面倒見の良いキングヘイローと花園羽香里
「ふぅー、、、コンディションバッチリね」
とある河原で一人のウマ娘がノルマのジョギングを終えて疲労した足を揉みほぐしていた
彼女の名は『キングヘイロー』
一流であることにこだわりを持ちそのためならハードルの高い訓練も辞さない他のウマ娘と同様負けず嫌いなウマ娘
「そう言えばここらへんは来たことが無かったわね?」
彼女は普段決まったルートを走るのだが、考え事をしており道を間違えてしまいもういいかという気持ちでそのままジョギングを続けていた
ちなみに脳内で『気まぐれだから!』と誰にも認識されない言い訳をしていた
偶然たどり着いた河原には古びた橋がかけられており雨宿りできるほどのスペースが橋の下にあった
すると
「え!雨!?」
空が突然曇りかなり急に雨が降ってきた
そう言えば今日の天気を確認していなかったような?と思ったがこのままでは濡れてしまうので急いで見つけた橋の下に駆け込もうとする
「私としたことが!」
そしてもう少しのところで雨が降り出し少し濡れたキングヘイローはそのまま橋の下に滑り込む
「ん?」
そしたら後ろに人の気配があった
自分と同じように雨宿りのために入ってきた?
イヤ、恐らく元から橋の下にいたのだろう
ならば自分はいきなりそこにウマ娘のスピードで入ってきたことになるのでもしかしたら驚かせたかもしれない
一言謝ろうと後ろを振り返り
「すいません雨宿りで、、、、、」
後ろにいる人を確認した
正確には『人たち』を確認した
そしてキングヘイローは『時を止めた』
なぜなら
「「あっ」」
後ろに居たのは『少女』2人
そして
両者ともに火照った顔
指の人指人指を握り合った手
少しだけ乱れた上着
口元を繋ぐ液状のアーチ
ツインテール風のおさげをしている金髪のギャルっぽい少女が壁ドン的な体勢でもう一人のピンク髪の少女に迫っている風に見える
背中に壁のピンク髪の少女はそれを受け入れるように手をつないでいない方の腕を金髪の少女の首元に回している
2人の小指にあるピンキーリングが何故かテラテラと輝いていた
《完全なる百合空間》がそこにあった
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ある日突然唐音さんが『お揃いの指輪』をつけてみないと電話がありました
衝撃のあまり電話を落としてしまいそして後ろで盗み聞きしていたお母様が鼻血を出しながら【ペアリングの女神降臨!!!】と謎の奇声を上げてぶっ倒れました
それで聞いた話によるととあるウマ娘の方と出会って話してそして流れるままにそういうことになったらしい
黙っていればいいものを変なところで真面目ですねと思いましたが、正直なところ私は動揺していたのでそんなツッコミは出来ませんでしたし。
イヤ、動揺どころじゃない
普段、恋太郎くんにしている妄想が立ち位置を唐音さんに変えて歪曲した妄想が頭を駆け巡っていました
そして唐音さんから聞いたピンキーリングの意味である【変わらぬ想い】という言葉も私の心を掻き乱しました
唐音さんとは同じ人を好きになり同じ人の彼女になりそして同じ人からプロポーズを受けた仲
恐らくこれからもずっと一緒にいるでしょう
そしてこれからも変わらぬ関係で、、、、、
そしていつかドスケベ解禁18禁卒業の大人になったら恋太郎くんとムフフでオホホな事を私がするのは当然として唐音さんもするのでしょう
もしかしたら
そうもしかしたら
ぶっちゃけ可能性は高いけれど
一緒にもしくは恋太郎くんがいない時に寂しくなってそしてついつい唐音さんと●☓▲□†Å♀‰♂⇒≪Ⅷ
「ぶはっ!!!!!!」
何を考えた私!?何を思いついた私!!?
そんなこんなで私も流されるまま右手の小指に唐音さんとお揃いのピンキーリングをつけることになってしまいました。
宇宙誕生級大躍進!!!!!
