妄想してたのを書いてたらなぜかこうなりました。
1話で終了予定です。
ネテロ会長のキャラがブレブレかつ未熟です、下手するとキャラ崩壊かもしれません。ご注意ください。
あと少しだけノヴさんにもセリフがあります。
一部ヴィーガンの方への批判があります。キャラ付けではありますが、ご注意ください

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アリとカマキリ

僕はさ、馬鹿だから常日頃から転生して穏やかでほのぼのしたスローライフを過ごす妄想をするのが好きだった。

異世界の辺境の田舎に日本のインフラを魔法でなんやかんやして再現して、ちやほやされて、楽に生きたいなんて妄想を毎晩のようにしてた。

 

ハーレムとかには興味がみじんもわかなくて、なぜあんなトラブルを招く関係をうらやむのかわからなかったし、肉体関係に夢を見るタイプでもなかった。

むしろ、お互いの汚い部分を交わらせるって事実が嫌いで仕方がない。だから二次元にしか興味がわかない人間だった。

 

考えることも世継ぎを作ることも嫌う僕は間違いなく人間失格だと自覚もあった。

できることならこの世から消えたくて消えたくて仕方のない、そこいらじゅうによくいる人間もどきだった。

 

この世の中のすべてがプログラムのようにしか見えなくて、人間も動物も植物も空気も微生物もすべてが等しくオブジェクトに見えていた。

幼少期はその感覚のせいで、何か行動をするどころか息をするのも苦痛だった。

 

正直そんなのだから、ヴィーガンの方の一部が掲げる『痛覚がない植物しか食べるべきではない』理論も致命的に軽蔑していた。

それなら、植物も外的や環境に反応している立派なオブジェクトだけど、なぜそれを食べていいなんて言えるのか聞いてみたかった。

 

僕は、幼少期からずっと苦しみながらそれでも死にたくないから、ごめんなさいと謝って全てを食べ、息をし続けてきた。空気にいるであろう微生物でさえオブジェクトに思える僕は罪悪感を抱きながら今も食べ続け、息をし続ける選択をしている。そんな僕からすると、彼らの言葉は本当に上っ面だけの軽蔑すべき対象であると思っている。

 

もちろん物理的に食糧難に対応するためのヴィーガンという選択肢を考えている方は、むしろ頭いいなーとは思っている。

将来そういう風潮が一般的に浸透したなら、僕も喜んで微力を尽くそうかなって思うくらいには尊敬している。

 

だからかな、人間関係も中長期的にうまくいったためしがない。僕の価値観はどうにも一般的じゃないらしいのが根本の原因だと思うけど、しかしそれを苦に思ったこともなかった。

でもなぜうまくいかなかったのかを考えるのは好きだったし、うまくいっていた期間を分析するのも好きだった。

 

そして次の時にはそれを用いて、少しでも長く良い人間関係を築けるよう頑張った。

 

プログラムは好きだった、というよりもアルゴリズムが好きだった。

 

どうすればその事象が起こりえるのか、再現できるのかを考えている時間は、頭がよくなったような気がして好きだった。

 

そして人間失格な僕は、その他のすべてのオブジェクトよりも自分というオブジェクトが大好きだった。

 

そんな僕は今・・・生まれ変わっていた。

 

キメラ=アント

 

として。

 

 

・

 

 

何がを起きたかを把握するよりも先に、本能がささやいた。

 

『女王を守れ』

 

と。

 

次いで自覚する自身のルーツを。

 

そして生れ落ち気付く、

 

(死んだのかなんなのか、ハンターハンターの世界かぁ・・・しかもキメラアント・・・死んだわこれ)

 

と

 

「バックレるか・・・」

 

そう決めるのに10秒もいらなかった。

 

ハンターハンターと呼ばれる世界は恐ろしい、念と呼ばれる超能力バトルの世界なのだから。

それもありきたりなテレパシーのようなレベルではなく、がっつり個々の想像しうる最上の超能力を作り出せる世界。

 

