「エーヴィリーベの実」〜わたくしのゲドゥルリーヒはヴィルフリート様です〜 作:ピースちゃん?
わたくしは、とても満足していました。
なぜなら、マインが食べさせてくれたカルフェバター?というものがとても美味しかったからです。
カルフェ芋にバターを載せただけの簡単な料理でしたが、どこか懐かしい味のする、とても美味しいものでした。
ただのカルフェ芋が、あそこまで美味しくなるとは・・・やり方は見ていましたし、料理人に作ってもらおうかしら?
それから、わたくしは神殿に行くことにしました。そして、同時にマインを助ける方法も聞こうと思ったのです。神官長なら、なにか知っているかも知れません
「ない」
わたくしの「平民が魔力を持ってしまった時、自分になにか助けられることはないか」という質問に対して、神官長の返事はとても冷たいものでした。
「・・・なぜ、でしょうか」
「そのような『身食い』と言われる平民は、早いうちから死ぬ。生きる道は、魔力が足りない貴族と契約するしかない。其方の実家はもう貴族ではないだろう。それとも、知り合いに誰か魔力の足りない貴族でもいるのか?」
「・・・」
「シュウ」は、没落した貴族の次男、ということになっております。確かに、貴族ならまだしも、シュタープを使うことを禁じられた没落貴族に、そのような存在は必要ありません。それに、わたくしはまだ洗礼式も行っておりません。知り合いの貴族など、ユツィウスぐらいしかいないのです。
「では、神官長は・・・」
「私にはこれ以上の魔力は必要ない。金の無駄だ」
「では、知り合いにどちらか・・・」
「私の知り合いなど、上級貴族のものしかいない。6歳まで生きている『身食い』は多くても、下級貴族ほどの魔力しか持っていないだろう。意味がない」
・・・下級貴族、ですか。神官長の立ち居振る舞いからかなり上の貴族であることはわかっていましたが、まさか上級貴族だとは知りませんでした。
マインはどちらかと言うと上級貴族ほどの魔力を持ってそうに見えたのですが、違うそうです。・・・おそらく、『身食い』は魔力を持っているほど早く死んでしまうのでしょう。
下級貴族の知り合いなど、私には一人もいません。ただでさえ貴族の知り合いが少ないのに、下級貴族の知り合いなど、いるはずもないのです。
・・・わたくしには、マインは助けられないのでしょうか
結局、神官長との話し合いはそれで終わりました。それから、神官長の計算の手伝いをして、神官長のところでご飯を食べました。
神官長は、あまり料理の味に興味を示さず、逆にいつも毒を警戒しています。
神官長も貴族社会に出たことがあるのですから、毒のついた朝ごはんなど食べたことがあるでしょうと言いますと、
実際神官長はいつも食べていらっしゃったようですが、
少しずつ強くしていって耐性をつけていくのではなく、最初から死に至るような毒を盛られていたらしいです。
確かに、こんな体験があれば、毒に異様に警戒していしまうのも仕方がないことでしょう。
しかし、わたしとしては毒よりも、料理の味のほうが気になります。スープは薄くてなんの味もしません。マインの家の料理とは大違いです。
5の鐘がなり、夕ご飯を楽しみに走ってきたわたくしの耳に、『マインが倒れた』という知らせが飛び込んできました。