監視塔の高さはマンガ版準拠です。
第1外務局内の部署はオリジナル設定です。
1639年3月4日 朝
パーパルディア皇国 皇都エストシラント
『皇都ホテル』
最初の会談の翌朝――
ニムディスが朝食後の身支度を終えて居間に出ると、ジローが振り子時計をじーっと覗き込んでいた。
(またやっておるな…)
昨晩からずっと、あの時計に夢中じゃ。
すっかり囚われておる。
「ジローよ。何をそんなに見つめておるのじゃ」
「いやね。これが実に興味深いんだよ!」
ジローが妙に楽しげに返してきた。
何がそんなに面白いのやら。
「なにがじゃ」
「この振り子時計の文字は読めないけど、針の位置は9時2分前。で、わたしの腕時計は11時14分。つまり、時差は2時間16分と20秒だ!」
(……時差の話か)
しかし2時間とはずいぶんと少ない。
ここは適当に話を合わせておくか。
「時計がズレておるのではないか? われらは数千キロ西に来ておるはずじゃが」
ジローはこういう話を振ってやると、すぐに乗ってくる。
扱い方はよう分かっておる。
「いやいや、これは園都との時差だよ。34度ほど西にいるんだ。ダーケンはとても大きいからね。ドレナ共和国でも、西と東で時差が半分になったくらいだし」
『ダーケン』――連邦執政府の国土省がこの惑星に付けた名前である。
とても大きいのに、重力はほとんど同じという、不思議な惑星である。
「それはそうじゃが、この時計が、連邦のと同じとは限るまい」
それがターラの常識である。
「ところが、これが同じなんだよ! この短針、ちゃんと12時間で一周してるんだ。実に不思議だね!」
ジローの声が一段と大きくなった。
だが顔は相変わらず時計に張り付いたままだ。
ジローが面白いと思っていることはよくわかる。
(どこが面白いのか、わらわにはさっぱりじゃが…)
「翻訳板なしでも言葉が通じるし、文化もターラの大陸内部ほど異質じゃないし、いろいろと疑問は尽きないよ」
ジローはすっかり観光気分じゃな。
ロウリア王国の時の、あの険しい顔はどこへやら。
この国はわらわが担当するとはいえ、ジローも立ち会うのじゃぞ。
(にしてもターラか……いまどうなっておるのやら)
「ターラではわれらも含めて、皆が異世界から転移した集団じゃ。皆異世界人なのじゃ」
ターラの住人はトルキナ人であろうと、大陸人であろうと、みな異なる世界からやって来た。
ゆえに皆が異質だった。
でもここはその異質さがない。
それは転移集団の世界とは違うということ。
(しかも連邦に……いや、昔のローハに似ておる)
ローハ共和国はもともとローハ王国だった。
建国したのはトール王。ローハに転移してきたニンゲン族の王だった。
(ニンゲンの国ゆえ、とも言えようが、それにしてもよう似ておる)
「ここはジローの生まれ故郷と関係があるのではないか?」
すると、ジローが振り向いた。
どうやら時計よりも興味のある話題だったらしい。
(ようやく時計の魅了から解き放たれたか!)
