「エーヴィリーベの実」〜わたくしのゲドゥルリーヒはヴィルフリート様です〜 作:ピースちゃん?
それ、にしても、森というところはとても面白いところらしいです・・・ね
そんな感じに胸をワクワクしているうちに、ある事に気づきました。
「・・・そういや、シュウ、どうしよう」
マインとなにか話し合ったルッツがこちらを振り向いた。
そういえば、私は一週間ほど家に帰れないのでした。どうしましょう、神殿にでも泊まりに行きましょうか・・・?
「・・・そういえば、シュウは、家はどうするんだ?」
「ん?シュウ、何かあったのか?」
ギュンターがこっちに話しかけてきました。わたくしはルッツとマインにも話したことをそのまま話しました。
「なるほど・・・なら、うちに泊まったらどうだ?」
「え?」
マインとルッツとわたくしの声が重なりました。
「別に良いだろう。マインとも仲が良いみたいだしな」
「・・・んー、まぁ、いいと思うけど、シュウちゃんも良い?」
マインは、少し考えたあと、了承の返事をしました。
・・・あの、『シュウ』は男なのですが・・・
「シュウは・・・別に良い、けど・・・マインは、本当に、良いん、だよな・・・?」
「うん、わたしは別に良いよ?」
・・・まぁ、マインがいいなら、良いでしょう、か。
・・・それなら、楽しみです。兵士・・・つまり、貧民の、家族の暮らし・・・とても、気になります。
「・・・わかった、ありがとう・・・マイン、ギュンター」
わたくしはヘラリ、と笑いました。
マインは、ベンノのところへ先に行くらしく、私とギュンターは先に帰ることになりました。
「ただいまー!!」
「・・・失礼、します」
「おかえりなさい・・・あら?」
部屋に入ると、きれいな女の人と、小さな女の子がいた。
どちらもきれいな顔立ちをしている。マインの家族だということが一発でわかる顔立ちです
「こいつはシュウ。マインの友達だ。一週間ほど、ここに泊まることになった」
「・・・えっと、すいません。お願い、します」
「ええ、わたしの名前はエーファ、よろしくね、シュウ?」
「わたしの名前はトゥーリ!マインのお姉ちゃんだよ。シュウって、マインの友達なの?」
・・・優しい、です。優しすぎます。
貴族には触れることがない優しさに、心がふわふわと暖かくなっていくのを感じます。
「シュウは、門に居るときのマインのことをよく知っているの?」
「は、はい。多分・・・」
「できれば、その時のマインを教えてくれる?マイン、体が弱いから、ちゃんと役に立っているか、心配なのよ」
エーファとトゥーリはとても良い人たちだった。
病弱なのに暴走気味なマインが心配なマインが、本当に門で役に立っているのか、心配らしく、わたくしにずっといろいろなマインの話を聞いてきました。
実は、アイデア自体はマインらしいですが、あの髪飾りを作っていたのはほとんどエーファとトゥーリだったらしいです。
「あの髪飾りを頼んだのはシュウだったのね。マインにいきなり頼まれたからびっくりしたわ」
「ごめん。ちょっと、急いでたんだ。妹の洗礼式がもうちょっとだったから」
「ううん!大丈夫!わたしも、新しい編み方に挑戦できて、楽しかったから!」
「ええ、トゥーリの言う通りよ。それに、髪飾りのお金のおかげで、今年の冬支度がとても楽になったわ」
「そっか。そんなに大金じゃなくて、ごめんな。シュウが一人で使えるお金はとても少ないんだ」
「ううん!十分、大金だよ!金貨なんて、わたし、見たことなかったもん!」
「そう、か・・・ならよかった。そういえば、トゥーリとエーファ・・・さん?は、編み物が得意なんだな」
「うん!お母さんはすごく編み物がうまいんだよ!わたしの洗礼式の衣装も、お母さんが編んでくれたの」
そう言って、トゥーリは青い衣装を持ってきてくれた。難しそうな刺繍をされてあります
「すごいな・・・刺繍、めちゃくちゃ細かい」
「もちろんだ!俺の世界で一番美人の嫁だからな!」
「まぁ、ギュンターったら」
・・・眼の前で、いちゃつき出しました。わたくしは、静かに目を話して、トゥーリの方を向きました。
「トゥーリ、刺繍って、シュウ、やっても良いのか?」
刺繍は、わたくしが結婚するときにも大事です。
なぜなら、結婚する貴族女性は、夫の男性のマントに、刺繍をしなければならないからです。
ですから、わたくしは毎日側仕えと刺繍の勉強をしています。
「・・・え?シュウって男でしょ?」
「ああ。だけど、側仕えに教えてもらったことがある。結構、楽しかった」
トゥーリの顔が、少し訝しそうなものになりました。
私は、慌てて、笑顔を深めました。
「シュウ、トゥーリに教えてもらいたいんだ。トゥーリと、仲良くなりたい」
「へ!?う、うん!人に教えるのは始めてだけど、やってみる!」
それから、わたくしはマインが家に帰ってくるまで、トゥーリに刺繍を教えてもらっていました。