ニャーファング(鋼牙)として覚醒して数日後。
レスキュー基地の訓練場では、吼輔と鋼牙が連携訓練を行っていた。
「ファング、今だ!真炎のタイミングに合わせろ!」
吼輔が叫ぶ。
「てめぇの炎、待て!その角度じゃ、敵の反撃を23.7%の確率で受ける!避けるのが絶対の計算だ!」
鋼牙はMode Wildの装甲を纏っているが、その動きはまだ硬い。
鋼牙は吼輔の攻撃を無視して防御に回り、結果的に敵役のシミュレーションユニットの回避率を100%にしてしまう。
「クソッ、何してんだファング!俺たちは計算じゃなくて魂の力でぶち破るんだ!」
吼輔が怒鳴る。
ニャーブルー(蒼真)が冷静に二人の動きを分析する。
「吼輔の情熱には隙がないが、鋼牙の防御計算は完璧だ。だが、それでは敵は倒せない。」
「魂の力は非効率だ!俺のMode Wildの力は、絶対のルールで制御しなきゃ、無限の力として暴走する危険がある!」
鋼牙は言い返す。
訓練後、吼輔は鋼牙に詰め寄る。
「お前は、白虎様を守れなかった時の計算式にまだ囚われている。俺たちは、命を懸けて予測外の情熱で戦うんだ!」
「情熱では、偽りの王の絶対のルールは破れない…!」
鋼牙は言い返す。
その時、緊急警報が鳴り響いた。
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街に現れた幻獣将はフリゲート。
水棲系幻獣で、音波による共振破壊の計算を得意とする。
フリゲートの瞳は、鋼牙のダークファング時代に傷つけられた幻獣と同じ、深い怨念の光を宿していた。
「ニャーファング…!貴様の闇の絶対の計算に、故郷を滅ぼされた!Mode Wildなど、偽善だ!」
フリゲートは鋼牙に狙いを定め、強力な音波を放つ。
ニャーレンジャーがフリゲートを囲むが、音波攻撃により連携が崩壊する。
ニャーシルバーが叫ぶ。
「まずい、音波が装甲の共振周波数を乱している!皆、距離を取れ!」
ニャーイエロー(樹菜)が、活発に動いて音波を避けながら突進する。
「この音、マジムカつく!躍動の衝動、止まらないよ!」
しかし、音波の壁に弾かれてしまう。
「てめぇら、退がってろ!」
吼輔が指示する。
「ファング、 Mode Wildの純粋な光、無限の力で、音波を打ち消せ!」
鋼牙は言われた通りに力を放とうとするが、Mode Wildの奔放な力が、過去の過ちを呼び覚ます。
鋼牙の心の声:「この力は…白虎様に教わった、絶対の計算式で全てを支配するための力だ。これを魂の力で使えば、また誰かを傷つける…!」
鋼牙の動きが止まる。彼は過去の罪に縛られていた。
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鋼牙の逡巡により、フリゲートの攻撃がニャーレッドを直撃する。
吼輔の装甲が大きく損傷した。
「吼輔!」
ニャーピンク(愛)が、すぐさま吼輔に駆け寄り、優しさの力で防御フィールドを展開する。
「解放の力で、これ以上吼輔に攻撃させない!」
ニャーゴールド(はるか)は、フリゲートの音波と鋼牙の迷いが作り出す戦場の不調和に顔を顰める。
「鋼牙、貴方の絶対の計算は、過去という一瞬に囚われたルールよ!永遠のライガーの魂は、悠久の時の中で進化し続ける!立ちなさい!」
ニャーブラック(雄夜)は、音波の波長に紛れるように一瞬で姿を消し、フリゲートの意識の外から微細な一撃を加える。
「神秘の力で、フリゲートの計算を乱せ!」
その間に、鋼牙は初めて、計算ではなく仲間の危機に感情を揺さぶられる。
「…鋼牙、聞け!」
吼輔は、地面に倒れながらも、炎のように強い目で鋼牙を見る。
「お前がダークファングの力で誰かを傷つけたなら、Mode Wildでそれ以上の魂を燃やせばいい!お前の過去は、俺たち全員で背負う!それが仲間のルールだ!」
吼輔の言葉は、計算を失った鋼牙に、新たなルールを提示した。
「仲間との絆こそが、偽りの計算を打ち破る魂の力である」という真実だ。
「俺の過去を…背負う…?ふざけんな…!」
鋼牙の頭の中で、闇の計算の残滓が完全に燃え尽きる。
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鋼牙は、フリゲートに向かって突進する。
「てめぇの怨念、受け止める!だが、俺はもう偽りの計算の戦士ではない!俺は、絆のルールを知ったんだ!」
鋼牙は、Mode Wildの力を解放する。
それは、単なる計算的な防御ではなく、吼輔の情熱と白虎への忠誠心が融合した、無限の力の奔流だった。
フリゲートの共振破壊の計算が、鋼牙の純粋な無限の力に触れた途端に崩壊する。 「ツインファング・ライトニング!」
鋼牙は、牙状の双剣、光の牙でフリゲートを打ち破る。
戦いの後、鋼牙は吼輔に深々と頭を下げる。
「ニャーレッド…俺は、てめぇに、計算の外にある真の魂の力を教えられた。感謝する…。」
「いいってことよ、白伐。」
吼輔は、立ち上がり、笑顔で鋼牙の肩に手を置く。
「これから、俺たちが、お前の新しいルールになるんだからな。」
ニャーゴールド(はるか)が、目を細めて微笑む。
「ええ、絶対の計算は一瞬で崩れる。でも、魂の絆から生まれた情熱こそが、悠久の時に耐えうる真の永遠の力よ。貴方はそれを手に入れたわ。」
ニャーブルー(蒼真)が満足そうに頷く。
「理性の力から見ても、これでMode Wildの真価が発揮できる。素晴らしい無限の力だ、鋼牙。」
ニャーブラック(雄夜)は、静かに空を見上げる。
「神秘のジャガーは知っている。絶対の計算を捨て、情熱を受け入れた時、お前は魂の力を極めるのだと。」
白伐と呼ばれた鋼牙は、一瞬、装甲の下で目を丸くする。彼は、生まれて初めて「仲間」という情熱に晒され、どう反応していいかわからない。
「…チッ、馴れ馴れしいな。だが、感謝しておく…。」
鋼牙は、そう吐き捨てると、すぐに顔を背け、装甲を纏ったまま、照れ隠しのようにそそくさとその場を離れた。
ニャーファングは、Mode Wildの無限の力を仲間との魂の絆によって制御することを学び始め、9人体制の絆は、一歩深く結ばれた。
—第26話 絶対の計算、魂の覚醒 完—