「確かにここに似た文化もあった。でも文字がまったく違う。それに、ここの人類は少なくとも2千年以上は暮らしてる。ほぼ全ての人類が540年前に一斉に転移してきたターラとは違う。つまりこの世界は……」
コンコンコン
ノックの音がジローの話を中断した。
“お客様、失礼します。お迎えが来ております”
ドアの向こうから声が聞こえてきた。
「迎えが来たか」
迎えを寄越すというのは、こちらを軽んじる気はないということじゃな。
扉を開ける音の後、グリオナの声が聞こえてきた。
「わかりました。こちらも用意はできております。すぐに降りると伝えてください」
「かしこまりました」
宿館の接客員が返事をして、静かな足音が離れていった。
「じゃあ行こうか」
ジローが時計の前から離れた。
宿館の玄関を出ると、御者が待っていた。
「おはようございます。ニムディス様御一行であられますか?」
洗練された立ち居振る舞いである。
「そうじゃ」
「それでは第1外務局にお連れせよと言いつかっておりますので、お乗りください」
そう言って御者がドアをうやうやしく開けた。
だがニムディスはすぐに乗り込まずに、馬車を眺める。
褐色の外装は光沢を放ち、そこかしこに施された金細工が、朝日に輝いている。
曲線を描く車体も優雅で、その上、おしゃれである。
「なかなか見事な馬車ではないか」
ニムディスは上機嫌に馬車を称えた。
(昨日の馬車より格が上じゃな。扱いが変わったと見て良いのか)
「はい。乗り心地もそこらの辻馬車とは違います」
「それは重畳じゃ」
ニムディスは満足の笑みで頷いた。
「ところで、その辻馬車とは何じゃ?」
「それは…」
ふと尋ねると、御者が言い淀む。
するとジローが割り込んできた。
「営業馬車のことだよ、ニムディス」
そう言われると、すぐにわかった。
「ああ、あれか」
運賃を支払い、行き先を告げると連れて行ってくれる営業馬車。
以前は北のローハ共和国の都市で走っておった。
ドレナでは営業鳥車が走っておったが、こちらは短身族用じゃったな。
どちらも連邦政府が『等級の加護』の配布を始めてから、人力で動く『営業輪車』に取って代わられたため、いまは観光用くらいしか残っていない。
ふと、巨大な建物がニムディスの目に入った。
「ところで、あの遠くに見える塔は何か知っておるか?」
あれだけが異様な大きさじゃ。
「あれは陸軍の監視塔でございます。皇都北の内陸側を警戒しているのですよ」
監視塔か。確かにあれなら遠くまで見渡せような。
「あのような
「ほお、スゴいな。200メートルはありそうだよ。並大抵の建築技術じゃないね」
ジローが感心した声を出した。
「そうでしょうとも。今やわれらパーパルディア皇国は第3文明圏一の列強国ですからな」
御者は、そんなジローに誇らしげに語った。
「では、頼むぞ」
ニムディスは馬車に乗り込んだ。
ジローが隣に座り、対面にはグリオナが座った。
「建築技術は高いということなのかな。魔信もあって通信技術も進んでいるし、費用を気にしなければ、あれだけのモノを建てる技術はあるということだろうか。やはり不思議だ」
ジローが首をひねっておる。
朝から不思議がってばかりじゃ。
「何がじゃ? 連邦も同じじゃったであろう」
連邦制になってから、建物はどんどんと大きくなった。
ここもそういう時期なのじゃろう。
「連邦ではいろんな会社を起こして、様々な技術を再現したら、たまたま建築と鉄鋼生産で成果が早く出ただけだ。社会の反発もなかったし……」
社会の反発……
ジローが会社に何か作らせると、たまに非難する者が現れる。
蒸気機関を作らせればノーク達が騒ぎ出し、計算機を作らせればノウブ連が騒ぎ出した。
“自分たちの仕事を奪うな!”と。
あれはなかなか賑やかな騒動じゃった。
「……つまりここも、もっと進んだ技術を持っている国なり団体なりがあって、そこに作らせたのかもしれない」
ジローがいつものように考えながら話している。
ならば、この国以外にも進んだ技術の国があるのか?
グラ・バルカス帝国はさようなことはすまい。
すると団体か? たとえば…
「ジローの会社連のようにか?」
「ああ」
「その辺りは例の現地補助員に尋ねれば良いのではないか」
現地補助員はロデニウス大陸の外に詳しいわけではないようじゃが、何か知っておるかもしれぬ。
「戻ったら尋ねてみよう」
門が後ろに通り過ぎていった。
「昨日と同じ門じゃ。なかなか立派な門構えじゃな」
どうやら同じ敷地にあるようだ。
「そうだね。内宮殿の門に似てる」
そうじゃろうか?
