紅蓮の桜と紫混じりの黒薔薇   作:ワカモだよワカモ一番はワカモ

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初めまして、この小説を閲覧いただき先ずはありがとうございます。
過去の話は逐次投稿していきます。
取り敢えずはブルアカ本編に沿って話を投稿していきます。
初投稿で、拙く誤字脱字があると思いますが温かい目で見守っていただければ幸いです。
それでは、本文へどうぞ


1話 邂逅

「永い夢を見ていたんだ。誰もが幸せになれるはずだと考えてた。でも、無理だった。俺は失敗した。彼女の期待には応えられなかった。だから俺は.....」

 

意識が覚醒する。

見慣れた天井。

俺は......災厄の狐と共にあると決めた。

そう、あの日から....

隣で眠る少女の頭を撫でる。

んぅ....と声を微かに出す少女は愛おしい。

今日はあの日、俺が過去に失敗し続けた先生として着任した日だ。

 

「さあ、先生。俺が失敗し続けた物語を、ハッピーエンドにしてくれ」

 

これは、誰もが幸せになれる物語。

そう、信じている。

 


 

現在シャーレを取り囲む状況は最悪。

不良たちがあちこち攻撃してまともに動けたものではない。

あちこちでRPGやJHP弾が飛び交っており、キヴォトス人ではない先生が一発でも貰えばお陀仏な戦場となっていた。

 

「な、なに、これ!?なんで私たちが不良たちと戦わないといけないの!?」

「サンクトゥムタワーの制御権を取り戻すためには、あの部室の奪還が必要ですから.....」

「それは聞いたけど....!私これでも、うちの学校では生徒会に所属していて、それなりの扱いなんだけど!なんで私が.....」

 

愚痴を洩らす少女はミレニアムサイエンススクール生徒会所属早瀬ユウカ。

嗜める少女はゲヘナ学園風紀委員会所属火宮チナツ

ユウカは不良生徒たちから射撃を受けてプンプン怒っている。

 

「伏せてください、ユウカ。それにホローポイント弾は違法指定されていません。」

 

冷静にユウカを落ち着かせるのはトリニティ総合学園正義実現委員会所属羽川ハスミ。

そこへと災厄....いや、キヴォトス中の生徒が震え上がるであろう人物が舞い降りた。

一瞬閃光が走る。

 

「「「「うわぁああああああああああ!!!」」」」

 

次の瞬間には不良生徒がいた戦場は更地になっていた。

そこにいた不良生徒たちは風圧で吹き飛んだのであろうと推測できる場所に気絶して転がっていた。

 

「嘘.....でしょ.....!?」

「先生、ご無事ですか!?」

「う、うん。なんとかね。ハスミが守ってくれなかったら危なかったかも。」

「い、一体なにが......」

 

チナツは舞った砂埃が晴れるた場所に佇むゲヘナ学園風紀委員会委員長の纏う制服に似た服装の男子生徒を見つける。

 

「ま、まさか.....前風紀委員会委員長.....!?」

「はぁ!?そ、そんな!消息不明の人物がなんでこんなところに居るのよ!」

「見間違える筈がありません、あの特徴的な制服、キヴォトス全土の中でも唯一のヘイローを持つ男子生徒は前風紀委員会委員長ただ一人です。そして、現風紀委員会委員長の空崎ヒナ委員長の実の兄である外見的特徴と一致します。」

 

空崎ヒナのような白髪を短く切り揃え、4本の角はよく手入れされている。そして腰から生える大きな蝙蝠の羽根はバサバサと動いており砂埃を払っていた。

 

「ふむ、どうやら着地が派手すぎたか?不良生徒を吹き飛ばしてしまったようだ。」

「な、なぜ貴方がここに.....!空崎リョウ前風紀委員会委員長!」

「なぜ、か。いい質問だなゲヘナ学園風紀委員会所属一年火宮チナツ。答えてやろう。今日赴任した連邦生徒会発足の超法規的機関シャーレの先生を試しに来た。ただそれだけだ。」

 

つまらなそうにリョウは答えると背中に背負った大剣を抜き地面に突き刺す。

 

