「エーヴィリーベの実」〜わたくしのゲドゥルリーヒはヴィルフリート様です〜   作:ピースちゃん?

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「ココロ」を操る技

マインに会ったその次の日、わたくしはまた門のところへ出かけました。

 

 

「オットー!ギュンターおはよう!!」

 

 

「・・・ん?ああ、おはよう。シュウくん」

 

 

「おお!おはよう!シュウ!!」

 

 

ギュンターはいつもどおり私の頭を撫でながら、笑って返事をしてくれましたが、オットーさんの方は少し硬い表情をしています。

 

 

「・・・(何か、気づかれて、しまったの・・・でしょう、か?)」

 

 

・・・あんまり、これは使いたくないのです。これは、人の心を操る行為。

 

しかし、勘がいい人間にはわたくしが領主の一族ということはバレなくても、貴族ということはわかってしまうかも知れません。

 

しかも、オットーにはわたくしが貴族と関わりがあるということを伝えてあります。油断は禁物です。

 

私は、少し、顔の力を抜きました。

 

 

「オットー・・・、シュウ、すっげぇオットーに感謝してるんだ」

 

 

「お、急にどうした?何だ、寂しくなったのかー?」

 

 

オットーはいつもの軽い口調であるものの、どこか警戒しているような雰囲気があります。

 

わたくしは、胸の奥が冷たくなるのを感じつつも、顔を緩ませました。

 

 

「だから・・・ありがとな!オットー!!」

 

 

満面の笑顔を見せると、一瞬にしてオットーの張り詰めた空気がほぐれました。少し固めだった表情も、すぐに柔らかな、いつもの笑顔になります。

 

 

「あ、ああ・・・おう、ありがとな。そう言うと、仕事にも精が出るよ」

 

 

・・・いつもながら、薄気味悪い光景ですね

 

一瞬にして相手の態度が変わるというのは、知っていても気味の悪い光景です。わたくしは、心のなかで顔を歪ませました。

 

 

「・・・ところでさー、マインって今日も居るのか?」

 

 

「おー、なんだ。シュウも文字を習いに来たのか?」

 

 

「んー、まぁ、そんなとこ。マインって面白いだろ?」

 

 

「ああ!世界で一番可愛い俺の娘だ!!」

 

 

「シュウ、可愛いじゃなくて面白いって言ったんだけど・・・」

 

 

「出た、班長の娘さん自慢・・・」

 

 

「何だとぉ!うちのかわいいかわいい娘を自慢して何が悪い!!」

 

 

「班長は大げさすぎるんですよ!その話いったい何回目だと思っているんですか!!」

 

 

わたくしはその場をそっと離れ、門の中に入っていきました。

 

 

「・・・おーい、マイン?いるのか?」

 

 

「あ・・・あ、し、シュウ、ちゃん・・・?」

 

 

マインは、今日も門の中で計算をしていた。相変わらず計算機などは持っていない。マインいわく、それより頭の中でやったほうが早いのだそうだ。

 

マインは、少し顔を固くした。オットーはまだ演技が上手かったけれど、マインはまだ子供。すぐに感情が顔に出る。

 

・・・まぁ、もともとマインは警戒心があまりないですし、「あれ」を使う必要も、ないでしょうね・・・まぁ、一応年には年を・・・ロリーナだけで、十分でしょう。

 

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