「親戚?紹介して」「……俺の婆ちゃん」
「お母さん、お母さんをください」「◯ね」
お婆ちゃんは美少女である(現在進行形)
なんなら子供や孫が歳上だと思われる
そして男達が時々告り地獄を見る
家族や周囲から嫉妬と尊奉を集める中、孫は歪んだ。 もう童貞をあげちゃっても良いさ、と。
これは擬似的なカップルを楽しむ孫と、親孝行されていると思い、純粋に喜ぶ婆ちゃんの微笑ましい(?)物語を目指す話である。
文才が無い作者ですので、改善点などがあれば宜しくお願いします
日を照り返す金髪ブロンドに、大きな胸。
男達を大勢振り向かす蠱惑的な微笑み。
世が世なら、王族が迎えに来る美少女は確かに実在した。 歳の頃は十代半ばだろうか。 だがやっている事といえば昔ながらの家事行事であった。
着古した褞袍を着て畳部屋を自室とし。 蜜柑を置いた炬燵に脚を入れながら。 学校用にと雑巾縫いをし、飼い猫を撫で、近くの文化会館に足を運び、年輪を眉間に深く刻んできたお婆ちゃん達に囲まれながら、俳句会に参加した。
その笑顔は屈託の無いものであるが……。
浮いている。 どう見ても年齢差が開けている。
ところが合っているのだ。 実年齢的には。
このブロンド美少女、お婆ちゃんなのである。
なんと、あっと驚く実年齢……七十代だ。
あまりに違う。 あまりに可愛過ぎる婆ちゃんだ。
なんなら子がいて、孫もいる。
先程の雑巾縫いは、その孫用のである。
経産婦にしても、やや拭えぬ犯罪集がする。
いったい、どんな食生活をしていれば、誰もが羨む若々しさを維持できるのか。
それは本人も首を傾げる話であり、地元の医者も匙を投げるから、彼女を知る者は考えるのをやめた。
若い者は、金のリンゴでも食したのかとか、実はサイボーグ婆ちゃんではと噂したが、そんな事実は無いと婆ちゃんは首を横に振るばかりであった。
幸い、フレンドリーな田舎社会だったから、婆ちゃんを実験台にする騒ぎにはならなかった。
ただし、変態紳士共は「経産婦ってマ?」「まだ産めるお」「おっ◯い!おっ◯い!」と性欲尻取りで興奮する始末。 中にはワンチャンあるんじゃねと、期待に股間と胸を膨らませながら当たって砕ける者すらいた。
孫からすれば、友達が婆ちゃんに告る光景は地獄絵図。 母や周囲の女性からすれば、男共が首っ丈で嫉妬と尊奉の対象で。
今日も文化会館の同世代達に羨ましがれる中、孫が迎えに来て、婆ちゃんは素直に喜んだ。 夕日を背景に手を繋いで歩く田畑の畦道。 冬故に生えるものはとうに無いが、昔から変わらない光景は、ここにもあった。
いや、それも少し変わったか。 低い位置にあった孫の頭は、今や婆ちゃんと同じ場所にある。
近々、追い越して兄妹のように見られるかも知れない。 だとしても、こうして大切にしてくれる孫の姿に、婆ちゃんは感謝しかなかった。
「いつも迎えに来てくれて、ありがとねぇ」
婆ちゃんの声は、見た目相応の美声だった。
微妙に間延びした言い方は年配者を感じさせるが、それすらも塗り潰してしまうのが婆ちゃんである。
幼き日々を共にした孫も、本当にこの人が自分の祖母なのかと時々疑いたくなる。
そして中坊も間も無く卒業するという孫は思春期だ。 小学校で見られた男女の対立構造はなりを潜め、互いに異性として気にし出す年頃。 孫もまたイケナイ感情が胸の内で渦巻き始めてしまっていた。
「い、いいよ。 婆ちゃん1人じゃ危ねぇし。 この前もナンパされたんだろ」
拗ねた声を出す孫。
声変わりして、幼さから勇ましく太い声で、他の男が絡んでいく事への嫉妬を溢す。
それは無意識のものであったが、大半の者なら勘付くレベルである。
ところが、婆ちゃんは知ってか知らずか「おほほ」と片手を口に当てるのみ。
「そこまでじゃないさ。 ただ、一緒にお茶しませんかぁ〜って誘われただけよ」
「それをナンパっていうんじゃないかな?」
婆ちゃんの危機感の無さ。 孫は心配だった。
今時、お茶しませんかという誘い方も古さを感じるが、そんな言葉を文字通り素直に聞いてしまう婆ちゃんは、よく今まで無事だったなと頭を抱えたくなる。
「ただ、みんな優しくしてくれるだけよ。 それはあなたもね。 いつもありがとう」
知らぬ者が見たら、多くが堕ちる蠱惑の笑顔。
孫は赤面し、思わず顔を背けてしまう。
「あ、当たり前だろ! 家族、なんだし……」
「良い家族を持って、私は幸せ者さねぇ」
達観し、どこか遠い目をする婆ちゃん。
それすらも絵になるから、本当にズルい。
ただ、孫の心中は複雑な側面もあった。
あと何度、こうして共に過ごせるだろう。
婆ちゃんは、あとどれくらい生きるのだろう。
取り敢えず思うところは。
友達や野郎共が告るのは度し難い、という事だ。
続かないかも知れませんが
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