個性【鎖翼刃】を持つ少女   作:田中パナカ

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 初投稿です。駄文ですが許してください。


プロローグ


 「鎖竜(さりゅう)さん、その図形の証明間違ってます。こちらの公式を応用すれば簡単に解けますよ。」

 

 「ん?ホントだ。ありがと目蔵(めくら)さん。」

 

 目の前にいる右目の下に鰐の目、左目の下に山羊の目がある黒髪ロングの美少女にお礼を言いながら問題を解く。

 彼女達は他の生徒が下校した後も下校時刻ギリギリまで勉強を続け、受験対策をしている。

 

 何故そんな事をするのか、理由は目の前にいる数学が苦手な少女――鎖竜(さりゅう)刃月(はづき)が雄英高校のヒーロー科を受験するからである。

 

 「鎖竜さん。その翼脚と鎖刃を同時に使う知能があるのに何でこの問題が解けないんですか?」

 

 「それ言われると困るなぁ…。目蔵さんは最大100個の目を同時に使っても大丈夫なんだから凄いよね。」

 

 目蔵(みやび)

 個性【複眼】

・全身から様々な動物の目を生やす事ができる。

・両目の下にデフォルトで2個目が生えている。

 

 「鎖竜さんのソレと違い、私は子供の頃からコレに慣れる為に練習する時間も場所ありましたからね。後、2人きりの時は雅ちゃんと呼んでください。」

 

 「目――雅ちゃんは羨ましいよ、私のコレは練習できるのが家の訓練施設しかないもん。」

 

 そんな施設があるならそれで充分だろ――と思いながら雅は目の前の美少女を見る、身長170cmと女子にしては長身の雅を優に超える185cmの体を持つ。全身は暗い灰色に彩られ、白髪と薄紫色の目を持つ。頭部には顔よりも長く、下顎の方に伸び先端が黒く変色した鎌状の一対の角を有している。だが、それよりも目を引くのは肩甲骨付近から背中全体を覆う様に生えている白い鱗と刃月の背丈を優に超える翼膜に似た白い体毛が生えた翼脚と鎖刃。

 

 この特徴からも分かるとおり、刃月の個性は異形型であり名を【鎖刃竜】と言う。肩甲骨付近から生えた翼脚を支える為に筋繊維と骨密度が異常に高く、最低でも常人の5倍程度の身体能力を持っている。

 

 彼女の個性ならば実技試験は簡単に突破できると雅は確信しているが――問題は筆記試験である。刃月は決して馬鹿では無い。むしろ、学年2位の成績を誇っている程だが、それを考慮したとしても雄英の筆記試験は難しい。故に、雄英の模試でA判定の雅と勉強会を行っている。

 

 「雅ちゃんはさ、どこの科を受験するんだっけ?」

 

 「経営科です。鎖竜さんが独立した時には私と一緒に事務所を構える為にです。」

 

 「雅ちゃん…。前々から思ってたけどさ…どうしてこんなに僕の面倒を見てくれるの?」

 

 「…鎖竜さんが私のヒーローだからです。」

 

 目蔵雅は小学校低学年の頃からイジメを受けていた過去を持つ。理由は単純、"全身から目を生やす個性なんて気味が悪い"からである。そうして10歳頃までイジメを受けていたが、そのイジメも転校して来た刃月によって終わりを告げた。

 

 彼女が転校して1週間程でイジメっ子や他の上級生を返り討ちにし、学校のトップに立ったのだ。雅は転校して来た刃月と家が近く、正式な転校の手続きを済ますまでに一緒に遊んでいた仲だった。だからこそ、雅をイジメる者達に刃月は制裁を下し、雅をイジメから解放したのだ。

 

 それ以降、雅は刃月と同じ学校に進学し、彼女を助けている。

 

 「お世辞でもそう言われると嬉しいねぇ。」

 

 「お世辞では無く、本心からですよ。鎖竜さん、貴方なら素晴らしいヒーローになれます。私はソレを一番近くで見ていたいだけです。」

 

 「そっかあ。ありがと♡」

 

 「ハァ…。無駄話をしている時間はありません。早く手を動かしてください。」

 

 「ハイハイ、分かりましたよ。」

 

 「ハイは一回で良いです。」

 

 そんな問答を続けながら彼女達は勉学に勤しむ。かたやヒーローになる為に、かたや恩人(ヒーロー)の願いを叶える為に。

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