みんなはさ、もし目が覚めたら人類が滅んでて何十年も経ってたらどうする?
え?そんなのいきなり言われてもわかんねーって?
そりゃそうだよねw
私も意味わかんないもん
気づいたら人類滅んでただけじゃなくて何十年も経ってましたーって、色々とおかしすぎるもんね
でも現実は違った…、ってか私が目が覚めたらなんでか知らないけど何十年も経ってて、世界が滅んでた。
でも歳とか容姿は全然変わってない…、まあ多分眠ってたケースからしてコールドスリープ状態だったんだろうけど……
しかもケースから出たらなんでか知らないけどシェルター?みたいなとこいるし、お世話係のロボットもいるからもーなんだこれって感じ。
んでそこで何十年も経ってることや世界が滅んでることを知ったんだ、最初は衝撃過ぎて説明が全然入らなかったもんw
しばらくはリハビリも兼ねてシェルター暮らししてたんだけどさ、ふと気になったのよね
本当に世界が滅んでるのかなー?って
だって私みたいにコールドスリープしてる人がいるかも知れないじゃん?だから思い切って旅に出ようかなって思ったの。
そしたらお世話係のロボットが私がそれを察してくれたのか、シェルター内部に造られたガレージに案内してくれてさ。
最初何見せられるのかなー?って思ってたらまあびっくり、だって止まってたの私がコールドスリープ前まで乗ってた日産 R35GTRだもん。
当時電気自動車が当たり前で内燃機関を搭載していたエンジンが燃料価格の高騰で軒並み姿を消してたんだけど。
私自身根っからのエンジン車が大好きでさ。
その中でも日産がかつて作ってたGTRに惚れちゃって、わざわざ中古から取り寄せたの。
しかも内燃機関搭載のエンジンが生き残っててもハイブリッド車が多い中、スポーツカーな上に純エンジン車だよ純エンジン車!
いやー乗った時は楽しくて笑いが止まらなかったよ(笑)
なんで私の愛車がそこにあるかは分かんなかったけど、流石に何十年動かしてないとなると色々と厳しいだろうなーって思ったんだ。
でもお世話係ロボットは運転席に乗ってエンジンかけて、っていうからさ騙されたと思って乗り込んでかけたわけ。
そしたらエンジンがかかるもんだからびっくり、何十年も動かしてないのに元気一杯だし
ってかよくよく考えたらタイヤとか外装も新品同然、多分お世話係のロボットがキチンと管理してくれてたんだろうな
んで相棒が動くなら人探しの旅に出るかっ!って感じでそこからも色々と忙しかったよ、
私のR35 GTR、元々GODZILLA 2.0っていうオフロードカスタムに元々なってたんだけど…それ以外全然アウトドアのカスタムしてなくて…(汗)
だから車中泊出来るようにシェルターの使えそうな家電製品とか食べ物を牽引可能な車の中に詰め込んだり
その上にソーラーパネルとか予備の燃料タンクを設置したり、助手席とか取っ払って車内で寝れるように改造したりして終末都市仕様に生まれ変わったわけ!
まぁそんな感じで色々と話したけど、この物語は私『雨宮椎名』が気づいたら滅んでいた世界で、愛車で人探しも兼ねて終末旅行に出ちゃおう…!っていうお話。
…だったり?
