貞操逆転世界に迷い込んだ男冒険者がヤンデレを次々生み出してしまう話 作:超貞操筋肉
アリアが受付から引っ剥がし、強く腕を掴むとギルドの外へと俺を抱え運ぶように連れて行かれた。
「で、どういうことなんだい?」
あまりの剣幕に少したじろいでしまう。間違いなく風俗の件だろう。彼女でもないのにここまで怒ることか?
「お、男何だから仕方なくねぇか? あ、勿論アリアの金で行こうって話じゃねぇよ。しっかり自分で稼いだ金で行く」
「男なんだから…? ……なるほど、そういうことか…」
アリアはボソッと何か呟くと、しばらく考え込んだと思えば腕をまた強く掴まれ、どこかに引っ張られる。
「? っ?! お、おい! 何だいきなり」
本気ではないが、少しは抵抗しているというのに腕を掴む力が強過ぎて、半ば引き摺られているような状態になっている。流石はAランク、力の強さでも負けるとは…少し男のプライドに傷がつけられた。
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連れてこられたのは少し大きなめな2階建ての一軒家、綺麗な内装で中々の値打ちがするのだろう。
「ここは?」
「私の家だよ。それより早く」
アリアの家らしい。Aランクだけあってこのくらいの家であればポンっと変えてしまうのだろう。俺も風俗通っていなけりゃ家の3.4軒は買えたのだろうが、そんなことはあり得ない。
着いたというのに彼女が腕を握る力と歩を進める速度が衰えることなく、家の2階の部屋に着くとそこはベッドルームのようだ。1人用なのだろうが、アリアの身長が大きめなのもあり、巨体な俺でも十分寝られるサイズだ。
「うおっ! 何だ?!」
何も言わずにベッドに投げ飛ばされる。女に投げ飛ばされたことに一瞬理解が追いつかずベッドの上で放心状態になってしまったが、すぐに意識を戻し体を起こそうとする。
ドサッ…
一矢纏わぬアリアが上に乗ってきた。服の上からでもデカかったがあの状態でも着痩せしていたことに驚きを隠せない。シミひとつない真っ白で純白な肌、尻も胸も今まで抱いてきた冒険者やどの高級娼婦よりも綺麗だ。
ルビーのような真っ赤な瞳がこちらを見つめる。彼女の息が熱く荒い。
「アリア、もう止められねぇから-んぐっ?!」
こちらが手を出そうとしたよりも早く彼女の唇が重なってきた。口全体を味わうように、舐め回すように彼女の舌が暴れている。
軽いものではなく喰らうように、貪り尽くすようなキス
貪り尽くされて、お互い獣のように重なった。
情熱的なのに献身的で、何よりも相手からここまで求められるのは俺でも初めてだ。間違いなく今まで抱いてきたどの女もアリアの前では霞む。それほどに良い女だった。
Side:アリア
「何もないじゃないか…」
ギルドマスターから森の深部に異常があったかもしれないと高額な指名依頼で森に来てはみたものの普段と変わらない。
「どうなってんだ? そこまで移動しちゃいねぇだろ…」
っ?!! いつからいた?! 気配察知で感知できなかった…
一級冒険者であるアリアの高レベルな気配察知に引っかからずに一人の人間がいきなり森に現れたのだ。
まるで瞬間移動してきたような…いきなり現れた者の異様さに警戒度を高める。
大剣を構え、警戒して慎重に進んでいく様を見る限り、ボクのことに気がついてるわけではなさそうだ。
しかし異常なほどに周りを見渡している姿は怪しいという域を超えていた。
ナイフを逆手に持ち、足に力を入れる。
「こんな所で1人で何をしているんだい?」
ナイフを首元に突きつけ、尋問していくとコイツは自分のことを男だと言って来た。
一瞬戸惑ってしまったが、聞いたことがない名前に、男なのにBランクだという無茶苦茶な発言に苛立ちが募る。
「疑うなら確かめてみろよ。男にしかないものがしっかりついてるぜ」
女に触られることすら不快感を示す男が多い中、こんなことを言う時点で男ではない無い…男である可能性を出して少しでも優位に立とう、時間を稼ごうという意図が透けて見える。
目の前の人物の滅茶苦茶な言動に業を煮やしたボクは勢いよくパンツの中に手を入れて確認する。
「……な、なにこれ……え?」
大きくて少し固くて、芯のようなものが…
放心状態で芯の周りをしばらく弄っていると、段々頭が冷えて来たと同時に、もしや自分が今触っているのもは…と全身がまた熱くなる。
すぐにパンツから手を抜いてから、彼女…いや彼かもしれない顔を見る。
横を刈り上げた短めの銀髪に鋭い目つきの黄金色の瞳、強面だが整っている精悍な顔つき。女のものとは全く違う。
「あ…え…本当に?! ご、ごめんなさい!!」
彼の顔を見て顔は熱くなるが、自分は男になんてことをしてしまったのかと、背筋や頭の中は冷えている。
私はなんてことをしてしまったんだ…!! さ、さっき触ったのってじゃあ?! お、おち、おちん
「良い女だ…」
「なっ?!!」
突如彼から言われた言葉に頭が真っ白になってしまう。
冷えた背筋と頭がまた熱くなり体全身が一気に熱を帯びていく。
「と、と、とりあえず、すまなかった! ほ、本当に申し訳なかったよ! 見慣れない者が大剣を片手に森のこんな深い場所を彷徨いていたから、よ、良からぬことを考えているんじゃないかと思ったんだ」
