インフィニット・ストラトス ~An Irregular Bound~ 作:れみんとぅ
初投稿なので、かなり緊張してます。指が震えてます。
基本的に原作通りに進め、その中で上手いこと主人公を関わらせられたらなと思っています。
小説の書き方は同時進行で勉強中なので、これから上手くなっていける…はず。なので、生暖かく見守って頂けると嬉しいです。
ちなみに、ヒロイン勢の中では簪が1番好きです。
では、これからよろしくお願いします。
薄暗く長い廊下に、足音が3つ。
前に並んで2人の男性。どちらも軍服を着用し、無表情に歩いている。
後ろには女性。ロングスカートの青いドレスに、頭にはウサギの耳が付いたカチューシャ。顔には笑みが浮かんでいる。
前の2人が立ち止まる。合わせて女性も歩みを止める。
3人の視線の先には、独房。その更に先に、床に座り込んで俯く少年の姿があった。
軍人の1人が振り返り、女性へ話しかける。
「彼が例の適合者です。手短にお願いしますよMs.篠ノ之」
篠ノ之、と呼ばれた女性は笑みを崩さずに応じる。
「おっけー!この天才
言いながら束は独房の扉を開けた。
少年が顔を上げ、彼女を睨みつける。動じることなく束は近づいて行く。
束が手を伸ばせば届く距離まで近付いた時、少年が口を開いた。
「…誰だ」
束はしゃがみ込み、少年の目をまっすぐ見る。
そして笑顔でこう言った。
「私は篠ノ之 束。ISを開発した天才束さんだよ!」
ギリッ、と音がした。同時に少年が牙を剥いて彼女に殴りかかった。
逆に束が躱して締め上げ、少年から小さく呻き声が漏れる。少年がもがくが、涼しい顔のまま束は続ける。
「私と一緒に来なよ!そうすれば、復讐だってできるよ?」
少年はただもがく。
束は笑顔のままだ。
「君が生身で挑んだところで死ぬだけ。私と一緒に来れば復讐の為の力を私があげるよ?」
次第に少年の力が抜けていき、意識を失う。
少年を抱えると、束は独房から出た。
「この子、貰っていくね!」
彼女の言葉に軍人2人は驚きを露わにする。
そして腿のホルスターから拳銃を抜き、束に向けた。
「何を言っている」
束は笑いながら言い放ち、指を鳴らす。
「言った通りだよ!じゃあね!」
パチンッ。音と同時に彼女の横にマシンガンが二門現れ、軍人を蜂の巣にした。
火薬と血の匂いが鼻をつく廊下を、束は鼻歌交じりに歩いて行く。少年を連れて。
少年が目を覚ますと、そこは今までとは別の部屋だった。
部屋は明るく、鉄格子は存在しない。あるのは自分が寝ていたベッドと出入り口のドア。
彼は膝を抱え、顔を埋める。
(…父さん…母さん…)
今は亡き家族を思い出し、視界が歪む。
そこで扉がプシュッと音を立てて開き、束が入ってくる。
彼女は笑顔で鼻歌を歌いながら少年へ近づく。
「目が覚めたねー!ちょうど君の専用機ができたんだ!」
少年はキッと束を睨みつける。が、彼女は構わずポケットから指輪を取り出した。光沢のない黒に銅色が縁取られたそれを少年に見せながら話し続ける。
「最強にして最堅にして最速の機体!その名も!『
反応はない。少年はまた顔を埋めていた。
束の言葉は続く。
「日本の
そこで束は言葉を切り、少年を見る。
彼は顔を埋めたままだ。
笑ったまま静かに問いかける。
「いつまでそうしてるつもりなの?」
相手の反応はない。
「今の君に何ができるの?」
鋭い視線が束を刺した。
「生身の私にも勝てないクセにISには勝てるの?」
彼の視線が束から逸れる。
「力も無いのに復讐とか考えちゃうんだ?」
もう一度互いの視線がぶつかった。
束が真剣な顔になり、言った。
「死にたくないなら、力を持ちなさい。誰にも負けない、強大な力を」
少年の瞳が揺らぐ。束は再び笑顔を向ける。
そして、少年の口が動いた。
「…大きな力には、責任が伴う。それが命を奪う程の力なら、尚更だ」
そして、束を見た。その瞳に怒りの色はない。
あるのはただ、不安だけだった。
「俺には、その責任を持つだけの覚悟がない」
「今、しなさい」
束は厳しく言い放つ。
「あなたは人を殺そうとしているの。復讐とはそういう物なの。甘ったれた事を考えるな」
少年が歯をくいしばる。束は黙ったままだ。
