??「・・・ふぅ。」
真夜中、誰かが目を覚まし、起き上がった。
三玖「・・・ん?」
三玖は、起きた音に気付き寝返りを打つと
三玖(・・・ジュン?)
惇が起き上がっていたのだ。
三玖「・・・どうしたの、ジュン?」
惇「っ!三玖か・・・悪い、起こしちゃって。」
三玖「別に大丈夫。どうかしたの?足が痛いの?」
三玖は、惇が先日の試合で痛めた足首が痛むのかと尋ねた。
惇「・・・いや、大丈夫だ。」
惇は大丈夫だと返すも、どこか辛そうだった。
三玖「・・・ちょっと来て。」
惇「は?お、おい三玖・・・!」
ほっとけないと思った三玖は、惇の手を取って部屋を後にした。
三玖「はい、これ。」
惇「ああ・・・サンキュ・・・」
2人は自販機の前で座り、三玖はその自販機で水を買ったので惇に渡した。
惇「悪いな。こんな変な時間に起こしちまって・・・」
三玖「別に大丈夫だよ・・・それで、どうしたの?」
三玖は、改めてどうしたのかと心配そうに尋ねた。
惇「・・・」
しかし、惇は答えなかったので
三玖「私じゃ力不足かもしれないけど、辛そうにしてるジュンを放っとけないから。」
三玖は、変わらず優しく問いかけた。
暫く両者に沈黙が続いたが
惇「・・・たまに夢に出るんだよ。」
三玖「え?」
惇がその沈黙を破った。
惇「甲子園の決勝で負けて以来、ずっと見るんだ・・・最後に打たれた瞬間を・・・」
惇「俺は去年に続いて今年の夏も甲子園に行ったんだ。特に今年は、どんどん勝ち進んでいって、決勝まで行ったんだ。」
惇「俺や一緒にプレーしてる先輩達仲間とテッペン取れるって本気で思ってたし、ゼッテーNo. 1になれると思ってたんだ・・・」
すると、途中で顔を下にした。
表情は分からなかったが、辛そうな雰囲気だった。
そして
惇「けど・・・その決勝で、俺は最後に打たれてチームはサヨナラ負け・・・優勝を逃しちまった・・・」
三玖「っ!」
最後に打たれてしまったと答え、三玖は二乃が言ってた事を思い出した。
初めて惇が野球してるのを観た時、二乃がスマホニュースで旭高校が甲子園決勝で負けた事、最後に惇が打たれてしまった事のニュースが書かれていたのを。
三玖は、彼に取ってまさに悪夢と言っても過言ではない夢の内容に、絶句するだけだった。
惇「先輩や他の皆も、俺を責めたりはしなかった。けど、あの負けは俺のせいだ・・・俺が最後に打たれたから・・・打たれなければ・・・先輩達が泣かずに済んだ・・・」
惇は、己の手を強く握り、自責の言葉を吐き続けた。
すると
スッ
惇「っ?」
三玖は、惇の頬に手を添え、顔を上げさせた。
その表情は、とても優しく微笑んでおり
三玖「そうだったんだね・・・ありがとう・・・色々話してくれて・・・」
三玖「でも・・・そんなに自分を責めないで・・・ジュンだって、好きで打たれたわけじゃないでしょ・・・?」
三玖「先輩達は、ジュンの事責めた?ジュンのせいにした?」
自分をそれ以上責めないで欲しいのと、先輩達は自分を責めたのか尋ねた。
惇「っ!」
惇は、目を見開きあの時を思い出した。
回想
惇「すいません・・・すいません・・・」
「もう良いよ、惇。お前が打たれたなら納得だ。」
「ここまで連れてってくれてありがとな。スゲェ楽しかったよ。」
「またここに戻って、忘れ物を取り戻して来い。」
回想終了
惇「・・・言わなかった。寧ろ、感謝の言葉を言ってた。」
三玖「そうだよ・・・ジュンなら大丈夫だって信じたから・・・例えどんな結果になっても構わない・・・後悔は無いって思ってたんだよ・・・」
三玖「だからもう・・・自分を責めないで・・・それでも辛かったら・・・私が一緒にいてあげる・・・」
三玖は、柔らかい笑みを浮かべながら惇の頭を優しく抱き締めた。
惇「・・・」
惇は、そんな三玖の優しさにどこか少し吹っ切れた感じの表情を浮かべたのだった。
その様子を
??「・・・!」
他の4人の誰かが見ていたのであった。
オリジナルを書いてみました。
面白く書けたか分かりませんが、つまらなかったらお許しを。