「ヒナ委員長には会ったんですか......?」

「ヒナ....か。会っていない。そもそもあいつと会う()()()()()。」

「.......!!!ヒナ委員長がどういう思いで今まで過ごしているのか考えた事はないんですか!?」

「.......?なぜお前がヒナの事で怒っている?分からんな。ヒナはあの日俺と方向性の違いで離別した。違ったか?俺はワカモの為に生きるそう決めた。ヒナの事は今は重要じゃない。」

 

チナツが感情を露わにしてリョウに吠え立てている横で先生はハスミに質問する。

 

「.....ハスミ、ワカモって?」

「災厄の狐、狐坂ワカモ。矯正局に収監されていた七囚人の一人です。」

「なるほどね、で彼は?」

「.....元ゲヘナ風紀委員会委員長の空崎リョウ。純粋な近接戦闘だけでキヴォトス最強の男です。忌々しいですが。」

「彼は味方なのかな?」

「今は敵でしょう。少なくとも先生に危害を加えるつもりはなさそうですが、妨害する気のようなのでどうにかしなくてはいけません。」

「ハスミたちでなんとかなりそう?」

「難しいですね.....先ほども申し上げた通り、純粋な近接戦闘のみでキヴォトス最強ですから近付かれるとほぼ勝ち目はありません。」

 

そっか.....と先生は口元に手を当てて少し考え込む。

 

「もういいだろう、火宮チナツ。どうしても話を聞いて欲しいのなら.....力づくで俺を捩じ伏せるんだな。」

 

話が終わったリョウは突き刺した大剣を片手で引き抜き構える。

 

「ユウカ、チナツ、ハスミ、スズミ!くるよ!私が指揮を取るから指示通りに!」

「「「「了解!」」」」

「さあ、先生。あんたの力を見せてくれ....!」

 

先生が指揮を出すと同時にリョウは一気にハスミへと肉薄する。

その速度はあまりにも速い。

 

「ハスミ!左にしゃがんで回避後、銃のストックで脇腹へ殴打!」

 

苦虫を噛み潰したような表情をしたハスミは指示通りに回避後反撃する。

 

「ほう...!だがその程度じゃまだまだだな。」

 

ハスミの反撃を最も簡単に空いているもう片方の手で銃のストックを受け止める。

 

「ユウカは全弾発射!スズミは一拍置いてスタングレネードを投擲!」

「はい!先生!」

「ハスミさん当たったらごめんなさい!」

「チッ!あくまでも無力化か!」

 

ユウカのサブマシンガンの全弾発射を避ける為ストックを手放し距離を離した後スタングレネードの閃光を防ぐ為全力で地面を左足で踏み()()()()()()()()そして両耳を塞ぎ衝撃に備える

 

「はぁ!?なにそれ!?」

「みんな!防御姿勢!」

 

先生の合図で全員がスタングレネードへの防御姿勢を取る

炸裂後、戦闘状況は仕切り直しになる

 

「うーん参ったなぁ、ここまで強いとは....」

「参ったなぁ、じゃないんですよ先生!?これ止めれなかったらシャーレは奪還できないんですからね!?」

「あはは、手厳しいなユウカは」

「ですが先生、次の一手はどうしましょう。流石に同じ手は通用しないかと。」

「うーん....」

「この程度じゃないだろう?先生?」

 

リョウはやれやれと肩をすくめた後、ユウカに向かって大剣と思いっきり投擲する。

 

「!?ユウカ!回避して!」

「きゃあああ!?」

 

間一髪でユウカは大剣を回避する。

大剣はユウカの真後ろの建物に直撃すると壁に大きな風穴を開ける。

 

「ちょっと!なんてことするのよ!下手したら大怪我するところだったじゃない!」

 

ユウカはまたしても怒っているが、そんな場合じゃない事を思い知らされる。

風穴が空いた建物は徐々にユウカ側へと傾き出しているのだ。

 

「......ちょっと、これって....!」

「......ッ!全員全力で退避!」

 

先生はハスミに抱えてもらうと全員が建物のそばから退避する。

 

「逃さんぞ。」

 

倒壊した建物を一直線に突き破ってリョウは飛び出してくる。

そして一番近くにいたユウカの首を右手で掴み持ち上げる。

 

「っ.....!はな、しなさい.....!」

「ユウカ!!」

「空崎リョウ!ユウカを放しなさい!」

「ふむ。いいだろう。」

「へ?」

 

