衛兵の案内で商館に戻り、商館に残していた侍従の案内で商談会の開かれている棟に向かう。
私が通されたのは商談会が行われている部屋の隣、応接用の椅子と机も用意されている
部屋には既に商談を終えた
「ウジェン男爵代理様」
「そんな
椅子に座ってから相手にも座るように促す。
「商談はどんな様子だった?」
「はい、ウジェン様。公女様は青がお好きとのことで藍染をいくつか用意しましたところ、伯爵令嬢様にも興味を持っていただけました。こちらの青の重ね染めの生地です」
重ね染め、安価な
「伯爵家ともなれば値を気にするようなお立場ではないだろう」
「いえ、軍服に使えないかとのことでして」
「ああ、そうか」軍と聞いて思い出した。「
王の行幸に伴って来た近衛の青服と国軍の黒服。彼らが市中の哨戒にあたっている。その片方だ。今は
「もし軍の取引に食い込めるなら願ってもないことだな」
令嬢一人の意見が実際どこまで影響するかはわからないが、と心中で付け加える。
「それと、公女様から革の染色についてご下問いただきました。革と布では勝手が違う部分も多いのでご満足いくお返事ができたかはわかりませんが」
「革?昨日の晩餐会で公女様が何やら革の腕輪をつけていたがそれのことか」
うっかり
この判断は正しかったことがすぐにわかった。
そして先日の疑問もあっさりと解決した。
「なんでも
その直後にもう一つの疑問も急に解決した。
いや、疑問の答えが突然部屋に転がり込んできた。
先ほど門前で衛兵ともめていた男が。
潜んでいた罠の回避に成功しました。