西方武将の居城、白虎の隠された研究室。
白虎は、朱雀の処刑が行われた場所の時空間データと、ニャーレッドの真炎装のエネルギー波動を重ね合わせる解析を続けていた。
彼の冷徹な解析眼は、ついに青龍の報告の決定的な矛盾を突き止める。
白虎の心の声:「朱雀の炎は、処刑の瞬間に『真の秩序を守るための、一瞬の情熱の光』を残している。青龍が言う『暴走』ではない。そして、この光は、ニャーレッドの真炎装の根源と一致する…!朱雀は、真の皇帝の理念を守るために、己の命と力を人間に託した…!」
白虎の忠誠心は、偽りの王ではなく、「真の秩序」へと向かっていた。
彼は、この真実を幻獣界全体に公表するための最終的な証拠を手に入れようと、青龍が最も厳重に隠している「黄龍皇帝の謁見の間」の記録へとアクセスを試みる。
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白虎が、謁見の間の記録にアクセスした、その瞬間――。
幻獣界全体、そして人間界のニャーレンジャーの基地にまで、時空間をねじ曲げるほどの、重く、絶対的な「声」が響き渡った。
それは、黄龍皇帝のものだった。
『——絶対の秩序は、揺るがない。
それを乱す者は、たとえ四武将であろうと、排除される運命にある。
白虎。貴様の疑念は、秩序への裏切りだ。
愚かな真実の探求をやめ、絶対の秩序に帰順せよ。』
その威圧的な声は、大地を揺らし、白虎の居城のシステムを強制的にシャットダウンさせた。
この公然たる警告は、「王の絶対的な権威」を示すと同時に、青龍に対して「白虎を排除せよ」という勅命を与えたに等しかった。
レスキュー基地でこの声を聞いたニャーレッド(吼輔)は、怒りに震える。
「あれが…黄龍皇帝の力…!いや、あれは歪んだ支配に縛られている、偽りの力だ!」
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黄龍の威圧的な声に屈することなく、白虎の「真の秩序への忠誠心」は、確信へと変わった。
彼は、青龍が自分を本格的に排除しにかかることを悟る。
白虎は、青龍側の通信網を避け、ニャーレンジャーの基地に最後の通信を試みる。 「…ニャーレンジャー。私は、真実を突き止めた。朱雀は裏切っていない。
そして…黄龍皇帝は、ゲヘナに支配されている!」
白虎の声は、疲弊しているが、真実を告げる強い決意に満ちていた。
「白虎、協力してくれ!俺たちと手を組めば…!」
吼輔が呼びかけるが、白虎はそれを遮った。
「私の通信は、協力要請ではない。これは警告だ。青龍は、私の排除に乗り出す。
奴は、ゲヘナに操られた偽りの王の力を使って、お前たちを、そしてこの世界を歪んだ支配で永遠に囚(とら)えようとしている。」
「今から、幻獣界は大きな揺らぎに入る。お前たちの魂の力と科学が、真の光となることを祈る。」
通信は、青龍側の妨害により、そこで途絶えた。
白虎は、孤立無援の戦いを決意したのだった。
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白虎からの警告通信は、彼を監視していたダークファング(鋼牙)の装甲にも傍受されていた。
「…白虎様。やはり貴方は、俺の論理から外れた真実を選ばれた…!」
ダークファングの瞳の解析光が激しく乱れる。
彼は、白虎への絶対的な忠誠心と、黄龍皇帝の「絶対の秩序」に従うべき義務の板挟みとなっていた。
黄龍皇帝の威圧的な声(秩序)は、彼が信仰する『絶対的な論理』そのものだったが、その論理が白虎様という『忠誠の対象』を排除せよと命じた。
鋼牙の心の声:「論理と忠誠が…矛盾しやがる。俺は、どちらを選べば、白虎様を守れる…? 秩序を貫き、白虎様を排除するのか…それとも、秩序を破り、白虎様の選んだ道を守るのか…!」
鋼牙の闇の装甲の紫のラインが、彼の激しい葛藤を映し出すように、激しく明滅していた。
—第23話 黄龍皇帝の真実と白虎の決意 完—