「毎日生命線を彫刻刀で延ばしてる俺が死ぬわけないだろ」「手相以外の知識を捨てて来たのは分かりました」 作:遺書の切れ端
昼休みが終わり、お見舞いもどき共が帰って行ったので保健室には静寂が流れている。
暇だけど行動制限が物理的にかかっているため、安静は大事な行程と判断。ただ退屈に飼われているのは
なんてことを考えながら天井をぼけーっと眺めていたらカーテンレールがシャァーと動き出し、保健室の番人が声をかけてきた。
「そうそう、西藤さん。文芸部の周辺が
寝たふりをしとけば回避が出来ると思い込んでいた時期が僕にも在りました。
『聞いていない』と『やっていない』が通用する世の中はとっくに終わってしまったんだ。だが窓ガラス破損ごときでいまさら怒られるわけも無く、まだ1年の時の貢献度が生きているということか。
このままズルズル居座っていたら流石に退学させられそうなので、進路を真剣に考えておこう。3年の夏に考えるのは手遅れ感が満載。
「ガラスを片付けついでに気づいただけだろー!!! 主任ー!!!!!」
転部やらを規制している親玉の学年主任め。
そもそも学園の雑務を生徒にやらせる行為が悪逆非道、これに関しては全国共通だった。でも教師は教師で生徒のベビーシッター状態で忙しそうなので『押し付けるな』とは言わない。
仕事を持ち帰るのが当たり前だと疲れた笑顔で立派な教師を夢に抱いていたやつが病んでいく、好きの搾取が一番人を追いつめる。
「療養期間くらいは時間稼ぎをしとくから。まっ、文芸部の副部長らしく後輩のためだと思……えないわよね、西藤さんは」
そんな言葉を保健医に言われ、シャァとカーテンを閉められた。
主任の足止めは数日と見た、月曜には取り掛かるか。そう言えば本棚を撤去してから電子書籍に大幅な移行をしたなと現実逃避を図る。
ある主人公が一人になった部屋で『白いモノを
薬=白のイメージがそんなに無かったためにピンと来なかったが、今なら分かるのもちょっと良くはない。
そんな自傷気味な感情がこちらを覗いてきて丁度眠れそうな薄暗い空間は人の目を気にしなくていい。ベッドの身体に俺の身体を預けた。
▽
頭に包帯がグルグルと3ヶ月は早いハロウィン状態で放課後を迎えた俺。
太陽の色を見る限りまだ昼に思えるような夕方を感じながら文芸部? 誰が行くかよ、下駄箱から正々堂々と脱出を試みる。
「先輩遅いです」
「とうとう幻覚で人が見え始めて話しかけてきているっ……! どうせならユラギにしてくれよ……!」
夢と同じで
「先輩はさもしくて人望カッスカスですから私が居なかったらその頭では一人で下校中に死にます」
このまま下校すると最終的には亡くなるらしい、人生かよ。
「一回『後輩と帰っていいか』と、心の司法、立法、行政に聞いてみる」
「その三権分立機能してます? 窓ガラスに頭叩きつける発想に辿り着くような国は国家清浄した方がいいです」
靴箱に上履きを投げ入れる、まったく補助をする素振りを見せない国のアンチと喋りながら下校ルートを考えるのを同時並行思考。
「皆良い奴だった」
国会の立法さんも内閣の行政さんも裁判所の司法さんも皆支え合って生きている。
支え合っていたら三権分立の意味ないな撤回。
「社会は総じて結果責任です、人柄は複数の人員が同じ水準を満たしてる場合のみ考慮の余地として影響します」
リアリストだ。
俺は無投票なので俺脳内政権と俺脳内政治は熱量のある人に任せようと思う。
「つまり国民全員が俺なら競えるわけか……」
「
国として認められる4つの条件、国民、領土、政府、外交能力のどれが足りなかったのだろう。
「俺政権のマニフェストは窓ガラス修繕前はエアコンの意味をなさないから偽善「ゆらぎって誰ですか?」
「お前には関係ないな」
「なら私の事情も関係ないと思いません?」
おっと
「介護ではなく
「納得した顔には視えないですね」
介護は実際に身体を触って手助けするヘルパーさんだ、介助は見守ったりアドバイスするのが仕事で実際に手を使うことが少ない、こいつのように。
「さて行くぞモンテスキュー」
「暑いです……アイスとか奢ってください」
「次はお前が払う番じゃない? 交代制を採用している」
「誰のおかげで今、生きてると思いますか?」
「丈夫に産んで育ててくれた親」
「マザコンに発言権は無いです」
マンマミーア(なんてこった)