猫科戦隊ニャーレンジャー   作:舞嵐

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第16話:真炎装の覚醒

荒廃した闘技場。朱雀の燃え尽きた残骸が地面に残されていた。

青龍: (冷徹に、そして満足げに告げる) これにて、反逆者朱雀は滅した。

ニャーレンジャーは指導者を失い、間もなく滅亡するだろう。)

白虎と玄武は、勝利に安堵の息を漏らす。

知略武将・白澤(ハクタク)は、静かにその場を観察していた。

その時、瓦礫に隠れてこの惨劇を見ていたニャーレンジャーのメンバーたち(ブルー、ピンク、イエロー、ブラック)が、絶望の叫びと共に飛び出した。

ニャーブルー(蒼真) 「レッド!」「朱雀!」

ニャーレッド(吼輔)は瀕死のままだが、朱雀の残した紅蓮の炎が彼のコアの中で静かに燃え上がっていた。

ニャーブルー(蒼真)「 朱雀の炎は…消えていない!」

ニャーピンク(愛)が、瀕死のレッドのコアを浄化しようと手をかざす。

しかし、レッドの体内の炎は、浄化ではなく、新たな変質を始めていた。

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レッドの体内に流れ込んだ朱雀の『不死の力』は、レッド自身の『情熱の炎』と激しく共鳴し、融合し始めた。

(レッドの心の声) 朱雀…!お前は…俺を救うために…!違う!お前の命は、王への忠誠なんかじゃない!俺の情熱を信じた、未来への希望だ!

レッドは、朱雀の死に対する深い悲しみと、託された命の重みによって、魂が覚醒する。

彼の体内の炎が、黄金の輝きを伴う紅蓮の炎へと進化を遂げた。

ニャーレッド(吼輔)「 許さない…!朱雀の命を弄んだ、お前たちを…!」

レッドの体から、凄まじいエネルギーが噴き出す。

ゴオオオォォォ!

朱雀が託した炎が、レッドの体内で新たな装甲を生成し始めた。

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レッドの周りに、不死鳥の翼を模した炎が巻き起こる。

青龍:「 馬鹿な!あの反逆者の炎が…なぜ、あのライオンの中で覚醒した!?」

青龍が初めて動揺を見せる。

レッドは、立ち上がり、叫ぶ。

その声は、レッド自身の情熱と、朱雀の強い決意が混ざり合った、二人の魂の叫びだった。

ニャーレッド(吼輔):「 Wild Change!」

「 真炎装!ニャーレッド・Oiseau Vermillon!」

 

ナレーション: 「真炎装(しんえんそう)」…それは、ニャーレッドの重装甲に、朱雀の真紅(バーミリオン)の流線的な装甲が重ねられた、究極の姿である! 全身を走るのは、不死鳥の羽根を象った黄金の紋様!二つの炎が融合したコアが、胸部で激しく脈動する! 肩アーマーは不死鳥の頭部のように鋭く変貌し、背中には、朱雀の情熱の炎と不死の力が具現化した、紅蓮と黄金の光の翼が形成されている! その力は、獅子の猛々しい力に、朱雀の「不死」が加わることで、打倒されても即座に再生する圧倒的な継承力を獲得したのだ!」

ニャーレッド・Oiseau Vermillon(オワゾー・ヴァーミリオン)は、悲しみを乗り越えた情熱とライバルから継承された不死の力を体現していた。

その圧倒的な力に、武将たち、特に知略武将の白澤(ハクタク)は、「ルール」を超越したこの現象に戦慄する。

青龍:「 朱雀め…!自分の命を対価に、新たな『炎』を生み出したというのか!」

青龍は激しく怒る。

ニャーレッド・Oiseau Vermillonは、朱雀の無念を晴らすかのように、武将たちに向け、怒りと決意の炎を放った。

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荒廃した闘技場。

真炎装 ニャーレッド・Oiseau Vermillonが放つ紅蓮と黄金の炎は、青龍の冷気を、玄武の防御壁を、そして白虎の猛攻を、瞬時に凌駕していた。

青龍:「 馬鹿な…!これが、あの反逆者の力だと!?」

青龍は、初めて明確な恐怖を感じていた。

朱雀の不死の力が融合したレッドは、その動きが不死鳥の如く俊敏になり、炎の威力が純粋な生命力を帯びていた。

ニャーレッド:朱雀の命を賭けた炎は…お前たちの偽りの忠誠心なんかじゃ、二度と消せねぇ!

ニャーレッド:「 フレイム・バーミリオン・スラッシュ!」

朱雀の剣技が融合したかのような一閃が、白虎と玄武の装甲を深く切り裂いた。

彼らは、レッドの圧倒的な力に押し戻され、戦意を喪失する。

白澤(ハクタク)の心の声: この炎は…『ゲヘナ』の闇を打ち破る、真の黄龍皇帝の『光』に等しい。青龍の支配を崩壊させる、計算外の力だ…!

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青龍は、レッドの真炎装が自身の支配を脅かす存在であると瞬時に判断した。

このまま戦闘を続行すれば、自らも朱雀と同じ運命を辿りかねない。

青龍:「 撤退だ!全軍、即刻撤退せよ!真炎装の力は、我々のルールを超えた…今は時期が悪い!」

青龍は、屈辱に顔を歪ませながら、残りの武将とゾルダを率いて、虚無の荒野から撤退を開始する。

ニャーレンジャーのメンバーたち(ブルー、ピンク、イエロー、ブラック)は、この奇跡的な逆転勝利に涙を流し、レッドに駆け寄る。

ニャーブルー(蒼真):「 レッド…!やったな…!」

ニャーピンク(愛):「 朱雀が…朱雀が私たちを救ってくれたんだ…」

レッドは、真炎装の装甲をゆっくりと解除する。

彼の目には、朱雀の最期の炎の記憶が焼き付いていた。

ニャーレッド(吼輔):「 朱雀…お前の命の炎は、確かに俺が受け取った。お前の炎は、俺が未来へ繋ぐ!」

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青龍の本拠地に戻った知略武将・白澤(ハクタク)は、この敗北を冷静に受け止めていた。

白澤(ハクタク) 朱雀の自己犠牲は、我々の計算を狂わせた。

しかし、朱雀の処刑により、皇帝への忠誠を示す『大義名分』は手に入れた。

これより、全幻獣族に対する『ニャーレンジャー殲滅』の大号令を準備する。

その時、白虎の配下である特務隊の鋼牙が、静かに青龍の前に進み出た。

鋼牙 :「青龍。監視の任務、終わったぜ。朱雀は確かに裏切り者に力を渡して、ルール破っちまった。けどよ…」

鋼牙は、朱雀とレッドの炎の共鳴、そして朱雀の「命の対価」という、ルールでは説明できない熱量について報告した。

青龍は鋼牙の報告に不快感を露わにする。

「 その『感情的な熱量』は、俺らの『秩序』に不要な不純物だ。貴様も、そのノイズに心を乱されたか?」

鋼牙:「 悪ぃな。俺は『ルール』には従う。だが、あの『ノイズ』が、俺らの『秩序』をブッ壊す可能性は、ルールとしちゃ見過ごせねぇ。」

青龍 は鋼牙の「秩序」への執着心を見て、笑みを浮かべる。

「よかろう。鋼牙。貴様には、『闇の探求者(ダークファング)』として、あのノイズを消し去る新たな使命を与える。」

鋼牙は、ニャーレンジャーへの接触という、彼の『秩序』を守るための、重大な一歩を踏み出したのだった。

 

—第16話 真炎装の覚醒 完

 

 

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