「エーヴィリーベの実」〜わたくしのゲドゥルリーヒはヴィルフリート様です〜 作:ピースちゃん?
「それより、シュウがその宝石でわたしを助けてくれたんだよね。ありがとう、シュウ」
感謝を述べたはずなのに、何故かシュウの顔を晴れない。
「・・・そんなことより、マイン。それ、どうしたんだ」
あ、そっか。これって珍しい病気だから、シュウは知らないんだ・・・
わたしの周りの人はみんな『身食い』のことを理解している人ばかりで忘れていたが、
実際、『身食い』はとても珍しい病気であると、フリーダから聞いたような気がする
「えーっと、これ、かなり珍しい病気で、『身食い』っていうんだって。体の中にある熱がぶわーって溢れて、飲み込まれそうになるの」
「熱って言うか・・・それ、魔力じゃないか?」
シュウの言葉に今度はわたしが首を傾げる
「え、魔力って、お貴族様だけが持つものじゃないの?」
昔、オットーさんと魔術契約を結んだときに、そう聞いた気がする。
わたしが首を傾げると、シュウも、不思議そうな顔をしている。
「ああ、そうだ。けど、この闇の魔石で症状が収まったんだから、魔力で間違いないと思う」
これだ。と言って、シュウがわたしの熱・・・魔力?を吸収した魔石を見せてくれる
さっきまでは真っ黒な色をしていたけど、わたしの魔力が多すぎて色が変わってしまったらしい。
――え?この熱、魔力だったの!?つまり、わたし魔法少女だった?敵を魔法でぶっ飛ばしたりするの?・・・って、敵って誰よ!?
「・・・マイン。これ、やる」
シュウが、わたしに黄色い魔石を差し出した。
「え?いいの?これ、かなり高いんじゃ・・・」
フリーダが、貴族と契約して「延命」することはできると言っていた。
「治る」とは言っていない。
多分だけど、「延命」っていうのは私がさっきしてもらったみたいな魔力を吸い取ってもらう作業だと思う。
つまり、フリーダみたいなお嬢様が「お金がかかる」というレベルのお金がこの魔石にかかっているということだ。
「いい。下級貴族が平民に対して借金の形として置いていくみたいなもんだ。遠慮せず受け取れ・・・もし、また魔力が溢れそうなときは、これを握れ。いまたくさん魔力を吸い込んだからもう当分ないだろうけど、必ずまた発作は来る」
真剣な顔でそういったあと、わたしの手をそっと包みこんだ。
その手が想像以上に優しくて、こっちを見つめる瞳が少しだけ涙で潤っていて、こっちのほうが息がしにくくなる。
「・・・マインに、長寿の神ダオアレーベンと、幸運の女神グライフェシャーンの祝福を」
シュウは泣きそうな顔で、静かに神に祈った。