現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件 作:名無しのモンスター
ドミネイト型のデシアゴーレムの相手をする事になった、浩司ことウィックス改めウィックスカリバーと、ひとりことミスレア改めミスレアポッピー。
そんな中、ミスレアポッピーはアクティングとの一騎打ちになっていた。振るわれる長くて鋭い爪を、上半身だけ傾けて回避。ディスクの見える胸部装甲に、左腕によるストレートパンチを浴びせた。
「いっいえ〜い……‼︎ もっもう1ぱぁ〜つ‼︎」
『ぼっちちゃん、なんでギャルっぽい感じに闘っているの? 無理しなくていいと思うんだけど……』
変身先のライダーの影響か、無理矢理テンションを高くしながら闘っているミスレアポッピー。ミスレアディスクにツッコミを入れられながら、そのテンションのままながらも、力を込めた右アッパーでアクティングの顎を殴る。
「ウグッアッ……」
アクティングはアッパーを受けて怯むも、両肩の巨大なケーブルは彼の心情に合わせて自律。交互に振り下ろし、ミスレアポッピーを無理矢理後退させていく。
「わっうわわっ⁉︎ こっこれじゃあ
実はこのアクティングの攻撃、これで少なくとも2回は行われていた。
最初はダメージを受けてすぐに行われたものではないが、伸縮性があり巨大となるものが自律しての攻撃は、あまりにも厄介なもの。その時からミスレアポッピーは、アクティングのケーブルが攻撃を仕掛ける時の対処法を見出せずにいるのだ。
「
思わず弱音を吐いてしまったミスレアポッピー。だがそれが、アクティングのケーブルによる攻撃を攻略するヒントにでも繋がったのか、ふと思考回路が働き始めた。
「……よっよし‼︎」
そして何を思ったのか、意を決したような様子を見せ……
『GACCHARN!!』
『アレ? それ、ポッピーと似た目をした、あの緑のライダーも持ってたような……?』
無から発生した淡い光から、青緑と銀を中心に彩られゲームパットを彷彿とさせる武器──ガシャコンバグヴァイザー
そして青いBボタンとなっている、スイッチの1つを押し、水平に180度回転させる。そこから本体の前後を反転させ、懐から取り出したと思われる専用の黒いグリップをスライドさせて合体させる。
するとその逆側の位置から、黒鉄の短いチェンソー状の刃が剥き出しとなって出現。ガシャコンバグヴァイザー
「これでよし‼︎ 後は……‼︎」
ガシャコンバグヴァイザー
「うえぇっ⁉︎ えっちょっ……せっせいっ‼︎」
ミスレアポッピーは動揺するも、すかさずガシャコンバグヴァイザー
『ぼっちちゃん、また来たよ‼︎』
「わっ分かってます‼︎ ハァッ‼︎」
そこから続けて、自動的に交互にケーブルが振るわれるが、今度のミスレアポッピーは冷静になってその感情を保つ。何度もガシャコンバグヴァイザー
「ウグルルルゥッ……ウァアアアッ……」
そして、アクティングは悟った。このまま対処され続けたら、いずれ自身の武器の1つとなるケーブルは、だんだんと深くなった跡によって壊れるのではないか……と。
その危機感が伝ったのか、自律していたケーブルは縮み、元の長さへと戻っていく。強力となる武器を、無闇に捨てたくないのだろう。
「今だッ‼︎」
その
しかし、アクティングはその隙を狙われる事を、想定していないわけではなかった。
パシャッ
「グエッ⁉︎ えっあれっ……⁉︎ 何これ⁉︎ 動けない⁉︎」
シャッター音が鳴ったのと同時に、アクティングの両腕のカメラレンズらしきものが光った。
それと同時に、ミスレアポッピーが何かに一瞬だけ引っ張られたかのような声を上げ、動きを封じられる。そしてまるでシャッターを押され写真として収められたかのように、微塵も動けずにいた。
その隙をついてか、アクティングは跳躍し、鋭く長い爪をミスレアポッピーに振り下ろし、装甲を引き裂くように命中させる。ミスレアとしての要素が見た目からも引き継がれているためか、怯ませるまでには至らなかったが。
「んっぎぎぎぎぎっ……‼︎」
『ぼっちちゃん大丈夫⁉︎』
「なっなんとか……」
それでも、ミスレアポッピーは未だに動けない状態のままで、自らビクともすら動けない事に変わりなかった。
それを狙ってか、アクティングは腹部を中心にショルダータックルをかました。
「キャアッ⁉︎」
『ぼっちちゃん‼︎』