まあ、大きさは同じじゃがな。
「第1外務局にお連れすると言ってたね」
「昨日の男の第3外務局とは違うのじゃろうか」
あのつまらぬ男は第3外務局の局長と言うておった。
担当が代わるのか。
「担当地域が違うのかもしれないね。うちの東方部と西方部みたいに」
担当地域が違うのか、担当種族が違うのか、それとも重要度が違うのか。
「お、着いたようじゃ」
馬車がロータリーに入り、曲がり始めた。
「今日は話が進むと良いのじゃが……」
国交の話をする前に、電波の話をしておきたい。
ただその前に、連邦のことを知ってもらわねばなるまい。
馬車が止まるとまずグリオナが降りて周囲の安全を確認する。
グリオナが頷くのを見て、ニムディスは馬車を降りた。
ゆっくりと建物を見上げる。
「なかなかおしゃれな庁舎だね」
ジローが降りるなりそうつぶやいた。
うむ。昨日よりは格上の造りか。
今日の相手は昨日よりやり手かもしれぬな。
こちらを知る気がある相手じゃと良いな。
玄関が開いた。
――さて、どのような相手か。
同日 朝
パーパルディア皇国 皇都エストシラント
第1外務局 局長室
第1外務局の局長室は広い。
壁には縦長の窓が並び、厚手のカーテンが
3月に入ったばかりの皇都はまだ肌寒い。
暖炉には火が入れられ、静かに薪がはぜる音が響く。
窓際には重厚な木製の執務机があり、その上で、書類用紙にペンを走らせている人物がいる。
彼女が第1外務局の局長エルトである。
この部屋の主人となったのは、能力主義を掲げる皇帝の抜擢によるもの。
実際、局長達の中では最年少である。
その事実だけで、彼女の優秀さが政府内に広く知れ渡っていた。
黒髪を一つに束ね、後ろに流す姿は、若さを際立たせると同時に、自信と実力を見せていた。
ふとペンを止め、頭をひねる。
「イノスったら『36隻来る』って言ったのに、実際は40隻だったじゃない。嫌味の一つも言ってやればよかったかしら。国家戦略局は船の数もまともに数えられないのかしらって」
これまで聞いたイノスの報告を、記憶を頼りにまとめていると、つい愚痴をこぼしたくなる。
最初の報告は、先月22日だった。
イノスが「大至急報告したいことがある」と言い出して、皇帝の間に皆が呼び出された。
(いったい何なの?)
そう思っていたら、内容は突拍子もなかった。
国家戦略局は、地下資源の権益と引き換えに、ロウリア王国を独断で支援していたらしい。
そのロウリア王国に、トルキナ連邦なる未知の圏外文明国の艦隊が現れ、ロウリア軍を一蹴したという。
連絡調整に送りこんだ局員三名が、その軍艦に乗りこんで捕まってしまったようだ。
しかも、その軍艦の全長はガレー船の5倍はあるという。
(はあ?)