お母様が再び鼻血を出しながらわけのわからない奇声を上げてぶっ倒れました
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「どうぞどうぞ先ほどはお見苦しいものをお見せしました申し訳ありませんだからたくさん食べてくださいウマ娘の方はそのフィジカルを維持するためにたくさん食べると伺っておりますいくらでも食べてくださいお金あるので!!」
場所はとあるケーキ屋だった
テラスの席に3人の少女が座っており机には羽香里が半ば強引に頼んだ大量のケーキが並んでいた
「ハ、ハイ、アリガトゴザイマス」
硬直して片言になりながらキングヘイローはフォークでケーキを機械的に食べていく
半狂乱の羽香里
顔を押さえて悶えている唐音
どうしたらいいかわからず疑似ロボっ娘になったキングヘイロー
こうなった経緯を説明しよう
まずピンキーリングのことで羽香里が唐音に自分から言い出したくせに照れすぎだと煽ったのが始まりだった
少し口喧嘩をした後
普段ツンデレの唐音が少しデレた様子で羽香里の右手を握った
予想外のアクションに羽香里は硬直
羽香里のピンキーリングをじっくり見る唐音に耐えきれなくなったのか振りほどこうとしたが力の差がありすぎて解くことなどできず
いつの間にか背中に壁が当たっていた
少し言い合いをした後
お互いがお互いの目を見た
お互いの考えることが重なった
なんか かわいいな
今2人は楠莉の薬など飲んではいない
2人がそういう雰囲気になるのは何かしらの後押し(高確率で楠莉の薬)があったのだが
ピンキーリングという今までよりも上質な繋がりや愛を認識する物体をつけていたためかそれとも別の何かの魔力的なものに惹かれたのか
このときの2人は完全に友情を逸脱していた
そして羽香里が目を閉じて口を前に突き出した
唐音はそれを静かに受け入れた
お互いの手足が本能に忠実に動き
2人はお互いしか見えておらず
結果、ギリギリのタイミングでキングヘイローがイチャイチャを目撃するハメになった
「ごめんけどマジで忘れて」
「ほんとにお見苦しいものをお見せしましたぁーー!!!」
唐音が弱りきった声で羽香里が断末魔のような声で目の前のあったばかりのウマ娘に懇願する
初対面であんな場面を目撃されたのだから2人の精神的ダメージと天元突破の羞恥心は凄まじかった
キングヘイローも参っていた
初対面の女2人のあれな場面を目撃してしまい思考回路が吹き飛んだ
そのせいでなんとかしようとした羽香里に捕まってしまい現在ケーキを食べている
普段からやっているカロリー計算が大幅に狂ってしまうが今のキングヘイローは何かを思考出来る状態じゃない人形とかしており流されるがままだった
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「じゃあね」
「はい~」
あれから時間が経ち夕方になった頃に唐音が弟の面倒があるので先に帰ると行ってそこを離れた
そして時間が経って比較的正気を取り戻したキングヘイローと羽香里が向き合う
「「、、、、、、、」」
((気まずい!))
何を喋っていいのかわからず気まずい空気を作り出しどうするべきかを考えていると
「あっ」
羽香里が何かに気づいた
それは目の前のウマ娘について思い出したからだ
自分は彼女の事を知っていたのだと冷静になった思考回路がそういった
「もしかして、、キングヘイローさん?」
「は、はい」
「やっぱり!前に雑誌で見ました!ウェディング衣装のやつ!」
「あ、あぁ!あの時の!」
キングヘイローは前にウェディングドレスをモデルとした衣装を着て撮影やらレースやらをしたことがある
話の種ができて少しホッとしながらそのまま話をした
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いずれ恋太郎との☓☓やら〇〇やらの為にウェディング衣装を調べていた羽香里は前にたまたまキングヘイローの雑誌特集を観たことがあった
ついでにウマ娘達のスタイルの良さに驚愕した
何故なら目の前のキングヘイローも含めて中等部であるにも関わらず高校生顔負けのスタイルの娘が多すぎるのだ
ガチで調べてみたら自分より胸の大きい疑惑のある娘も数多くいた
羽香里はちょっとした敗北感を味わった
そんなことより
目の前のキングヘイローはとても上品で礼節を弁えるウマ娘だと今更ながら気づいた
言葉の節々に感じる品格と本音は羽香里を持ってしても憧れを感じるような物があった
「一流のウマ娘として色々心がけるのは当然、そしてそれでも勝てない凄いウマ娘達もいます。だからこそ色んなところで負けたくないと思っています。」
「そうですね、確かに私では勝てないと思う子たちも私の近くにいます。」
そして見えてくる共通点
