命と話を終えた春姫は再び滝の前で座禅を組み目を閉じ瞑想する。その間に命はベル達を呼びに行き一次的に滝の前は春姫だけとなった。
「………………………………」
『懲りずにまた来たのね』
滝の前から声が聞こえ目を開けると闇の春姫が立っていた。
「…………………………………………」
『また私を追い出そうと言うのね?そんな事無駄だと言ってるでしょう』
「ええ、確かに貴女を追い出す事は出来ないでしょう。でも、貴女と歩む事が出来ると命ちゃんに教わった」
その言葉に闇の春姫は目を見開き何かを耐える様に歯噛みする。
『何が共に歩めるよ!!そんなの嘘!!貴女はずっと一人だったじゃない!!故郷でもお母様は死に、お父様に捨てられ、このオラリオに来てもイシュタルの野望に利用されるばかり!!貴女は!!…………私は、自分の人生を生きられた事なんて無い!!友達も家族も居ない!!1人孤独に死んでいく、それが私の人生、私の運命なのよ!!』
「そうね、貴女の言う通り、私は自分の人生を生きられた事なんて無かった。これから先歩めるかなんて分からない。でも、一つだけ分かっていることがある」
『???』
「今の私は決して1人なんかじゃない」
『ッ!!』
「ベル様が1人の闇から救ってくれた」
『止めろ』
「リリルカ様は何も知らない私に知識を与えて下さいました」
『止めろ!』
「ヴェルフ様はこんな私の為に身を守る武器を作ってくださいました」
『止めろ!!』
『命ちゃんは私も貴女も同じ春姫だと言ってくれた』
『止めろおおおおおおお!!』
闇の春姫はそれらの事実を否定する様に声を荒げその爪を春姫に向ける。
「だから今度は私から貴女へ、
春姫は穏やかな笑みを浮かべるとそう言い闇の春姫を優しく抱きしめる。
「今までありがとう」
『私は、消えるの?』
「いいえ、貴女は消えないわ。私達は常に一緒だから」
春姫がそう言うと闇の春姫はゆっくりと目を閉じその体は光となって消えた。
「………………………………」
同時に春姫は瞑想を止め滝から背を向けるとベル達がいた。
「春姫さん…………」
ベルは春姫の目を見た瞬間安堵し春姫の元へ向かう。
「ありがとうございますベル様」
「いえ、僕にはこれくらいの事しか出来ませんから」
ベルがそう言うと同時に地面が揺れその揺れは段々と大きくなる。
「な、何ですか!?」
「リド!!何が起きてる!?」
「オレっちにも分かんねぇ!!」
やがて揺れは収まり顔を上げた一行の前には真っ二つに分かれた滝とその奥に隠されていた通路の様な物があった。
「これは…………」
「滝の奥に道が…………」
「なんじゃこりゃあ?」
リドは頭を掻きながら滝の奥に現れた道を見てそう呟く。
「リド様も知らないのですか?」
「ああ、少なくとも異端児がやった時はこんな事無かった」
「どうするベル?」
リドの言葉に未知を感じたヴェルフはベルに指示を仰ぎベルは考える。
「行きましょう」
悩むベルに春姫はそう言いベルは春姫の意見に賛同し一行は滝の奥へ進んだ。