王は
どちらも同じ青と青。青い服だと言ってしまえばその通りだが、並んで立てばその違いは浮き彫りになる。
「残念ですが
タペストリー受領のときに
大青草は中央大陸で広くとれる青色染料の植物だ。特に低地諸国の大青草は濃い青が出ると人気だった。
だったというはそれも昔の話だからだ。
遥か南方の地からわずかにもたらされる南藍草の方がより強く青い色が出る。それが今や新大陸南部で大量に栽培されている。
まだ大青草よりも値が張るとはいえ軍服の生地の染め上げに利用される程度には安価になってしまった。
王のあの礼服は大青草で間違いない。王国も新大陸領を維持しているとはいえ、染料を輸出できるほどの成功には至っていないと聞く。
一方で、彼女の濃い青は明らかに南方藍のそれだ。
大公殿下が挨拶の口上を述べ、娘の後見である王を紹介する。視線が若い王へと集まる。王が何を語るか、それを聞き逃すまいと会場は静まり返った。
今日の出会いという物語を書いた神への感謝、大公国が大公領として王国に組み込まれてからの歴史、先代先々代の王の御代の戦争と、戦後の商業の成功(成功と言うなら関税はもう少し下げてもらいたいものだ)。大公殿下の国家への献身に対する賛辞。
驚くことがまるでない型式通りの挨拶だった。むしろそれが驚くことだったと言うべきか。
彼女の後見がいつまで続くか、後見を終えた後はどうするのか、それについては一言も触れられることはなかった。おそらくは、意図的に。
王の挨拶が終わった。会場の一段高いところに設けられた席、王と大公と彼女の三人が座る。
執事たちが会場前方に座る参加者たちに声をかけ、爵位の高い者から順に王の元へと挨拶に伺う。
私のいる末席にも案内係が来ておよそいつ頃になるかの時間を告げる。
名代の務めを果たし終えるには、まだ少し時間かかりそうだ。
こっちで言うところのタイセイとインド藍です。中央大陸以外の土地はほぼ妄想。