神奈川県箱根町、かつては観光名所として国内外問わず栄えていたこの街は、今はそれが嘘のように荒廃しきっていた。
もう何年…いや何十年も人の手が付けられていないのは明確と言っていいほど道路の舗装はボロボロになっており、標識やガードレール、車には苔がこびり付き、建物の一部は崩壊しているところも。
当然ながら箱根町や伊豆地域、小田原町を結ぶアネスト岩田ターンパイク箱根(別名 箱根ターンパイク)も同様であり、道の各所が一部崩壊、または草がボーボーに生えていた。
だがそんな人っ子1人すら感じられない…いや居ても動物という状況の道に微かながらエンジン音のような音が聞こえてきた。
ブロロロ
コーナーの影から姿を姿を現した特徴的な赤色の車は、かつて国産の主要メーカーの日産が世に送り出した和製スーパーカー『R35 GTR』。
カモフラージュ柄のラッピングと呼ばれるボディカラーといかつい見た目は、悪路も制覇しそうな雰囲気を醸し出している。
更にはエンジンを車両前方に、クラッチ・トランスミッション・トランスファーを車両後方に配置する、世界初の独立型トランスアクスルを採用。
匠の手によって組み付けられた3.8リッターV型6気筒ガソリンツインターボ・エンジンに加え、その心臓部である485馬力のパワーを路面に伝える四輪駆動は、外国のスーパーカーにも負けを取らないほどの瞬発力を発揮。
なお本車は2020年式GTRをベースとしオランダの中古車販売業者「クラシック・ヤングタイマー・コンサルティング」が販売していた「GT-Rオフロード“ゴジラ2.0”」というオフロード仕様のカスタムとなっている。
サスペンションを換装し、最低地上高はプラス12cmの23cmに。タイヤは大径のオフロード用を履き、ホイールアーチには樹脂製のパーツを、フロントバンパーおよびルーフにはLEDのオフロードランプを装備。
更にはフルサイズのスペアタイアをルーフ上に置くことも可能な上、ボディには、カモフラージュ柄のラッピングを施しているとか。
尚搭載する3.8リッターV型6気筒ガソリンツインターボ・エンジンは、専用チューニングをよって、485psから600ps超にパワーアップしており、整地では0-100km/hは2.5秒、最高速度は330km/hを発揮可能だ。
ちなみにこの本車は屋根に設置されたスペアタイヤの上に加え、リアゲートに予備の燃料タンクや太陽光パネルを搭載、荒廃都市に適応した改造がされているらしい。
とまあそんなことを話している間にも力強いエンジンを唸らせながら走っていたGTRだったが、休憩できそうな駐車スペースを見つけると、吸い込まれるように停車した。
キキッ
停車してから少しすると運転席ドアが開き車内からこの車のオーナーであり、今確認出来る数少ない人間でもある茶髪ショートの少女、雨宮椎名(22歳)がゆっくりと地面に降り立つ。
「よっと…」ボムっ
その後景色が見えるガードレール脇に近寄ると長いドライブで凝った身体をほぐす為に思いっきり背伸びをしながら気持ちよさそうな表情を浮かべ、綺麗な空気を吸っていた。
「んんぅ…!!いやーやっぱ山は一段と空気が美味しい……!」
しばらくそんな感じで背伸びをしながら軽いストレッチで身体を解していたのだが、それが終わると車に戻り、ドリンクホルダーに置いてあった飲み物を飲み干す。
「さーてと、軽い運動もしたし…!飲みかけのやつ飲んでから車の点検しましょっか!」
それから車内からボンネットのロックを解除するオープナーレバーを引き、半開きになったボンネットを定位置まで上げるとエンジンルームの点検を始めた。
箱根ターンパイクに来るまでそれなりの距離を走ったため念には念を兼ねて点検をしておこうというところだろう。エンジンオイルや冷却水の量を確認すると一通りエンジンルーム内を見渡し、確認が終わるとボンネットを勢いよく閉め下ろしていく。
「よっと……えーっとエンジンオイルの量は問題なし…、冷却水とかもオッケー。よしエンジンルームは問題なしだね」ボムっ
その後タイヤの状態や空気圧などのチェック、地面に接地した状態で見れる範囲の足回り確認を終え、燃料のチェックなども済ませると点検時に使ったライトを片付けてから一息つくことに。
「…うん、タイヤもオッケー。下回りも見れる範囲は異常なさそう、燃料も全然余裕あるし…。とりあえずこれで点検はオッケー、後は休憩でもしよっと」
自分みたいな人を求めシェルターを愛車共に飛び出し、人探しの旅に出たのはいいものの、やはりそう簡単に上手くいくわけもなく、未だに誰一人とも出会っていない。
いたとしても動物ばかりで、新しく取り出したお茶を飲みながら、シェルターを出てから数週間経っても直近まで人がいた形跡すら見つけられない状況に椎名は思わずため息を溢す。
「ふぅ…人探しの旅に出たのはいいんだけど…、全然生存者どころか人のいた形跡すら見つけられない…」
だが彼女の右腕につけていたスマートウォッチが反応、機械音声みたいな声と共に励ますように話しかけてきた。
コールドスリープから目覚めた時から一緒にシェルターで過ごしたお世話係のロボット、本体までは連れてこれなかったのでデータだけをスマートウォッチに移植したのだろう。
もう一人の相棒からの励ましにありがと…と満面の笑みを浮かべながら答えた椎名だったが…
『…大丈夫です 必ず生存者は見つかります 諦めなければ』
「ふふっ…♪確かにそうかも、ありがt」
そんなやり取りをしていた直後、地鳴りような振動と共に何処からかとてつもない爆発音が鳴り響いた。
これには流石の彼女も驚いて慌てて辺りを見渡すが、すぐに音の出どころに気付いたらしく、箱根ターンパイク頂上地点辺りから上がる黒煙に目が止まる。
ドォォォンン!!
