引きこもりだった少女の暗殺教室   作:赤坂六梃

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転校生の時間

 

「───それでさー、ビッチ先生の大人の話を聞いていたのに、結局殺せんせー暗殺大会になっちゃったんだ」

「...そうなんだ、起きてれば良かったかな?」

「四葉ちゃん、あまりにもぐっすりだったし起こすのも悪いかなって思って」

 

昨日の夜、どこか騒がしかったことが気になりカエデ達にそれとなく聞いてみると、どうやら殺せんせーが女子トーク中に乱入してはなんやかんやあって暗殺大会になってしまったらしいとのことだ。どういうこと?

 

「それよりも、朝どこかに行ってたの?」

「久々だったから散歩をね」

 

気がついたら意識失ってたけど、とは言わなかった。

 

「へー、それでどうだったの?」

「昔と変わらへん、わいの大好きな景色やったわ」

 

こうして、私の京都旅行はあっという間に終わりを迎えた。楽しかったようでどこか寂しさを感じた、旅行だった。

みんなに「また、来週」と声を掛けて家へと戻るなり倒れるようにベットへと突っ伏す。

 

「......」

 

家の中はあいもかわらず静かだ。私しかいないのだから当然ではあるのだが。昨日まで騒がしかった自分の日常が、急にガラリとすると私自身もどこか寂しく感じたりもする。

一ヶ月分は動いたよ、しばらく動かなくていいかな。こうしてまどろみの中へと旅立った。

休みの日もあっという間に過ぎ去って、気がつけば登校日になっていた。

 

「ふゎあ〜...お、10時半か〜」

 

着信めっちゃ入ってる、ははっ。遅刻じゃーん。メッセージも入ってるな、なになに、転校生が機械?何を言ってるんだろうか。てか転校生?この時期に?しかも機械って...ナイナイ!

 

━━━

━━

 

「って、マジだったか〜」

「あっ、やっときた!おはよう、四葉ちゃん」

「おはよ、それでこれが例の?」

 

なんとか4時間目には間に合い教室へ着くとそこには四角い黒箱が右奥、つまり私の隣の席に設置されていた。

それがそうだと、みんなが頷いた。けれど、どこか困ったような顔と疲れた顔を浮かべてすぐさま頷いてしまい、私は疑問に思った。

 

「というかコレ動かないの?」

「多分だけど休み時間は動かないんじゃないかな?」

 

そうなんだ、残念。

私はすぐさま思い知ることになる、みんなが顔が浮かなかった理由が。

殺せんせーに「今度寝坊したら、迎えに行きまからね」と、しっかり小言を貰って授業を受けている時だった、隣の黒い箱が動き出したのは。

ガキィン、ガチャガチャと、日常を生きていたら聞くことが珍しい音が隣から聞こえ視線を隣に動かすと様々な銃がそこには展開されていた。

 

「そっち系か...」

 

授業中に発砲は禁止なんて、ルールを守ることなく彼?彼女?は銃を乱射しまくった。

みんなが頭を伏せて耳を塞ぐ、なるほどこう言うことかと私は理解した。それと同時に機械に映し出された顔に───ボクは惹かれた。

 

「か、がわ゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙!!!!!!!!!」

 

久々に大声を出した。

そこからのボクの行動は早かった。

 

「ねえねえ!!キミ名前はなんで言うんだい!!」

 

銃を乱射するなか彼女のモニター部分へと潜り込んだ。

 

「─────さい」

「えっ!?なに、聞こえないよ!」

 

微かに聞こえた機械音声も可愛い、咄嗟に弾が次々と放出される一つの銃口を掴み上げると彼女は止まってくれた。

 

「鳴海四葉さんですね、その手をどかして下さい」

「やだ、キミの名前を知りたいから」

「な、鳴海さん、何してるの?て言うか痛くないの?なんかすごい音したけど...」

「何って、口説いてる」

「「「「「「は?」」」」」」

 

何を言っているんだと、みんなそう言わんばかりの顔をしているがボクからすればなぜ美少女を目の前に口説かないという選択肢があるのか。

コホン、改めて軽く咳払いをしてボクは彼女の目をまっすぐ見てすぐ逸らした。

 

「ひょっ、や、やっぱりかわいい!!」

「よ、四葉ちゃん?」

「なーにこのかわいさ!えっ、嘘でしょ!機械マァ?ウッソですやん!なんで、初○ミクみたいな声してるの、声もかわいいって反則でしょ!ねぇねぇ!それってさ、もしかして人型になれたりしないの!?」

「申し訳ありま───「あぁ!でもでも、機械だからいいみたいなこともあるよね!ボクはやっぱりロボットの中身から美少女的なモノを好きだけど、やっぱりこう言うザ・機械みたいなの好きで、ロマンだよねぇ?いやー最近はそういうのも流行っているとはいえ、こういう王道は捨てがたいと言うかね...いや、でもそれが悪いって言って訳じゃなくてね...あ、そうた、後さ後さ、ボク的に言わせて貰うともうちょっと笑えるといいよ!今でもじゅーぶんにかわいいけどね!だってキミかわいいもん!ほらほら、笑顔笑顔!!スマーイル!!」───緊急事態発生、スリープモードに入ります」

「あぁ!行かないで!まだキミの名前を聞いてないよーーーーーー!!!!もしもーーーーーーし!!!!!!」

 

うんともすんとも言わなくなってしまった、ただの黒い箱のようだ。

 

「う〜ん、アプローチが悪かったかな?どう思う赤羽クン?」

「なんで俺に聞くかなぁ...というか手大丈夫?」

「手?ああ、皮が剥がれただけだよボクにとっては些細な問題さ」

 

そう、些細だ。今のボクにとって大事なことは手なんかよりもこの子の名前を聞くことだから。それのためなら手なら安いモノだ。

そこから、休み時間はずっと彼女に声を掛け続けたが反応はなかった。

 

「どうしたらいいと思う?」

「さ、さあ?本当に手は大丈夫?」

「ん?ああ、へーきさ」

 

両手にグルグルに巻かれた包帯を見せびらかす、あの後殺せんせーによるマッハな手当のおかげでボクの手は真っ白だった。

 

「でも、兎にも角にも鳴海さんのおかげで授業を妨害されずにすんだよ、ありがとう」

「ほんとほんと、アイツのせいでロクに授業が受けれなかったからさ〜」

「ボクからすれば彼女の名前を知りたい」

「彼女の名前はな───「待った!誰もボクに彼女の名前を言わないで!これは、ボクが直接聞きたいんだ!!」お、おう...」

 

教えて貰うなんて勿体無いじゃないか!

 

「それで、本気なの?口説くって」

「昔からボクは面食いでね」

「目がマジだ...」

 

さて、どうしたものか。あまり使いたくなかったがここはアレを使うとするか。

────ちなみにその日、彼女はショットダウンして以降起動しなかった。残念だ。

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