彼が言ったことのせいで上手く話せない。彼女にとって男から良い女と言われることは初めてで、とても嬉しいことだった。
そこから彼…アデルと色々と話しているうちに彼が聞いたことがない物語や見たことがないBランクの冒険証を見せてくれた。
どうやら他大陸から来たらしいとアデル本人もわかっていないようだけど、私の方が良くわからない。未大陸なんてないし、アデルが言うような場所は聞いたことがない。
でもボクには彼のおち…を触ってしまった引け目もあって嘘だ、と否定の言葉は言えなかった。
森を抜けて街に行く道中は彼と話していた。緊張でガチガチだったが、それでもとても楽しい時間だった。
職業柄冒険者は男と話すことは滅多にないから男と…しかもこんなにカッコいい人と話せるだけで新鮮だった。
それだけじゃない。アデルはボクに怯えていなかった。
絶対的強者である女に対して男は怯え、距離をとってしまうのが普通だ。
冒険者なんてただでさえ男の数が少ないのに強い女しかいないから男なんて受付以外では関わることがないし、寄り付かない。ランクが上がれば女からは敬意の目を向けられても、男からは更に恐れられてしまう。
それがどうだ。彼は積極的に私と話して時には肌にも触れて来た。
こんなに気軽に話せて楽しい会話ができる相手は同性でも中々いない。胸の鼓動が止まらない。
彼がギルドで受付をしている時、触ってしまった彼の大事な部分の感触を思い出すだけで、濡れてしまう。気がつけばボクは熱い眼差しで彼のことを追っていた。
ボク以外の女も穴が空くほど彼を見ているのが物凄く不快だ。
「娼館はどこにあるんだ? オススメの嬢がいれば教えてくれ」
「?!!!!」
アデルに言われて少し離れていたけどAランク冒険者の耳は誤魔化せない。
最初は流石に聞き間違えかと思ったけど、受付が「娼館?!」と大声で驚いたことで、ギルド内の全ての女が更に彼を凝視する。
ギルドに入った時から女冒険者達はアデルに声をかけたそうにしてるけど、私が連れて来たということで牽制になっており遠巻きに見るだけだった。しかし我慢の限界を迎えた女達がアデルに引き寄せられていく。
彼の腕を掴むと引きずるようにギルドを出て、人気の少ない場所まで避難させた。
「で、どういうことなんだい?」
ボクが怒っていると思っているのか彼が少しどもっている。
「お、男何だから仕方なくねぇか? あ、勿論アリアの金で行こうって話じゃねぇよ。しっかり自分で稼いだ金で行く」
男なんだから…?
これまでの彼の行動や発言がおかしいとは思っていたが、なるほど。そういうことか。恐らくアデルは別世界から迷い人だ。
Aランク冒険者であるが故の豊富な知識と彼女の賢さが正解の結論を導き出していた。そこでは男女のありようが真逆なのだろう。信じがたく妄想のような話ではあるが、そう考えれば全て腑に落ちる。
ボクが一番最初に会ったんだ…絶対他の女に渡すもんか。
「? っ?! お、おい! 何だいきなり」
考えるよりも早く彼の腕を強く掴んで家まで引きずった。他の人にバレてはいけない、絶対にボクだけのにしないと…
「ここは?」
「私の家だよ。それより早く」
勢い余ってベッドに投げてしまったが彼には問題なかったみたいだ。そんなことよりも、あぁ…やっぱりもうぐちょぐちょだ。
「うおっ! 何だ?!」
これは賭けだ。ボクの思っている通りなら拒絶されないはずそれどころか…
服を脱ぎ捨ててアデルの上に跨る。
「アリア、もう止められねぇから-んぐっ?!」
やっぱりだ!!! 本来の男なら女に組み敷かれて感じるであろう怯えや不安ではなくボクと同じ興奮している。
彼の返事を待たずに、いや正確には待てずに、唇を押し付けた。
そこからは好き勝手に彼の体を楽しんだし、彼も楽しんでくれた。
彼はボクに何回も何回も愛の言葉を囁いてくれた。愛してる、可愛い、好きだ、彼から聞いたその言葉を思い出すだけで全身が痺れる。
実の所、アデルは性行為をする時には気持ちが昂って誰にでも甘い言葉を吐いてしまう。程の良いピロートークというやつだが、だからこそ関係を持った女冒険者達は堕ちていたのだ。
少し窮屈なベッドの上で抱き合いながら横になるアデルの寝顔を眺める。
「ふっ…ボクの…ボクだけのアデルだ」
しかし男が甘い言葉など滅多に言わない、それこそ将来を誓い合ったパートナーでしか聞けないこの世界では愛の言葉の重みが違う。
アデルとアリアは寝食を共にし、ギルドの依頼も一緒にこなしていくようになった。
しかしAランク冒険者のアリアには指名の依頼が多くあったのでずっと一緒とは行かなかった。アデルはアリアがいない1人の時にはパーティーを募り、他の女冒険者との交流も深めていたが、アデルとパーティーを組んだ女冒険者は何故だか二度目は組もうとしない。それどころか次に会った時は恐れたような目で見てくるようになってしまった。
良く考えれば誰の仕業なのかなんて、わかりきったことだ。
だというのに遂にアデルはやってしまった。
極上の女を毎日抱いているというのに味変とばかりに違う女冒険者を依頼終わりに誘われるがまま抱いてしまったのだ。
「は? …許さない許さない許さない許さない許さない許さない。アデルはぼのだ。ボクだけのものだ…ふざけるな」
アリアの内にともった嫉妬の炎は止められない。
次の日、1人の女冒険者が無惨な姿となって見つかったという。