「エーヴィリーベの実」〜わたくしのゲドゥルリーヒはヴィルフリート様です〜 作:ピースちゃん?
「ギルベルタ商会との商談は、3日後の4の鐘になりました。」
「・・・そう、なの・・・ありがとう、ルツィウス・・・」
ルツィウスにギルベルタ商会との商談の話を聞き、夕飯を終えたあと、湯浴みをしました。
それから、寝る前にわたくしはペットであるシュミルのロリーナに餌をやりました。
ロリーナに餌をやることは側仕えでもできることですが、下手に手を出されて、毒を盛られる方が困ります。
「ロリーナ・・・わたくし、今日、新しい・・・お友だち、が・・・でき、ましたの、よ・・・?」
柔らかな青色の毛を撫でながら、その日あったことを話すのがわたくしの日課なのです。
いつもロリーナはわたくしの言葉には答えず、プヒプヒといいながら夢中で餌を頬張っていますが、
時にはその土の女神ゲドゥルリーヒに愛された赤い瞳で私のことを見つめてくるときもあります。その時は、まるでロリーナが私に何かを伝えたがっているようにも見えます。
「ロリーナ・・・あなた、が・・・わたくしの『ゲドゥルリーヒ』ならば・・・良い、のですけれど・・・ね」
それならば、わたくしがヴィルフリート様に逆らう可能性などを怪しまれ、ここに閉じ込められることもなかったでしょう。
「・・・『家族』・・・・・・」
物語にもよく出てきます。しかし、わたくしは『家族』というものがよくわかりません。
「明日・・・・マインに、聞いて、見ましょう、・・・」
私はロリーナが餌を食べ終えたのを見届けたあと、寝台に入りました。
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この頃、わたくしは夢の神シュラートラウムのご加護がないようで、おかしな夢ばかり見るのです。この日の夜も、またあの夢でした。
夢の内容は、なんとなくですがいつも同じ。
夢はいろいろな場面の切り抜きのような形で、いきなり切れたり、出たりするのです。
しかし、唯一共通してくるのが、わたくしはどこかこことは違う別の世界にいて、何故か男の子の服を着ていること。そして、珍しい黒髪の女の子が出てくることです。
そして、夢の最後になってくると、また決まってある場面が流れてくるのです。
わたくしは大きな大きな建物の前に立っていて、自動で開く魔術のドアを通って中に入るのです。
すると、なんとそこは大きな図書館。平民も貴族も皆一様に本を読んでいるのです
そこで、わたくしは顔も知らない誰かを探し始めるのです。少し経つと、いつも夢に出てくるあの女の子が、本を読んでいるのを見つけます。
わたくしはその方の肩を叩いて、「ウラノ」と言います。すると、女の子はびっくりしたようにこっちを見るのです。
いつも夢はそこで終わってしまいます。