もう一度、少年が束を真っ直ぐに見た。その瞳に、もう不安はない。
「…力を、貸してくれるのか」
束は優しい笑みを浮かべた。
「君が望むならね」
そう言って、指輪を差し出す。
ゆっくりと少年の手が上がり、指輪に触れた。
それに反応したようにわずかに指輪が光る。
「これが…俺のIS…。俺の、力…」
少年は指輪を受け取り、握りしめた。
ー多目的ホール アリーナー
少年は今、IS『打鉄』に乗ってアリーナにいる。
眼前にはこれもISに乗った女性。束に促されるまま、それまで乗っていた移動型ラボを降りると、多目的ホールの入り口だった。
そしてアリーナへ連れて行かれ、現在に至る。
(初めての操縦でどこまでやれるか、だな…)
これはIS操縦者育成施設、IS学園の入学試験である。
IS学園の入学試験には筆記と実技の試験がある。少年は筆記を難無くこなし、実技の試験へと臨んでいた。
『では、始めます』
模擬戦の相手である学園の教員から通信が入る。
少年は思考を切り替えた。
「お願いします」
空中にディスプレイが現れ、カウントダウンを始めた。
互いに武器を構え、2人の視線がぶつかる。
『試験開始!』
教員がアサルトライフルを連射。横に躱し少年が距離を詰める。
相手は下がりながら撃つ。少年は再び躱しなおも追う。
教員がナイフに持ち替え逆に少年へ向かい突進突き。身体を沈め紙一重で避ける。ここで少年から音が去った。
「セァッ!!」
気勢を発し斬り上げる。教員が仰け反り躱す。
体勢を崩しよろめく教員。
「ハァッ!!」
更に少年がブレードを振り下ろす。
「ぐっ…!!」
教員はナイフで刃筋を逸らす。
ギャリィィ!!と嫌な金属音が響き、今度は少年の体勢が前のめりになる。それを利用し教員が彼を蹴り飛ばす。
空中で立て直し着地。少年は顔を上げる。
銃口と目が合った。前へ飛び込む。鉄の塊が髪を掠める。
相手まで、およそ2歩。
「…おおぉぉぉぉぉ!!」
咆哮し、突進。教員の放つ弾をブレードで弾く。
ブレードの間合い。真一文字に一閃。
相手は銃身で受ける。砕け、爆散。体には当たっていない。
少年がもうー度間合いを詰め、振りかぶる。
ビィィィィッ!!!!
しかし、そこでブザーが鳴る。少年は動きを止めた。
『試験終了。クラウス・アマーリアはピットに戻ってください』
少年、クラウスに周りの音が戻り始める。自分の動悸がはっきりと聞こえ、呼吸も早い。更に大量の汗をかいていた。
「はぁっ、はぁっ…!」
息を整えながら数歩下がり、頭を下げる。
「…ありがとう、ございました…」
顔を上げると踵を返し、ピットへと戻った。
ピットでは束が彼を待ち、姿を見ると笑顔で手を振る。
仏頂面で無視し、ISから降りた。
「おつかれさまー!受かるといいねー!」
束がハイテンションで話しかけるが、クラウスはこれも無視。椅子にあるタオルとスポーツドリンクを取る。
汗を拭きながら一気にペットボトルを呷り、息を吐くと今度はクラウスから口を開いた。
「…この学園に入って何の意味がある」
不機嫌そうな声音だった。対して束の声は弾んでいた。
「自分だけじゃ強くなれないでしょ?対戦相手がいた方が成長できるよ!」
彼女の言葉が続く。だが、ここからは笑っているのは顔だけだった。
「それにほら、同じ境遇の子がいるからね。その方が
意味深な表現。だがクラウスにはその意味が伝わった。
「…
「来るよ。確実に。君ともう1人のISを奪いに」
束は断言する。根拠は示されていないのに、何故か説得力のある口調だった。
「…まあいい。来なければ出て行くだけだ」
クラウスは言いながらピット出入り口へ向かう。
「そんな事言わずにさ、青春しておいでよー」
束は喋りながら後について出て行った。
その後無事合格通知と必要書類が届けられ、クラウスのIS学園入学が決まった。
次回から原作本編に入っていきます。原作を読み直しつつ書きます。頑張ります。
地の文の書き方からバトルシーンの書き方から全て調べつつ書いていったので、この話を文章にするのにたった3000文字ちょっとなのに3週間くらいかかりました(苦笑)
これからもう少しペースが上げられるようになれるといいのですが…。
では、次回もよろしくお付き合いください。