「エーヴィリーベの実」〜わたくしのゲドゥルリーヒはヴィルフリート様です〜 作:ピースちゃん?
5歳になってしばらくたったある秋の日。わたくしが、計算の練習を終え、ルツィウスが入れてくれた紅茶を飲みながら一息ついているときのことです。
「姫様。ヴェローニカ様から、お茶会のご誘いがございました」
わたくしはルツィウスの言っていることがよくわからなくて、数度瞬きをしました。
「・・・ヴェローニカ様、から?それは・・・珍しい、こと」
ヴェローニカ様はわたくしのことがあまりお好きではなさらないので、お茶会どころか、南の離れにいらっしゃることもほとんどございません。
「はい・・・いわく、自分の双子の兄と合わせる、とのことです」
「・・・ヴィルフリート様、ね・・・?」
「ええ。そのとおりです」
ますます、違和感が大きくなりました。
わたくしは、ヴィルフリート様の「邪魔」であるからと、ヴェローニカ様から近づくのを禁止させられたのです。
そんなヴェローニカ様・・・
「・・・一体、わたくしに、何を求めているの、でしょう?」
ルツィウスにヴェローニカ様へ了承の返事を送ってもらって、わたくしはその日のためのお洋服を考え始めました。
ヴェローニカ様のオルドナンツで、「貴女の服は平民のように薄汚い。もう少しまともな服を買ってきなさい。ヴィルフリートの目をお汚しになってはいけませんよ。ヴィルフリートは次期領主なのですから」という返事が返ってきたからです。
わたくしとヴィルフリート様とのお茶会は2週間後の土の日。それまでに、私は自分の服を仕立てなければなりません
「と、言っても・・・どうすれば、良いのでしょう・・・?」
わたくしはあまり服に興味はございません。
別に、動きやすくて過ごしやすい服ならばわたくしはなんでも良いのです。
ですから、わたくしは男性の服ばかり着ています。動きやすさで言えば、スカートよりズボンのほうが何倍も優秀なのです。
そもそも、なぜ、女性はスカートやワンピースを着るものだと決められているのでしょう?動きやすさを追求する平民ですら、女性は、ワンピースかスカートを着ています。
「・・・とにかく、お店に、行ってみましょう・・・」
「いえ、姫様。あなたは貴族です。ここは紹介状を出した方がよろしいかと」
「・・・わかった、わ・・・直接、行ったほうが、早いのに・・・面倒な、こと・・・」
お店、お店・・・ああ、そういえば・・・
「・・・ルツィウス・・・ギルベルタ商会、という所へ・・・紹介状を、出してくださる・・・?」
「はい、かしこまりました。ギルベルタ商会、ですね」
「ええ・・・・あと、__________、と、書いて、おいて・・・お願い、ね」
ルツィウスは不可解そうな顔をして後、静かに「かしこまりました」と了承の返事をしました。