その時は、正直、鼻で笑いそうになった。
(そんな荒唐無稽な話を真顔で語るなんて、マヌケが過ぎるわ)
そう思っていた。
でも昨日、その艦隊が本当に現れた。
確かに事前予告はあった。
ただ、想像以上に巨大な軍艦だったため、各所から問い合わせが殺到した。
エルトはその対応を部下に任せ、自ら局長専用馬車で港へ向かった。
そして――あの艦隊を目撃したのだ。
実物を見た瞬間、背筋が凍った。
(去年見たムーの艦隊に似てる……かしら……)
言葉にならなかった。
2年に一度の先進11カ国会議。
昨年の4月、カルトアルパスに来ていたムーの艦隊には目を見張った。
あの巨大さ。あの迫力。あの色。あの威容。
(皇国が誇る竜母艦隊が、まるで子どもに見えたわ)
あのような軍艦を持つ国が、文明圏外にあるはずがない。
五大列強の一画である皇国にすらないのだ。
そう思っていた。
でも、実際にあの艦隊を目の当たりにすれば、受け入れざるを得ない。
ただ戻ってから改めてムー艦隊の魔写を見てみると、その姿はかなり違っていた。
エルトは首をひねった。
「大きさは少なくともムーやミリシアルと同程度。でも形が違うからよくわからないわね」
ムーが支援しているなら、もう少し似ているはず。
ミリシアルが関与してるなら、公使が知らないとは考えにくい。
昨日、次長のハンスも「ムーもミリシアルも知らないそうです」と報告していた。
(だとすると、あれはあの国独自の船ということに……)
「少なくとも造船技術に関しては、ムーに匹敵するものを持っていると考えるべきね」
皇帝陛下は、使者と対面した二人の報告を聞いた後、イノスを外し、代わりにエルトを指名した。
つまりエルトが対面の任を負うことになったのである。
使者の名はニムディス。銀髪のエルフの女――
(かなりのくせ者のようね。アルデの希望に添えるかしら)
アルデは皇国軍最高司令である。
その彼が昨日、相手の軍事力を聞き出すように頼んできた。
軍事には疎いと断ろうとしたが「話を聞けばウソかホントか判断できる。だからとにかく聞き出してくれ」と言われた。
(素直に教えてくれるような相手なら、イノスが外されたりしないわね……イノスの代わりに私が任されたんだから、ここは私がちゃんと聞き出さないと…)
エルトが思考を巡らせていると、ノックの音が響いた。
返事をするとハンス次長が姿を現した。
「例のお客人が到着しました」
暖炉の火が、一瞬だけ大きく燃え上がったように見えた。
まるで、これから始まる何かを予感させるように。
エルトはペンを置いた。
「そう。なら第3外務局に連絡してくれる?」
一緒に対応するのは、第3外務局の局長カイオスである。
「でもカイオス局長なら、いまミリシアル帝国担当課にいらしてますよ」
列強担当部の神聖ミリシアル帝国担当課――カイオスがかつて課長を務めていた部署である。
エルトももちろん、それを知っている。
「そう。まあ古巣だし、不思議はないわね」
「ええ、職員も顔見知りがたくさんいますから」
ハンスもその顔見知りの一人だったわね。
エルトは軽く頷き、立ち上がった。
ミリシアル担当課に足を踏み入れると、カイオスが課長席の隣に陣取っていた。
三人の職員に囲まれて談笑している。
そこには、かつての仲間が戻ってきたような――そんな穏やかで暖かい空気が漂っていた。
「あら、もう来てたのね」
エルトが声を掛けると、カイオスが振り向いた。
「ああ、勝手知ったる第1外務局だからな」
談笑していた三人は声の主がエルトだと見て取ると、そそくさと足早に立ち去った。
(別に咎めるつもりはないのに…)
「わたしが
「ふん。まさか部下に
追い抜かれたと認めようとしないその言葉には、『強がり』よりも『自嘲』の響きがあった。
かつてこの課で課長を務めていたカイオス。
その時の課長補佐がエルトだった。
局長候補が年下のエルトになった時点で、カイオスは第3外務局に異動となってしまった。
つまり、カイオスにとってエルトは“因縁の相手”なのだ。
だが、エルトにとっては“元上司の一人”にすぎない。
「確かに同じ局長の地位にいるし、同僚ね」
エルトは「並んだ」ことを表面上は受け入れてみせる。
だが内心では違っていた。
