「エーヴィリーベの実」〜わたくしのゲドゥルリーヒはヴィルフリート様です〜 作:ピースちゃん?
「・・・なんだ、これ?」
マインの家の夕飯は想像通り質素なものだった。
まぁ、平民ですからね、と思いながらも、スープに口をつけて、その味の深さに思わず声を上げた。わたくしがいつも食べている夕食やスープはもっともっと味が薄くて、すぐに飽きてしまうのが、普通でした。しかし、スープの僅かな美味しさや、塩見、それから野菜の味などが、このスープに染み込んでいました。
「・・・あー、そっか。もう慣れちゃったけど、普通はスープにこんなに味しないもんね」
トゥーリがぽそりとつぶやきます。これが、平民の普通のスープではないようです。平民が毎日わたくしより美味しいスープを食べているのかと驚きましたが、そんなことは流石にないようです。
「じゃあ、これ、なんなんだ?」
「これはマインが考えたの。ちょっとへんてこだけど、すごく美味しいんだよ!」
「トゥーリ、へんてこなんて、ひどい!いつも美味しそうに食べてくれるのに」
「ごめんごめん。マインのご飯、美味しいんだよ?けど、ちょっと、作り方が・・・」
そんなことを喋りながら、夕飯が終わりました。ご飯は、全部わたくしがいつも食べているご飯より何倍も美味しかったです。1週間と言わず、もうしばらくここで過ごしても良いのかも知れない・・・と、つい考えてしまったぐらいです。ご飯に毒は入ってなかったようです。やはり、毒を入れる文化は、貴族だけのようですね。・・・それにしても、本当に美味しいご飯でした。これ、うちの料理人を教えましょうか?
ギュンターは夕飯が終わると、すぐに寝てしまって、それから、マインがトゥーリとエーファに冬の手仕事を早めてほしいとお願いしました。
冬の手仕事とは、どうやら平民たちが冬の間にする暇つぶし兼お金を手に入れる手段の一つのようです。
トゥーリとエーファさんはちょっと疑わしそうな顔をしていましたが、マインが中銅貨を数枚出しただけで、エーファさんとトゥーリはやる気になってしまいました。
・・・やはり、平民は大変なのですね。たった中銅貨を数枚もらえるだけで、素晴らしいと言えるとは。
「これ、シュウも、やっていいのか?」
「うん。もちろん、いいよ。やり方は・・・えっと、こうやって・・・ここをこう・・・」
「・・・わかった。ありがとう、マイン」
そうして、わたくしたちは寝る直前まで、みんなで刺繍をしました。
・・・私は別の場所で寝るといいましたが、なぜか、トゥーリとマインの間に挟まって寝ることになりました。