ハスミはリョウに放せと言うが普通は放さない。

だが、リョウはあっけなくユウカを放した。

正確には間抜けな声を出した先生へ向かってユウカを放り投げた。

 

「きゃああああああ!?」

「ユウカ!?」

「まさか放り投げてくるなんて!?」

 

放り投げたと同時にリョウはハスミへと肉薄し掌底を腹部へと叩き込み吹き飛ばす。

 

「カハッ.....」

「ユウカさん!大丈夫ですか!?」

「ハスミ!」

 

その流れでリョウは先生へと接近し手刀を首元で寸止めする。

 

「「「「先生!!」」」」

「.....っ、空崎リョウくんなぜ止めたんだい?」

「最初に言っただろう?あんたを試しにきたからな。」

 

手刀を下ろすとふーっと息を吐いてリョウは先生を見る。

 

「見事だ、先生。まさか初見で俺の攻撃を捉えてくるとはな。それにシッテムの箱がない状態での指揮・判断能力。ワカモと俺を扱うのに相応しい。まあ、予想外の攻撃で油断しなければ俺が近づくのも難しかっただろう。聞いているんだろう?連邦生徒会生徒会長代理七神リン。取引をしようじゃないか。」

「......流石ですね。空崎リョウ前ゲヘナ学園風紀委員会委員長。なぜシッテムの箱の存在を知っているかは言及しませんが....それで、取引とは?」

「今シャーレ襲撃を納めてやる。代わりに俺とワカモをシャーレ所属とすること。」

「一応聞きますがいいえと言ったら?」

「シャーレにある重要な物を破壊しに俺が向かう。」

「.....はぁ.....拒否権はないということですね。分かりました、その条件を呑みましょう。」

「いいの?リンちゃん?」

「誰が....はぁ...もういいです。とにかくこの件が収束するのであれば安いものです。それに、災厄の狐をシャーレで管理できるのであれば不安要素が色々減るので。」

「そっか、じゃあリンちゃん処理はお願いするね。」

「後ほどそちらへ伺いますので。それでは。」

 

疲れた様子でリンは通信を切ったのを確認したリョウはワカモを呼ぶ。

 

「ワカモ!!!!」

「はい、旦那様♡」

「ワカモ、撤退命令を出せ。」

「承知いたしました。撤退なさい。反論は認めません。」

 

一拍おいてワカモがリョウの後ろにヌッと現れるのを確認したリョウはワカモに撤退命令をさせると不良生徒達は慌てて撤退していった。

 

「さて、先生。また後で会おう。ワカモ、帰るぞ。」

「はい♡」

 

ワカモはリョウの少し後ろに付いて去っていく。

 

「な、なんだったのよ....投げ飛ばされるし、散々だったわよ....」

「ハスミ、大丈夫かい?」

「ええ、なんとか....」

 

ハスミがスズミの肩を借りて戻って来たのを確認して先生は声をかけた。

その後、ふぅ...と一息ついて先生は近くの瓦礫を椅子代わりに座り言う。

 

「いやぁ、危なかったね。」

「いやぁ、危なかったね。じゃないんですよ先生!あの元風紀委員長が先生を躊躇いもなく殺す敵だったら死んでたんですよ!?」

「大丈夫、それは絶対にないよ。」

 

先生はユウカに反論した。

反論されたユウカは怪訝そうな表情をしてさらに問いかけた。

 

「何故、そう言い切れるんですか?」

「うーん、なんて言えばいいかな...彼は私と同じ。そう感じたから。」

「は、はぁ!?そんなことで悪人じゃないって言い切れるんですか?信じられません!」

 

先生の回答が腑に落ちないものだったからかユウカは怒ってぷいっと顔を背けてしまう。

それに先生は怒らせちゃったかな?と、困った表情をして右手で頬を掻く。

 

「先生、取り敢えずシャーレへ向かいましょう。ここでグズグズしている時間はないのでは?」

 

ハスミが先生にそう告げた。

 

「そうだね、ハスミの言う通りシャーレに向かうのが先決だ。じゃあ、みんな行こうか。」

 

先生は頬を苦笑しながら右手人差し指で掻くとみんなを連れてシャーレへと向かった。

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