最初に挨拶をしたのは大公夫人。そして
あとは数名ずつまとめてのお目通りだ。そうでもしないと挨拶だけで会が終わってしまう。
何組かの挨拶が終わり、そして私が挨拶する順となった。
私を含む招待された帝国貴族とその名代たちがその序列にあわせて王の御前に並ぶ。私が立つのは一番すみだ。
大公の侍従が私たちの名前を順に読み上げ、それに合わせて腰をかがめ、礼の姿勢をとる。そのたびに王が軽くうなづく。
最後に
礼の姿勢をとる。これまで何度もやってきたことだが、王号をもつ方と相対するのは初めてのことだ。多少の緊張やぎこちなさがあったかもしれない。ゆっくりと顔を上げる。王と、その隣に座る彼女の姿が目に入る。
この先、これ以上近くで彼女を見る機会はないだろう。何か一言彼女に伝えたいとも思ったが、何の言葉も思い浮かばなかった。
いや、思い浮かんだとしてにこの場でそれを伝えることはできない。王に挨拶をする場においてそれ以外の行為は許されない。
私の挨拶が終わり、招待された帝国貴族代表が王を称え、帝国と
この後も何人かずつ招待者たちの挨拶が続いた。
そして大晩餐会が始まる。
私が座るのはほぼ末席と言っていい場所。王の姿も彼女の姿もまるで見えない。
王に合わせて席の近い者たちが食べ始める。それを見て次の者が食べ始める、またそれを見てまた次の者が・・・。
食器が触れ合う音が徐々に近づいて来て私も手を動かし始めた。
飲食のタイミングもペースも王に合わせるのが
会話はない。いや、王を中心とした会話以外はない、というのが正確だろうか。王が話を振れば振られたものは会話を許される、会話をしなければならない。
しかしこのような末席まで話が振られることはあり得ない、だから、会話はない。
周囲の様子を見て次はガラス食器に注がれたワインに口を付ける。正確には口元に運び、軽く唇を湿らせるだけだ。私はまだそんなに飲めないのだからそうせざるを得ない。
そうやって王に合わせて食事を進める。
しばらくしてからふと気づく。
ワインのペースが速い。なるほど、王が酒色にふけているという噂の、少なくとも、
では
先ほど見た彼女の姿を思い出す。
遠目からも見えた藍染めのドレス、襟元の大白輝石の首飾りの煌めきは西海の白波を思わせた。
真珠のように滑らかな
革の腕輪?
「ちょっとした」じゃないほうの