(第1の方が格上だけどね。あなたも優秀だけど、わたしの方が――少し上だったわね)
そう思ってももちろん口には出さない。
代わりに、ニッコリと微笑んでみせた。
「お客人が来たそうよ。行きましょう」
「来たか」
一拍置いて、元上司は立ち上がった。
エルトは廊下を歩きながら、ふと気になっていたことを尋ねる。
「イノスには説明してないの?」
「何をだ?」
「アルタラス王国の件」
するとカイオスが顔をしかめた。
「……ああ、仕事を横取りした身だからな」
『アルタラス王国魔石鉱山獲得計画』――国家戦略局が立てた計画である。
カイオスが「アルタラス王国は第3外務局の管轄だ」と主張し、イノスの手から取り上げたのだ。
「あのまま実行していたら、ミリシアル帝国を怒らせる恐れがあったものね。ミリシアルへの根回しはもう少しかかりそうだけど、例の“ムーの滑走路”の情報、あれが役に立ってるわ。うまく警戒し始めてくれてる」
「そうか…」
現在、あのムーがアルタラス王国に、飛行機械用と思われる滑走路を建設中なのである。
第1外務局はそれをミリシアルに告げ口したのだ。
「あの滑走路建設は“中立国の仮面”をかぶったムーの介入。このままではアルタラスの鉱山を巡ってミリシアルとムーが直接争うことになる」
両国だけで争う分にはむしろ歓迎だけど、場所が悪い。
「そうなれば最悪の場合、第1文明圏と第2文明圏が、第3文明圏を巻き込んで争いを繰り広げることになりかねない」
そんなことになったら、皇国の南方進出は不可能になる。
その上さらに、皇国自身も巻き込まれたりすれば、いったいどれほどの被害が出るのか、予想が付かない。
「でも皇国が鉱山を所有すれば、両者が直接争うことは避けられる――この説明に理解を示す高官も出てきているという話よ」
ミリシアル帝国としても、そんな事態は避けたいはず。
「それを確かめに来てたんでしょ?」
「……ああ」
「なぜイノスには話さないの?」
するとカイオスが顔をしかめた。
「……あの男は、昔から気にくわん…!」
不機嫌な感情を静かに吐き捨てるような口調だ。
(気付いてたけど、やっぱりそうなのね)
「どうして?」
「自分の手柄のことしか考えずに、勝手に動くからだ」
(え? 人のこと言えるの?)
「わたしたちも同じじゃない」
エルトは少し呆れた声を出したが、カイオスは認めない。
「いいや、違う。良すぎる案は周りへの影響が大きすぎる。あの男がもう少し無能なら良かったんだがな」
(そんなに有能かしら? ……船の数も数えられないのに?)
エルトはイノスをあまり評価していなかった。
(この計画の前提部分もそう。「滑走路があるから、ミリシアルは手を出してこないはず」なんて、楽観的過ぎるわ。全然考えが足りてない)
(ミリシアルには「なぜ手を出したらマズいのか」をキチンと説明しておかないとダメ。うちが知らせるまで”滑走路建設”に気付いてもなかったのよ)
どうも「自分が気付いてるから、相手も同じように気付くはず」と思っているフシがある、というのがエルトの見たイノスの欠点である。
(そこが浅はかなのよね)
「そう。それで、話が付いたら動き出すの?」
ミリシアルと話が付いたら、その先は第3外務局の仕事になる。
「そのつもりだ。うまくやれるかは不安だがな」
カイオスが眉間にしわを寄せている。
「あら、どうして?」
エルトは何の気なしに尋ねただけだったが、カイオスが急に声を荒げた。
「うちにはバカしかいないからだっ!」
突然の事に、エルトは思わず足を止めた。
(ちょっと! 突然どうしたの!)
「イノスの立てた計画をちゃんとわかってるとは思えんっ!」
「!!」
エルトは一瞬絶句したが、すぐにたしなめるように尋ねる。
「そんなこと言っていいの?!」
(そこの局長なんでしょ? その発言はマズいんじゃない?)
「……もちろんよくない」
意外にも、カイオスがあっさりと認めた。
「だが、あいつらは何も見えていない。こことは雲泥の差だ」
「そう…」
エルトは横目でチラリとカイオスの苛立ちを見やり、再び歩き出す。
(第3で苦労してるのね)
そして階段を降りながら、心の中で強く思った。
(第1で良かったあ!)
次回の更新は明日の予定です。