「毎日生命線を彫刻刀で延ばしてる俺が死ぬわけないだろ」「手相以外の知識を捨てて来たのは分かりました」 作:遺書の切れ端
「遺書に俺の名前書いていいぞ」
朝教室にはもちろん行かずに深夜徘徊の睡眠散財を貯金し直してた俺は、昼休みのチャイムでのそりのそりと起き上がり、途中でパンパパン(爬虫類)を飼った。
屋上リベンジだ、扉の前で二礼二拍手一礼をかます、神社は三礼三拍手一礼派。ぱんぱん、がちゃがちゃ、バンッ。
「俺が見えるのか?」
「……。」
こちらに興味も示さず飽きたはずの空を眺めている。空より先に俺が飽きられたとは思わない。
「おい、にんげーん。見えちゃってるかー? おーい」
回り込んで手を振り
「……。」
「ちなみに俺も人間」
冷めた目で一瞥されたので自分も同じ人間だと訴える。
「……。」
「嘘! この世ならざるもの!」
無視され続けてるので茶目っ気を見せながらキャピキャピとしたポーズをとってみた。
「何の用。」
『早く用事を言え』と言いたげな顔。
「……」
さっきまでのコイツの真似をして無表情を貫き無視。
「……?。」
首を傾げながら訝しげな目線で怪しまれた、分かりづらかったなら修正。
「……!」
オーバーに物真似してみる。
「……。」
気付いて呆れられたのでステップアップ。
「!?」
絶対にコイツがしないモノマネの披露。
「……!。」
少し驚いた様子に手応えを感じながら、それも養分にする。
「……!」
少し驚く真似、完璧だ。ふはは俺はお前の鏡なんだ。
「……。」
今までが氷のような冷たい目線だったなら少し怒りの熱を感知する。
「……?」
何も分かってないピュアな顔を作り、まるで今日産まれたと言わんばかり。
「暇そうだね。先輩。」
先輩の語気が強めなので嫌味か、年上らしくしろと。
「その通り」
そんなものは慣れているから同意。
「……。」
彼女の溜め息が屋上の風と共に流れ去っていく。
「すぐ黙る後輩だ」
「面倒。」
喋るのが? 喋る相手が?
「生きてるのは面倒なんだよ、諦めろ」
諦めてないから生きてるとも言える。言えた。
「死にたいと。思ったことある?。」
初めて屋上っぽいトークテーマ。
「一度もないな、死にたいと口に出したことすら無い」
「私はずっと。死にたい。」
おー、屋上貸し切り待ったなし。
「飛び降りるなら頭からだって教えただろ、遺書に俺の名前書いていいぞ」
「違う。この感情ごと。死んで粉々に。砕きたい。」
「そういうのは黒背景でイン
「きっと先輩は。可哀想なんだね。」
見つけられた?
「見下すなと言ったよなー!!!!! じゃあお前カワウソなー!!!!!!!」
俺は再び屋上で寝転がり抗議活動のようにエアーで看板を掲げる。
「なにそれ。」
「宮川の言葉を贈ろう。なろうなろう理想になろう、明日なんて平等に来ない、だとよ」
「意味は。」
「知らない」
「そう。」
「そ「……。」
何かを察知して目を明後日の方に離される。流石に学習したぜ。
「創価〇会!? セーフ」
「……。」
3歩距離を取られた。昨日から嫌われてばっかだな、誰か
「正解が知りたい」
「……。」
電源オフられてるわこりゃ、寝よ寝よ。
▽
「あ」
また昼飯を食べ忘れるところだった。人は痛みを共わなければ成長しないとDV彼氏(ユウキ)も良く言っていた。昼寝から上半身を起こして猫みたいなビニール袋を漁る。
「この亀モチーフのメロンパンはどう考えても学校近くのパン屋のパクリだな、俺は絶対一人で食べるから! 寄生虫だらけの亀を酢に浸けるとわんさか寄生虫が溢れてくる動画を見ながら食べるから!!! 邪魔しないで!! 虫さんトコトコレース初める気なんでしょ!?」
柊曰く*1、亀は爬虫類なのでこのパンも爬虫類判定。
「……。」
パンの種類に著作権とかは有るんだろうか。
でも著作者が亡くなって70年経つと(著作権法第51条で)フリー素材になるので団体や親族が再取得していたらその限りではないが、パンを作った人なんて親族諸共滅んでそうだ、R.I.P.
「なんだてめえ!! 亀は飼育させないぞ!!! 俺を見るな! 俺を見ていい時間はとうに終わったんだ! 過去は戻らない! でも未来は変えられる! 見るがいい!」
「ここで。食べるの?。」
目障りらしい、耳障りの方もある。
「ぼっち飯に耐えられない……一人でご飯とか味がしない……ここで食べさせてぇ! トンビにも謝るからさ! ぺこぺこ! お腹の空く方と謝罪のダブルミーニング」
「……。」
会話拒否率が天井を回っている、319分の1でデレる台よりはマシ。
昨日のパン強奪から自己防衛のためにどうやって相手を押さえ込んで無力化するかを観察する、手首の傷が覗いた。
「お前リスカしてるのかよ、やるじゃんパンやるよ」
亀は宣言通りやらないが緑色間違いで
「良い人。」
食べ物を積むだけでルート入りそうなやつだな。
もう
脳内は基本くだらない論争に溢れかえっているな、いい加減黙れ。これこそが、
「もぐもぐタイム!?」
「《……》。」
二人してそんな目で見なくてもいいじゃんかよ。
▽
「お腹まんまるだな」
「満腹。」
結局ヨモギパン以上を次々と投げ込んでしまった。
これが動物園の猿山で敢えて立場が低い猿に餌を与えてボス猿から取り上げられている姿を嘲笑う気持ちナンだろう、カレーは甘口派。
「何か月?」
「……。」
パンで上がった好感度を乱数調整しながら色違い出現を待つ。
「もう無視されるのにハマってきたぜ」
もうちょい下げとく。
「ごちそうさま。」
こう言ったら返事が返ってくるのか。
「どういた(どうせ今日も
そう言えばコイツも授業受けてないな。
学生の本分は勉学と人間関係の構築、群れから逃げているようでは成長する機会を永遠に失うことになる。辛い苦しい失敗全てを経験しなければ社会に出てからは学生時代が生温く思える地獄が待っていると、アメリカのホームドラマで言っていた。日本の話じゃないから気にしなくておk。
「普通そこは壁ドンしながら『俺のために生きろよ』顎クイですよ」
「後輩の頭がラベンダー畑になってる、7月が見頃ピークだからしゃーないか」
「頭の中で生キャラメルとか作ってません」