完全な対処法も最強も存在しえない暴力と思考力にまみれた超常の世界。

 

そりゃもう逃げるよね。

 

 

・

 

 

そいつは異質だった。

同時に生まれた俺から見て、明らかに異常。

 

俺たちは生まれるときに、絶対のルールをもって産み落とされる。

 

『女王を守れ』

 

そのためにそれぞれに異なる指令が与えられ、そうあれと生まれてきている。

そこに疑問を持つことはまずありえねぇ。

 

野心もある、愚痴もある、だが絶対のルールは植え付けられている、はずだった。

 

「バックレるか」

 

そうつぶやいた隣の野郎は、ひときわ人間に近い奴だった。

黒い長髪に細身だが筋肉がみっちり詰まったほぼ人の体、唯一引き継いだと思われる生物の特徴は、その複眼と、両の手首から生えるカマキリの刃。

 

いきなりの離脱宣言とその容姿と謎の圧も相まって、俺たちの世代すべてがそいつを注視していた。

 

はずだった。

 

そいつは気づくと消えていた、音もなくにおいもなく、まるで幻だったのではないかと思うように瞬く間に消え去っていた。

 

何かが起きたと俺たちはすぐに女王へ報告を挙げたが、女王からは「離脱した存在はいらない、しかし見つけたなら始末せよ」という返答が来るのだった。

 

 

・

 

 

時は進みキメラアントの王が女王を食い破り生まれ、巣が分かれた。

 

そして人間のレアものの長、ハンター協会会長のネテロが女王の巣へとやってきた。

 

コルトと呼ばれる鳥形キメラアントによる交渉のすえ、彼らは女王の延命措置を行いにやってきたのだ。

 

そんな最中、それは現れた。

 

 

・

 

 

(わしも老いたか?)

 

ハンター協会会長ネテロは、女王蟻の治療へ立ち会っているさなか、突如として新たな見慣れぬ人間が治療チームの真横に出現したことに驚愕した。

 

何も感じなかった、現れてなお数舜その存在を知覚しながらも誰もが反応することができなかった。

 

その間にその存在の圧は側近であるノヴの全力に匹敵するほどの圧となり、この場を支配した。

 

そんななかネテロは自分に錆を感じながらも、生来の性かこの場にいる誰よりも早く再起動を果たした。

 

「ほっほっほ、お前さんは誰かの?」

 

ネテロは表面上穏やかに、そいつのオーラを受け流し朗らかに話しかけた。

 

だがこめかみは明らかに引くついていた。

 

それは脅威への警戒であったのか、自分自身のふがいなさへの八つ当たりであったのか・・・

 

(ああ、腹が立ちやがる、今こいつがその気だったなら、この場の俺以外が間違いなく殺されていたろうよ。・・・なさけねぇ)

 

後者であった。

 

が、

 

(そして見た目と圧が致命的に釣り合っていねぇ。こいつぁ一体・・・なんだ?)

 

同時に警戒でもあった。

 

 

・

 

 

僕は生まれ落ちたとき、何の因果か念に目覚めていた。転生特典なのかどうかはわからないが、好都合ではあった。

 

念による個々の能力の発現には大きく分けて2つの成り立ちが存在する

 

1.考え抜いて自分に合った能力を組上げる

 

これは至極当たり前のことだと思うが、自分で自分なりの最適解を作り上げていくのである。

自分にとって有利な条件を、自分にとって都合のいい能力を作り上げることができる。

しかしこれとは反対の成り立ちも当然存在する

 

2.自然と身についている

 

である。超一流の職人がたどり着くことが多い極地であり、同時に特異かつピーキーな能力が生まれやすい方法でもある。

 

どうやら僕は後者であったらしく、僕はその能力を使い、パッと目についた自分のキメラアントの本能をオフにして、とりあえず全体項目にあった存在の透過度を100から0にし、同じく全体項目の音のパラメーター関連も0にすると歩いて逃げ出したのであった。

