まだまだ先は長いけど必ず君の旅を全て見届けるからね!
(現在第1部14章)
目を閉じれば思い出す、今まで歩んできた道のりを。
辛いことや、苦しいこともあったけど全部乗り越えてここまできた。
何も知らなかった聖フレイヤの学生時代、あの頃は最強の戦乙女になる!って言ってたっけな。
初めて律者に遭遇した任務、助けられなかったあの子の事は今でも覚えてる。
律者になって皆を傷付けて、世界をめちゃくちゃにしちゃったけど、私を命をかけて助けてくれた私の先生。
先生、私は約束を守れてるかな?
天穹市の事も懐かしいな。
自分の意思で皆を助けるために律者になったんだっけ。
長空市で芽衣先輩が雷の律者になって私が死のうとしてたのを止めてくれた。
実は世界よりずっと大事だって言われたことちょっと嬉しかったんだよ?
太虚山での戦いも覚えてる。
長い長い時をひとりぼっちで過ごして来た委員長が消えようとしたのを見て自分と重なって、今度は絶対に一人にさせちゃダメだって思ったから追いかけた。
今度識ちゃんと委員長に太虚山の写真送ってもらおっと。
支配の律者との戦い、姫子先生と再会して、ちゃんと別れを告げて、私はあの炎を受け継いだ。
先生がくれたこの暖かさはまだ私の中で燃えてるよ。
どんなに真っ暗な闇が先を覆ったとしてもこの炎で切り開いて見せる。
この美しい世界を守るために戦うよ、先生。
カロスタンでの戦いの後にまさか家族が増えるなんて思わなかったな。
あのS級戦乙女のデュランダルさんがお姉ちゃんになるなんてあの頃は考えもしなかった。
月での決戦の少し前に芽衣先輩と再会して、皆一緒に終焉へと立ち向かって、その力を受け継いだ。
まるで昨日の事の様に思えるよ。
「・・・ほんと、懐かしいな」
そう言いながら少女、キアナはアルバムを眺める。
今日は自分の誕生日、地球から親しい人達や家族がやって来て慌ただしく動いている。
ここは月のムーンベース、今のキアナが住む家の様な場所だ。
終焉の律者である彼女は気軽に地球に行くことがまだ出来ない。
だからこうして皆がムーンベースにやって来て盛大に祝おうという事になったのだ。
自分も何か手伝おうと声をかけたキアナだったが今日の主役なんだからとやんわり断られていた。
手持ち無沙汰になった彼女はふと、机の上にあったアルバムを見つけて今まで眺めていたのだ。
「ああ、いたいた。キアナちゃん」
「芽衣先輩。どうしたの?」
「どうしたのじゃないわよ。皆待ってるわよ」
「もうそんな時間か。待ってて、今行く」
姿が見えないキアナを探しに来たのは彼女が大好きな人である雷電芽衣、かつて雷の律者となりキアナと戦い、そして起源の律者を受け継いでキアナ達と共に戦った現在聖フレイヤ学園にて教師生活真っ最中の現役戦乙女である。
「さっ、行きましょキアナちゃん」
「うん!」
彼女達が立ち去った後に小さな火の様なものが不自然に浮かんでいた。
まるで少女達を見守るかの様に。
- 誕生日、おめでとう。キアナ -
「・・・?芽衣先輩、何か言った?」
「いいえ?何も言ってないわよ?」
「・・・そっか。(ねぇ、姫子先生。そこにいるの?・・・ありがとう)」