「エーヴィリーベの実」〜わたくしのゲドゥルリーヒはヴィルフリート様です〜 作:ピースちゃん?
わたくしの一日はとても簡単なものです。
わたくしは1の鐘が鳴れば側仕えに起こされます。
それから、自分で服を着替え、側仕えに用意された美味しい朝食を食べます。
ご飯には微量の毒が含まれているそうで、これはヴェローニカ様お気に入りの文官であるグレオルド様の研究に必要なことだそうです。
初めて毒を盛られたときは足が痺れてまともに立てなくなってしまいましたが、今はもうこのくらいの毒ならなんともございません。
わたくしも、ちゃんとは成長しているのです。
わたくしが食事を頂いている様子を、グレオルド様は興味深そうに眺めながら記録を取り、わたくしの様子を見て少しずつ毒を強めていくのです。
食べ終われば、次はフェシェピールの練習です。
楽士が無言で楽譜を指さしながら曲を弾いていくので、私もそれについていきます。
うまくできると、ヴェールを被って見えないはずの顔が、ほんの少し笑ったように見えるのが、不思議なことです。
次はお勉強です。いつもは側仕えだけが教えますが、時々ルツィウスが私に文字や計算を教えてくれることもあります。
とても静かですが、ルツィウスは他の側仕えたちと比べればよく喋り、私のことを褒めてくださるので、その時間はほんのりと体が暖かくなる心地がします。
4の鐘が鳴れば今度は昼食です。こちらも微量の毒が盛られており、朝食と違って自白剤や睡眠薬など効果がわかりにくいものが多いので、食べたあとグレオルド様と少しお話をいたします。
それから魔力の扱い方の勉強、魔石に魔力を込める練習などがございます。魔力を扱うのは、とても難しいのですけれど、とても楽しいのです。もともと私の魔力は大きいのですけれど、色々ルツィウスにやり方を聞きながら、魔力を増やしていきます。
これらは基本的にルツィウスが教えてくれます。魔石から魔力を抜いたり入れたりするのは最初は疲れてしまいましたが、今ではもう慣れてしまったことです。
次は剣のお稽古です。
これもルツィウスが教えてくれます。個人的には一番楽しい勉強です。
兵法を習うのも、剣を握るのも数少ない胸が高鳴る瞬間の一つです。ルツィウスと剣を交えるときは、とても心がつながっていると感じます。
それが終わると、もう一日でわたくしができることは何もございません。ルツィウスと少しお話をしたり、図書館に行ったり、こっそりと平民街や神殿に行くかぐらいです。
時々、ヴェローニカ様がいらっしゃることがありますが、いつも嫌なことばかりおっしゃるので、あまり好きな時間ではございません。
そして、7の鐘が鳴るとベッドに入り、私の一日は終わります。