「!?何々!?いきなりなんのおt…!?あれは……」
どうやらお世話係ロボットの分析では戦車砲による砲撃で発生した黒煙のようで、状況が分からない以上速やかに退避するように警告していく。
しかし椎名は何かを感じ取ったのか、口にするよりも先に身体が動き弾かれたように車の運転席へと飛び乗った。
『分析の結果 戦車砲による砲撃 危険なので離れることを強く進め…』
「…っ!」ダッ
ボムっ
恐らく戦車砲を撃った主がいるであろう頂上に向かうつもりなのかもしれない、だがお世話ロボットの言う通り状況が分からないのに無作為に向かうのは危険というもの。
だがもちろんそれは椎名も分かっていることであり、直感であの場所に生存者がいるかもしれない…と感じたから向かうのだと説得していく。
『危険 危険 直ちに退避を』
「あーもう危険なのは分かってる!けどどうしても確かめたいことがあるの!直感で生存者がいるような気がして…!」
その後エンジンを始動させると、ドライブにギアを入れながらアクセルを一気に奥まで踏み込む。
すると彼女の愛車、その心臓部でもある3.8リッターV型6気筒ガソリンツインターボ・エンジンが唸りを上げながら1720kg~1785kg程度近くもある車体を押し出す。
4つのタイヤを激しくホイルスピンさせながらも本線に合流した彼女のGTRは、ハイスピードのコーナーリングをしつつ、戦車砲の着弾による爆発音が今も続く頂上へと向かっていくのであった。
ゴアアアア
ギャァァァ
それと同時刻、箱根ターンパイクの頂上から少し下ったあたりでは爆発音の合間ではあるが平穏な時間が流れていた。
…がそれを切り裂くようにかすかなモーター音が響いてきたと思った矢先、2人の少女が乗るオフロードバイクが勢いよくコーナーの影から現れる。
ドォォォォン!!
キィィィィン!!
セロー225、ヤマハが開発・生産していたオフロードタイプのオートバイ。
昔は単気筒キャブ車というロマンを擽るバイクではあったものの、今ではそんなエンジンではなく電動化されたモーターやバッテリーが搭載されているらしい。
しかしそれよりも2人の雰囲気的に何かから逃げているようにも感じられ、ダウンヒルを突っ走るように激走していた。
「許してー!!?勝手にご飯とってごめんなさーい!!」
バイクのステアリングを握りながら悲鳴を上げているヨーコと呼ばれる少女の叫び声からして相当ヤバいものらしいが、しばらくするとタイヤが地面を蹴る音と共に1台の装甲車が姿を現す。
ゴゴゴ
『キケンでスデス デスデス』
16式機動戦闘車、それは三菱重工業が陸上自衛隊向けに開発した装輪装甲車であり、よく戦車と間違えられることでも有名だ。
だが装輪車ということもあって整地された路面では時速100キロを発揮可能という高い機動性や、105ミリ砲という強力な武装を持っていることから、戦車にも劣らない性能を誇っていた。
本来であるならば市民は護る対象、しかしこの装甲車は明らかに様子がおかしく防災無線を途切れ途切れにアナウンスしながら2人の乗るバイクを追いかけていく。
『ボウ 災…ハコ ネ』
ゴゴゴ
普通に考えれば高い機動性を持つバイクの方が逃げやすそうにも思えるが、残念ながら今のセローは航続距離を意識したEVバイク。
なので速度はあまり速くなく、当然ながら燃料を気にしていない装甲車相手にそれでは逃げ切るのは不可能。
そう判断した後部座席にのっているヨーコより小柄な少女アイリが逃げ切れないと口にすると、直後とんでもないことを提案していく。
「アイリが止める」
「え?」
「あっちの方が速い」
普通に考えれば生身の人間で装甲車を止めるなどそれ相応の装備や武器がなければ不可能、というか非戦闘員がやるにはリスクがあり過ぎる。
しかしハンドルを握るヨーコは気にするどころか、むしろ車内に乗っている人たちの心配をしている始末。
「えっでもそれじゃ乗っている人が……」
ゴゴッ
だがアイリの目は絶対に誰も死なせない…だから自分にやらせてくれと言わんばかりに決まっており、それをみたヨーコは一瞬返答に困ってしまう。