 

僕の能力もとい発はどうやら『すべては平等に(オブジェクト)』という名前らしかった。

 

現状では自身のパラメーターをある程度の範囲で操作することしかできないようだが、感覚的に将来はすべての項目を好きなように触れるようにもなりそうだと感じた。

 

ざっくりと説明すると、自分のパラメーターを操作することができる能力である。

僕みたいなタイプが操作経念能力者とは恐れ多いが、おそらく操作系なのだろう。

 

完結的に述べるならいつでも「人間をやめるぞー!!」ができるし普通の人間に戻って「人間賛歌は勇気の賛歌!!」と1人ジョジョごっこを遊ぶことができるようになりそうだということ。

漫画が違うって?妄想の材料であることに違いなんてないからセーフである。

 

また、よくある「鑑定!」もののように相手の能力を把握することも、操作することもできる余地がありそうな、便利すぎる能力の可能性が高いこと。

 

強すぎる発だと自覚すると同時、その制約を感じ取ることができた。

 

『世界をオブジェクトと見なせなくなれば、すべての念を使用できなくなる』

 

である。

 

正直僕にとっては、世界をオブジェクトと見れなくなったのなら死んでもいいと思ってるから別に何の障害にもなりえないと感じた。

 

と思った瞬間だ、

 

『世界をオブジェクトと見なせなくなれば、命を落とす』

 

と制約が誓約となったことを感じ取った。

 

まぁ特に異論はないので問題なく受け入れ、同時に発がさらに強化されたことを感じ取った。

 

強化されたことでパラメーターは漁れば漁るだけ見つかるが、多くの場合複数個所に影響を及ぼし、複合的な設定が必要で、いろいろ試してプリセット作ることを楽しんだ。

 

巣の周りや中でうろうろしつつ、いろいろ触りながら以下の設定を作り出し、自分に施した。

 

1.表示される体を人間へ変更

2.食を不要とする

3.睡眠を不要とする

4.栄養を不要とする

5.筋力を増強

6.オーラを増強

 

1については、種族名自体の編集はまだできないみたいだったため、表面上の見た目だけを人間にした。

どういうことかもう少し、詳しく説明するのなら、人間型スキンである。はみ出した部分は透過されるが実在している。以上。

 

2~4はそのまま

 

5については岩を軽くつまむだけで抉り取り粉々にできる程度に設定した。

これで大体最大値の3分の1だった。

「肉がつかめればそれでいい」さんごっこができてとても満足だった。

 

6のオーラを増強であるが、自分の現状で最大の値を設定してみたこともある。

透過度0でも自分は認識できるため、その状態で円を行ってみた。感触ではネフェルピトーを上回る範囲を円で覆えていると感じた。

 

そんなことをしているうちに気づけばネテロ会長が女王の治療に立ち会ってるあのシーンだった。

 

そして、ふとした思いつきで僕は1つの提案をすべく女王治療中の場に姿を現した。

 

話の真実味と僕の存在感を増すためにオーラに関しては、ノヴさんを参考にした数値程度に調整してから透過度を100にしたのだが・・・

 

なぜか警戒されている。

 

普通に対処可能な範囲のオーラ量に抑えてあるはずなんだが、ものすごく警戒されている。

 

『すべては平等に(オブジェクト)』が相手に使える発へと強化もされたようだからわかるんだけど、全員の警戒値90以上で吹き出しそうになった。

 

なぜ?・・・まぁいっか。僕が話しかけようとすると機先を制し、ネテロ会長が話しかけてきた。

 

保険だけかけとこ。

 

「ほっほっほ、お前さんは誰かの?」

 

おおー、生ネテロだ、なんか朗らかだけど圧が強い!

