絶対に死んでしまうオリ主 vs なんとかして生かしたい士官学校 作:六角ランチ
切腹済みです
「本節の課題である、赤き谷の追撃戦をこれより行う。今回は総選出。それから、今までの賊や演習と違って相手は追い詰められた賊。慎重にいこう」
ベレス先生のいつにも増して真面目な声が、赤き谷ザナドを前にした僕たち金鹿の学級の耳に響く。皆の面持ちは、大半が緊張しているけれど、クロードくんやヒルデさんはリラックスしている。
ヒルダさんはフォドラの喉元を含むゴネリル公爵領の出なだけあるんだなぁ…と思ってしまった。無意識に見詰めていたら、いたずらっぽく笑って手を振ってくれたのでドキッとした。
「………」*1
…?心做しか寒気がする…ザナド自体の標高が高いからかな…?
それより、初めて僕も実戦に出るんだよね…。初めて…人…を、殺す…
「クイナ」
ぅ…で、出来るかな…僕に…。胃がきりきりしてきた…
「クイナ」
ど、どうしよう…?今からでもベレス先生に言って辞退とか出来ないかな…?
「クイナ!」
「うぁっひゃい!?」
僕がネガティブ思考に陥っていて、リシテアさんが話しかけてくれていた事にまるで気付かなかった。何か用でもあったのかな?
「はぁ…いいですか?クイナ。貴方も、これから嫌というほど戦いに駆り出されます。…駆り出されなきゃいけないんです。…こほん。とにかく、緊張しないこと。無理を言うようですが、ここは戦場です。迷いが残ったままでは、クイナが殺されてしまいます」
「僕が…?」
「えぇ。そうです。安心してください。クイナの周りには頼れる仲間がいますから!」
そういって僕を元気づけてくれるリシテアさん。やっぱり、リシテアさんは偉大だ…!!リシテアさんがこんなに励ましてくれたんだ、迷わないぞ…!
「うん!ありがとうリシテアさん!」
僕がそういってぺこりと頭を下げるとリシテアさんはふっと笑ってからこう言った
「ふふ、どういたしまして」
◆
赤き谷ザナド。聖地ともされる場に、コスタス率いる盗賊団はセイロス騎士団によって追い詰められていた。逃げ場がないこの場所で、あのセイロス騎士団と?
ダメだ、勝てるわけがない。そんな負の雰囲気が漂い始めたころ、斥候に放っていた盗賊の一人が帰還し、コスタスに報告を行った。すると、みるみるコスタスの顔が赤く染まり、血管が額に浮き出始めた。
「よりにもよってガキが主体で掃討戦だと…!?オレたちを舐め腐ってんのか!!クソ!!」
コスタスは怒りのままに立て掛けていた鉄の斧を持つと、酒の入っていた空の樽を叩き割った。微かに残るアルコールの匂いが広がり、木の砕ける乾いた音が響いた。
それから暫く物に当たっていたコスタスが、ぴたりと動きを止める。
「待てよ…?考えれば、相手はセイロス騎士団じゃなくなるって事じゃねぇか?ガキの一人や二人、人質に取ってみればこっから生き延びれるかもしれねぇ!」
にやり、と下卑た笑みを浮かべるコスタス。周りにいた部下たちはそれに沸き立つが、斥候をしていた一人が未だ焦燥の残る表情で進言した
「か、カシラ…あいつらただのガキじゃねぇぜ?!オレには分かる!一人一人が手練だ!」
「うるせぇ!!これしか道はねぇんだよ!黙って従ってろ!」
コスタスの怒声が焦燥を含む声を掻き消した。
周りも、同調し始めたせいか一人考えを巡らせ、進言した男もやがてはそれしかない、と感じ始めたのか
「すまねぇ、変なこと言った」
そういってどう士官学生を人質に取るかの会議に参加していった。
「へへ…これしか…これしかねぇさ…」
本当に?と問う理性の残った人間は、残っていなかった
ザナドって、谷と呼べる地形には見えないですよね
今後
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短編集的な感じ
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ストーリーを追うように
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どっちも