レスキュー基地のメインモニターに、突如、ダークファング(鋼牙)の姿が映し出された。
その背景には、青龍の支配領域とは異なる、幻獣界の荒涼とした岩山が広がっていた。
「ニャーレッド。テメェが持つ秩序外の力、真炎装。あれは、幻獣界の秩序を乱す最大のノイズだ。」
ダークファングは、漆黒と紫の装甲のままで冷徹に告げる。
「鋼牙!お前はまだ、偽りの信念に囚われているのか!」
吼輔が叫ぶ。
「囚われているのは、情熱なんていう不確かな力に頼るテメェの方だ。今回の俺の目的は、排除じゃねぇ。証明だ。絶対的な論理こそが、テメェらの情熱よりも優位に立ち、秩序を守る唯一の手段だと。」
ダークファングは、吼輔に向かって、タイマンを要求する。
「ニャーレッド、一人で来い。テメェの炎と、俺の論理。どちらが真に守る力を持つのか、ここでケリをつける。」
時河はるか(ニャーゴールド)が警告する。
「吼輔、行っちゃダメ!彼の力は増している。これは、君の法則外の炎を解析し、封じるための罠よ!」
ニャーブルー(蒼真)が拳を握りしめる。
「罠だとしても、俺たちが行くべきだ!一人で向かうな、レッド!」
ニャーピンク(愛)が必死に訴える。
「お願い、吼輔!魂の力は一人で使うものじゃないわ!」
「罠でもいい。」
吼輔は、拳を固く握りしめた。
「俺の炎が、本当に秩序を乱す毒なのか。それとも、未来への希望なのか。鋼牙と、ケリをつけなきゃならねぇ。」
吼輔は、他のメンバーの制止を振り切り、一人でダークファングの待つ座標へと向かった。
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指定された岩山に到達した吼輔の前に、幻獣人形態の鋼牙が立ちはだかる。
「来たか、吼輔。テメェの運命を決める時だ。」
鋼牙が静かに告げ、その手に闇のエネルギーが収束する。
鋼牙:「Dark Change!」
ナレーション:漆黒と紫のエネルギーが鋼牙の全身を包み込み、幻獣界の論理の鎧、ダークファングが、冷徹な秩序の体現者として降臨する。
「真炎装の力、見せてもらおうか。」
ダークファングの目には、冷たい解析の光が宿っていた。
吼輔は真っ直ぐに鋼牙を見据える。
吼輔:「Wild Change!」
ナレーション:吼輔の身体から朱雀の炎が噴出し、情熱のエネルギーが装甲を再構築する。それは、法則を打ち破る、未来の力を象徴していた。
吼輔:「情熱のライオン!ニャーレッド・オワゾー・ヴァーミヨン(Oiseau vermillon)!」 全身に朱雀の炎を纏った真炎装のレッドが、その場を赤く染め上げ、炎のオーラを纏う。
炎と闇、二つの強大な力が激突した。
• ダークファングの論理の剣は、効率と予測に基づき、真炎装の装甲の継ぎ目やエネルギーの弱点を誤差なく正確に狙い撃つ。
• ニャーレッドの炎の拳は、情熱と不屈の意志に基づき、ダークファングの予測を常に裏切るように、無軌道で爆発的なエネルギーを叩きつける。
「無駄だ、レッド!」
ダークファングが叫ぶ。
「その炎は、俺の論理から見ればただのノイズに過ぎねぇ!絶対的な秩序の前じゃ、情熱はただの暴走だ!」
「違う、鋼牙!」
吼輔が炎を纏った拳で防御を打ち破る。
「この炎は、仲間を信じる心だ!お前が守ろうとしている秩序に、情熱がないなら、それはただの虚無だ!」
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激しい交戦の中、ダークファングの漆黒の装甲が、レッドの炎の連撃により、わずかに焦げ付く。
鋼牙の心の声:「この炎…予測不能な動きでありながら、一貫して『守る』という意志に収束しやがる。
絶対的な論理だけじゃ…この『情熱の論理』を完全に排除できねぇ…!」
ダークファングは、論理を捨て、若さゆえの闘争本能で応戦する。
その剣戟は、解析を離れ、純粋な戦闘力へと傾く。
「クソッ…!テメェの炎は…俺の信念を乱しやがる!」
一進一退の攻防が続く中、吼輔は、ダークファングの瞳の奥に、冷徹さだけではない深い苦悩が宿っているのを捉える。
「鋼牙!お前は、朱雀が命懸けで守ろうとしたものを見極めたいだけなんだろ!お前の心は、もう偽りの論理を信じちゃいない!」
吼輔の言葉は、ダークファングの心に深く突き刺さる。
彼は信念と感情の板挟みとなり、一瞬、剣の動きが止まる。
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ダークファングは、情熱と論理の対立に決着がつかないと判断する。
吼輔の炎は論理を破るが、ダークファングの論理は炎を完全に鎮火させない。
「…無駄な消耗だ。今回の勝負は、痛み分けとする。」
ダークファングは、剣を収める。
彼は、敗北を認めたわけではない。
しかし、レッドの炎から「秩序外の力」だけでなく、「未来への希望」を感じ取ってしまった。
「覚えとけ、ニャーレッド。テメェらの情熱が論理を凌駕するなら、俺は必ずテメェらを排除する。」
そう言い残し、ダークファングは、岩山の陰へと姿を消す。
吼輔は、装甲の損傷と全身の疲労を感じながら、立ち尽くす。
吼輔の心の声:「鋼牙は、まだ闇の中にいる。だが、あいつの忠誠心は、本物だ。俺たちが、あいつの守るべき真実を見つけ出してやる!」
—第22話 運命の対決、炎と闇 完—