とはいえ他に手がない以上頼るしかないため、砲弾が真横の石垣に着弾して爆発するのを横目に懇願するようにお願いしていく。
「大丈夫、誰も死なせない」
「……アイリ」
ドゴォォォォン
「ひゃあっ!?わわかった、アイリお願いーっ!!」
するとアイリは待ってましたと言わんばかりの返答をすると後ろ向きで荷室の上に足を置きながら立ち上がる。
当然視線の先には追いすがる装甲車がいるわけだが、仁王立ちみたいに振動するバイクの上に立っている割には異常なほどバランスが取れているようにも見えた。
「任せて!」
ダンッ
だがそれだけはなく右手を開きながら装甲車に突き出していくと、何やらセーフティロック解除と呟くように唱え始める。
その直後、まるで某SFアニメに登場するファンネルののように腕の表面が全方位4箇所開き、アンテナのようなものが姿を現す。
「セーフティロック解除(パカン)、対閃光。対ショック防御」
するとアンテナからピリピリという音と共にプラズマのようなものが出てきたと思ったら、アイリの口にする変換率が上がると共にそのプラズマは徐々に強まっていく。
「プラズマ変換率…80…90…100%」
そうこうしてフルに溜まったのだろうかアイリの右手前には閃光玉みたいなものが出来上がっており、同時に彼女は目を細めながら追いすがる装甲車に狙いを定める。
しかしその照準もすぐに定まったのか間髪入れずに発射と口にすると、右手前に広がっていた閃光玉をレーザービームかのように解き放った。
『晴…レ』
「発射」
チュドォォォォン
もはや何処ぞのレールガン撃てるJCな訳だが、放たれたレーザービームは装甲車の右側をタイヤごと撃ち抜くように貫いていく。
威力的には装甲車などいとも簡単に吹きとばせそうだが、アイリはヨーコとの約束を護る形で敢えて戦闘機能の喪失を狙ったと言うところだろう。
実際タイヤのみを吹き飛ばされた装甲車は衝撃で黒煙を吹き上げながら横倒しで地面をスライドしながら停車した。
ガガガガガガ!!
しかし装甲車のタイヤ部分を狙ったとはいえ、鉄の塊を貫けるとなるととてつもない威力になるというもの。
それをバイクの重量で耐えられるはずもなく、発射した衝撃でリアタイヤが浮き上がりながら、2人仲良く通り出されていくのであった。
「うわわ!!?」
登場人物
雨宮椎名
年齢:23歳
性別:女性
身長:160cm
モデルキャラ:東雲椎名(Sレイマリチャンネル
オリジナルキャラクターより)
本作の主人公、コールドスリープから目覚めたら人類が滅んでいたが、それが本当なのか確かめるために愛車のGTRと共にシェルターを飛び出し、終末旅行を楽しもうとしていた。
があるとき箱根でセロー乗りの少女、ヨーコ達と出会ったことをきっかけに、摩訶不思議な体験に巻き込まれることに。
お世話ロボット
最新鋭のお世話ロボット、この世のものならなんでも知っている物知りであり、椎名がシェルターにいた頃は車やらシェルターの管理など、なんでもしていた。
シェルターを飛び出して旅する際には、彼女のスマートウォッチにデータを移植(本体を持っていけないため)し、ナビゲーターなどのアシストに徹することに。
日産GT-Rオフロード“ゴジラ2.0”
搭載エンジン:3.8リッターV型6気筒ガソリンツインターボ・エンジン
馬力:600ps超
日産が生み出した和製スーパーカーの一つであるR35 GTR 2020年式をベースにオランダの中古車販売業者「クラシック・ヤングタイマー・コンサルティング」が販売していたモデル。
公式にはないオフロード仕様のカスタムをしており、エンジンを始めとして足回り諸々に手が入っているため、オフロードでも高い走破性能を手に入れた。
雨宮が乗っているGTRはそのうちの一台で、海外から逆輸入されてとある中古車ディーラーで販売さていたのを購入している。
尚終末世界に適応するために助手席シートを取っ払い簡単な車中泊仕様にしたり、リアゲートに予備の燃料タンクを装備したオリジナルモデルとなっている。