 

「あー、僕は・・・ああ、名前の設定してなかった。まぁなんだろう名前は設定し忘れてたから名乗る名がないんだけど、ちょっと警告とお手伝いに来たんだよね」

 

なぜ高まるのだ警戒値。

 

「誰の手伝いなのか、何をするつもりなのか教えてもらうことは可能かの?」

 

なんだろう、回答次第では襲い掛かられる未来が見える。

見聞色なんて持ってないが回答を誤れば確実に、観音様にぶっ飛ばされると断言できる。

 

「お手伝いってのはあなたたち人間の補助、やることはここでは言えない。そして警告は今のままではネテロ会長、あなたが死を選ぶことになり、事態の収束の代わりに人類側に少なくない被害がでるということ。」

 

貧者の薔薇と呼ばれる核兵器を隠したいだろうと、少しだけ気を使って僕が答えると、ネテロ会長から僕へ対して威圧ともとれるオーラが向けられる。

 

ただただ、現状の設定の数値をいじっただけではたどり着けない、流麗なオーラに僕は思わず

 

「おわぁ・・・」

 

っと声をあげてしまう。この域を操作できるまで発を育てることもできると直感するが、それには僕自身の鍛錬が必要であるとも感じ取れ、少し楽しくなってきた。

というか、なぜ威圧されているのだろうか、僕は何か間違った対応をしたのか思い返すが、思い当たる節がない。

 

やはり人間相手というより、なまじ言葉が通じる相手のほうが大変だと思っていると

 

「お前さんは人間の見た目をしているが、蟻ってことか?」

 

ああ、そうかスキン張ったままだから変に警戒されているのか、ふむ。

おおざっぱかつ考えるのが苦手な僕の過失かな。

 

「そういえば、スキン有効化したままだった。ごめんよ、僕は人間とカマキリをベースとしたキメラアントだよ。そして人間であった頃の感覚が強いタイプでもある。信じてもらえるかは知らないけどね」

 

そういい人間のスキンを無効化すると、複眼とカマキリの刃を持った本来の僕の姿となる。

 

「どおりで見た目と圧が一致していなかったわけじゃの。それでそんな蟻のお前さんが、なぜわしらの手伝いなんぞ買って出るのか聞かせてもらえるかの?」

 

やっぱりこの時点だと、これくらいの対応しかしてもらえないかぁ。でも警戒は完全には解けてないけど数値的に70前後を行き来する程度に収まっているから、許容範囲かな?

 

「まず、詳細を話すときには場を移したい。種族的に同胞ではあるのだけど、同胞であるからこそキメラアントを僕は信用していないんだ。僕は解除してるけど本能的衝動を植え付けられてるから。できれば誰も干渉できないようなところへ連れて行ってもらえると助かるかな。拘束だって喜んで受け入れるよ?」

 

そういうと、ネテロ会長は、傍らにたたずむスーツを着た黒髪の男、ノヴに視線を一度向け、彼が頷くと。

 

「こっちへ付いてきてくれるかの?」

 

といい顎で奥の暗がりを指し示す、おそらくそこでノヴさんの能力である『4次元マンション(ハイドアンドシーク)』に移動するのだろう。そう思うが

 

「拘束は?」

 

「わしの前で、攻撃に移れるのものなら勝手にすればええぞい?」

 

そう何一つ気負わずいわれ、感動をしてしまう。

これが自分を信じ切れるほどに自分と向き合い高めた、人類の傑物の一人か、と。

 

というわけで、少しルンルン気分になりながら、移動を開始した。

 

 

・

 

 

ワシとノヴそして名称不明の祖奴は、ノヴの発の空間内へと移動した。

 

「ここなら最も安全じゃ、さっそく話してもらおうかの?」

 

くだらないこと、敵対的なことなら殺しちまえばいいしその最適な環境に今はいる。それ以前に感ではあるが、こやつには敵対的意図を感じぬ。

 

しかしおそらくこやつはノヴの能力を知っておった。

 

「やっぱり凄いね念能力って。まぁいいか、それじゃまず前提として僕はこの世界とは別の世界の平和ボケした国からやってきてる。そこではこの世界がたどる1つの未来を物語として描いてた。だから多少の範囲の未来を知ってるんだよね。」