普段は自分の美貌や心に自信を持っているのだが、スペックの高い娘が周りに多すぎるくらいにいる
自分より美貌に優れた娘
自分よりメンタルの強い娘
自分にはない魅力を持つ娘
自分には思いつかない発想を持つ娘
努力はしている
しかしそれでも追いつけない追い越せない魅力を持つ彼女
以下戦自分たちが一流であるためにその凄さを他のものより痛感してしまう
そしてそんな彼女達に寄り添い時に面倒を見てしまうのが彼女達の共通点である
シングルならボケキャラができる二人(本人は絶対否定する)ではあるが他人が関わることにより良識を持っているが故に損な役をすることもある
素直で気配りができて器も大きい
ある意味面倒見の良い優しい二人なのである
「いつも寝坊してしまうルームメイトがいて、それに忘れ物も多くて、ついついお世話を焼いてしまうんです」
「私の周りにも考えなしに行動してしまう娘が多くいて、時にいきなり揉んできたり、時に神経質が暴走したり、時にヤバい薬を飲ませてきたり、時に問題があるとは言え狂犬のごとく人を叩いたり」
「大丈夫なんですかその人たち!!?」
キングヘイローが羽香里の事を本気で心配するが、自分の周りにも度を越した大食いやら病弱やら薙刀やら二重人格を疑うキャラやらいるので強くは言えなかった
「でも一緒にいると楽しいんです」
「、、、、私もです」
そんな振り回され役をまんざらでもないと思ってしまうのが彼女達だった
「アスリートですので私にはわからない苦労も多々あるでしょう。私、応援しますよキングさん」
「羽香里さん」
「今日は会えて良かったです」
「、、、、、、」
「キングさん?」
「とても有難いし嬉しいんですけど、、、その、、」
「?」
「仲がいいとは言え//////公共の場であんなことは//////」
「わああああああ!!!すいませんそれはほんとに!!!!」
「イヤ//////愛し合うのはとてもいいことで//////」
「唐音さんとはそんな関係じゃありません!付き合っているのは別の御方ですから!!!!」
「、、、、、、、、ん?、、、それものすごく問題では!!?」
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花園邸 リビング
「はぁ〜、、、キングさんにいろんな方に手を出す色欲食いしん坊と誤解されかけた」
「大丈夫ですか?羽香里様?」
「あぁ妹さん、大丈夫です、、、ただちょっと自制心について考えようかと」
「?」
あの後なんとかキングの誤解を解き、一夫多妻の状況に驚愕されながらもなんとか健全で、ある程度の一線の範囲内でハメを外している事を伝えた
まぁそれでもだいぶん驚かせたが
ある意味純粋な彼女にはとても刺激が強すぎたようだ
今はメイドであり彼女仲間である『女井戸妹』の入れた紅茶を飲んで心を落ち着かせている
「考えてみれば私、高校生で中等部の娘を引っ張る立場なんですよね〜キャラの濃さで時折年齢をあやふやに忘れそうになります」
「お姉さまは19歳です!そして年齢関係を妹を熟知していますのでどうか頼ってください!」
普段、羽香里に対しては控えめな妹が胸を堂々と張ってそう言い切った
妹は少女漫画趣味が強いので年齢による関係に萌えを感じるのか年上年下に対して他のものより敏感である可能性がある
年齢に度を越しているくらい敏感な彼女もいるのであまり妹に対する衝撃は強くないが
「まったく!唐音さんが可愛すぎるのが、、 いやいや!考え無しなのも行けないんです!」
(な、なんか今日の羽香里様、普段よりも煌めく色気があるような)
悪態をつきながらもピンキーリングを優しく撫でる羽香里に普段とは違う作った色気ではなく素の愛が表に出ている魅力に妹はドキドキしていた
「私もお姉さまとそう会うのを付けてみたいです」
妹がスマホでピンキーリングを検索して探し始める、ついでにという言い訳を心のなかでしながら恋太郎とのペアリングも探していた。生唾をゴクリとしながら
「ん?」
その時、羽香里は気づいた。妹のスマホに見慣れないキーホルダーが付いていることに、造形からしてアニメのキャラだろうが?
「そのキーホルダーは?」
「あっ!これは!」
妹が少し恥ずかしそうにしながら羽香里にそれを見せた
「その、、、今日友だちになった『ウマ娘』の娘がくれたんです」
「ウマ娘の?」
「ハイ、、、その今日会ったばかりなんですけど、、、とてもパワフルでエネルギッシュで恋太郎さんに通じるかもしれないほどの頑強さを感じるすごい子なんです」
「え?本気グループの社員さん?」
「いやその!将来的に就職するかもしれないくらい向いてるかもしれませんけど違います!」
人の限界をブチかましまくる本気グループに向いているウマ娘
その名前は
「カワカミプリンセスさんです!」