心綺麗だと思う。
「キレイキレイ?」
「きれいきれい」
組み立て本棚のネジやボルトを外して解体する。
本棚ごと捨てると木は燃えるが鉄は燃えないので、その辺を考えて捨てた方がいいだろう。
「そうそう、兄 その髪どしたの?w」
──俺に家族なんて居なかった。
「人様のヘアスタイル笑うなゴミウト、一緒に捨ててやる」
ヘアッ! デュワ! シュワッチッ! ダァ!