 

「あ”?」

 

思わず熱くなったワシの頭が急速に冷えていく、今こいつは何と言った?別の世界、物語・・・あり得ぬとは言えぬ。あの暗黒大陸が存在する以上、何が起きても不思議じゃねぇ。

 

「仮にそれを認めたとして、おぬしはなぜここに蟻としておるのかの?」

 

パリストンの野郎が知れば間違いなく、やばいことが起きる存在が今目の前におるのかもしれぬ。

 

「それはわからない、目が覚めたらキメラアントになってた。そして念能力に目覚めてたから、速攻発を使って逃げたんだよね、キメラアントは負けるから。」

 

あっけらかんとそういう祖奴に奇妙な感覚が沸き起こる。

 

「それに、何よりネテロ会長には勝ってほしかったんだ、その物語を知った時にね」

 

そう笑うやつに違和感が強くなる。

 

「おぬしはこの世界にやってきたと聞いた、人から外れ死ぬ可能性も高まった、死んだら戻れるわけじゃないのじゃろう?」

 

こ奴はまるで今を他人事のようにとらえておるようにも感じるがそれもまた違うと感じる・・・

 

「それはそうなんじゃないかな?今の感覚は寸分たがわず現実だと思うから、きっと死ぬと思うよ。森で強化前に踏んだ石とかひっかけた木の枝とか痛かったからね!」

 

物語の世界に来た高揚感か?いや何かが致命的に違うとささやく・・・

 

「おぬしは怖くないのかの?少なくともこの世界を知っておるのならおぬしが死ぬ可能性はその平和ボケした国よりも高いと思うがの?」

 

そう、平和ボケした国から来たという。荒事が少なく、死に近づいた経験がない可能性が高いのに、殺される状況を許容できるというズレ。

 

「怖いか怖くないかなら、怖いかな。嫌か嫌じゃないかなら嫌じゃないけどね。僕にとっては今まで数多くの命を食らってるのに、安全で平和なことを享受しているのに罪悪感があったんだよね。それがなくなった。死に近いからこそ、僕は誠実に生きられそうな気がしてる。前の世界では怖くて踏み出すことができなかった一線を、ナニカが壊してくれたんだと感謝さえしてるよ。」

 

そう照れ笑いをするそやつをようやくワシは理解し始める。

 

「命を食らったってのは食事って認識でええのかの?」

 

「そうだよ、吸った空気にも、飲んだ水にも、食らった何もかもに、僕は罪悪感を感じていたんだ。」

 

わかってきたぞ、この違和感。

 

「それはこの世界でも変わらんのじゃないのかね?」

 

「まぁそこは能力で変えちゃったんだけど、仮に必要だったとして、昔よりも自然に近い場所がおおいこの世界なら僕は少しは気を紛らわせて生きていけると感じてるんだよね。」

 

気になる内容が出てきよったが、まぁええじゃろ。それよりもわかった。

 

こ奴は、自然かつ善寄りのパリストンタイプじゃ。

破綻しておる、破綻しておることを理解しておる、そして興味を持てるか持てないかですべてを判断しておる。おそらくじゃがそういうタイプじゃろうな。

 

空気にも飲んだ水にも食らった何もかも、どうでもよいと感じる時もあるタイプ、というよりそっちの方が多いタイプじゃろこ奴。同時にそれを自覚しながら、都合の悪いことはそんなこともあるよね、人間だもんねと矛盾を流すタイプ。

 

人のように喜び、人のように怒り、人のように哀しみ、人のように楽しめる。

 

そして

 

人の苦しみに寄り添える、人の苦しみを理解できる、人の苦しみを操れる。

 

パリストンはこれらを意識して悪意ではなくただの暇つぶしのように自覚し行っておる。

対してこ奴は、それらをただ呼吸をするかのように無意識かつ自然に行うが、パリストンほど悪辣ではないと見える。

 

パリストンに暇つぶし以外で感謝の念を抱いたのは、久しぶりかの?あやつを知っておるからこやつを理解できた。

間違った対応をせずに済んだ。善なる協力者などと信じすぎずに済んだ。

 

「ほぅ、その能力がワシらにも使え、それにより強化しようってことかの?」

 

おそらくこやつは、ワシの全力も貧者の薔薇も知っておる。

そのうえでワシが負け、それでも人類がキメラアントに勝つといっておる。

 

つまり、ワシは貧者の薔薇を使い王を倒す。

 

・

・

・

 

面白れぇじゃねぇか、ワシが産まれたばかりの蟻風情に負けるってことじゃねぇか。

 

そして此奴はそれをわかったうえで、ワシらを強化しようとしてやがる。

 

そんなもん

 

「そうだけど、そうじゃないかな、わかってるから。だから僕からする提案は1つなんだ、若返ってみない?」

 

落ち着けアイザック=ネテロ。

 

こ奴をパリストンタイプだと判断したばかりじゃねぇか。だが、あいつよりも嫌らしいぜこいつは。

 

あいつは悪意がある、じゃから程よい刺激要因であり、やりすぎたなら潰してやろうと思える敵対心をいだけるし面白い。

じゃがこいつは違う、まるで・・・まるでじゃないな、本心からこいつはこちらを思いやっているように、こちらが妥協できるラインをつき無自覚に人形のように人を操る。最大の敵は良き隣人か。

 

守られ続けた場合、多くの存在は弱くなる。

 

わしもこやつの手を取った瞬間弱くなるじゃろうな、表面上の全盛期の代わりに落とし無くすものがある。

 

気を抜くなアイザック=ネテロ。

 

こ奴をしっかりとパリストンと同種だと認識しろ、一種の災厄だと思え。

 

「ありがたい話じゃが、断る。どんな結末じゃろうと、な。」

 

こういったとき、本当に善意からの人類のための申し出なら

 

「そっかー、まぁ仕方ないか。」

 

驚愕するはずなのじゃ。凶弾するはずなのじゃ。何かしらの激しい感情を抱くはずなんだよ。

 

「おぬしの目的は俺の勝利じゃねぇんだろう?」

 

「なにを?」

 

少し離れたノヴのいぶかし気な声が届く。

 

こやつは善意ではなく自身のためにのみ動く人間と確信した。

 

「まぁばれるか、さすが会長。人類最強は伊達じゃない!」

 

「ふぉっふぉっふぉ」

 

くそむかつくのう。

 

「僕は僕の安全が欲しいんだ」

 

堂々と矛盾しやがったぞコヤツ。

 

「僕は自然も堪能したいけど、やっぱり殺される脅威ってのは最大限減らすのも自然の法則かなって思ってね!」

 

そして言い訳もまるで用意していたかのように自然、本当にむかつくタイプだのぅ。

 

まぁ平時ならこういうやつに力を持たせるのも、おもしれえんだがな。あいにく今の人類じゃ、パリストンでパンク寸前。

 

そしてこやつはおそらく操作系か特質系、そして自他の能力に干渉する能力である可能性が高い。

 

念能力者の量産、その可能性すら否めない。

 

故に

 

「だから、保護してほしいなって思う「ノヴ、ここで見たことは他言するな。」ん?」

 

祈れ俺よ、コヤツを飲み込める人類を、コヤツに負けぬ人類を。

すまぬな名もなき蟻よ、おぬしは人類にとって早すぎた。

今の人類におぬしは劇毒となりうる。

 

今じゃなきゃ長生きさせてやってもよかったんだがな。

 

「会長!!!」

 

甘ぇよ、ノヴよ。俺たちゃ、今、戦争の真っただ中だ。

 

「百式観音」

 

 

 

チッ、嫌な予感が消えやしねぇ。

 

 

 


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