その衝撃が強いが故か、ミスレアポッピーはそのまま吹っ飛ばされてしまった。1回地を跳ねるも、すぐさま態勢を立て直し着地に成功した。そして、すぐに戦慄した。
「えっ。なんで私、こんな簡単に……というか無事に着地できているの。怖っ……」
戦慄したと言っても、自身の受け身の取り方に、だが。ミスレアポッピーこと後藤ひとりは、元々は運動が苦手で、体力はあるがバテやすいタイプなのだ。それ故なのか、一度吹っ飛ばされてすぐに態勢を立て直せた自分自身に、戸惑いを隠せなかったようだ。
「(とにかく……多分、あの盾にあったカメラレンズっぽいものが、私の事を捉えたから、さっき動きを封じられたんだと思う。つまり、盾のない方から攻撃すれば……)」
そして、彼女自身でも不思議だと思う程に、冷静な分析でアクティングの一時停止能力への対処法を想定する。普段のテストの点数がよろしくない彼女とは思えない程、らしい。
だが、
考えが纏まるよりも先に、ミスレアポッピーの身体が動いた。再び大地を蹴り、今度はアクティングの盾を持っている手とは反対方向へと回り込む。
ガシャコンバグヴァイザー
パシャッ
「あげっ⁉︎ まっまた……⁉︎」
『嘘ッ⁉︎
またもやシャッター音が鳴り、ミスレアポッピーの動きを封じた。それも、
そしてその隙を再び突かれ、アクティングが鋭く長い爪で、今度はミスレアポッピーの右横腹を切り裂くように攻撃。そこから火花が散り、彼女はよろめいてしまう。
「うあっ……‼︎ クッ‼︎」
それでも一瞬の痛みを抑え、ガシャコンバグヴァイザー
その斬撃に怯むアクティングだったが、再び両肩の高圧ケーブルを自律させ、今度は胴体を貫かせるかの如く一気に伸ばした。それに気づいたミスレアポッピー、間一髪といったところで前転して回避する。
『こっ怖ァッ……』
「ゼェッ、ハァッ、ゼェッ、ハァッ……あっ危なかった……‼︎ へっ下手したら死んじゃうかと思った……‼︎」
今の攻撃で死が確定したわけではない。だが、もしもの可能性を想像してしまい、咄嗟かつ必死に回避に専念したのだ。それ故か、回避した後のミスレアポッピーは、恐怖などによる心臓の鼓動を抑えながらも、荒々しく呼吸する。
ふと、ミスレアポッピーはとある違和感に気づく。
「(でも、なんでだろう……カメラ、全然こっちの方を向いてなかったよね……?)」
そう……先程の攻撃にて、アクティングはカメラレンズのついた盾を、それどころかカメラすらミスレアポッピーに向けていなかった。それなのに、一時停止能力は適用され、彼女はアクティングの攻撃を許してしまっている。
「(もしかして、音を鳴らしただけで、私達の動きを封じる事ができるのかな……? いや、だとしたら強くないその能力⁉︎ どうやって倒せばいいっていうの⁉︎)」
これぞ正しく『こんな奴どうやって倒せというんだよ』という思考である。カメラレンズを向けられなくとも、大体音だけで敵の動きを封じる能力。
それがどのようなカラクリで適用されているとでもいうのか。ミスレアポッピーはそれが理解できずにいるため、『強すぎ』『どうしろと』と困惑しているのだ。
しかし、ここで新たな疑問が脳裏に浮かび出す。
「(……ん? 音を鳴らすだけで動きを封じる事ができるのなら、なんで盾にカメラレンズなんて付いているんだろう? 正直アレ、今のところ付ける必要なんてないはずじゃ……)」
写真を収めるかのように、相手の動きを停止させる。撮影する時は、カメラレンズが必要。だが、アクティングはシャッター音だけで、ミスレアポッピーの動きを封じた。
音だけで一時停止能力が働くのならば、カメラレンズが盾についているのは何故だろうか。そこがミスレアポッピーの疑問点となり、納得がいかないものとなっていた。
「……確定しているわけじゃないけど、確かめるだけ確かめてみる必要があるかもしれない」
『ぼっちちゃん……?』
徐に呟いた言葉に合わせ、ミスレアポッピーが動いた。
ガシャコンバグヴァイザー
『GACCHARN!!』
そして再び本体を回転させ、グリップをスライドさせてセットすれば、ガシャコンバグヴァイザー
「よしっ‼︎ 後はこれで……って危なっ⁉︎」
意気込んだ矢先、ミスレアポッピーに向かって爪を振り下ろしてきたアクティング。ミスレアポッピーは寸前で後退して回避し、三度伸びてきたケーブルに向かってガシャコンバグヴァイザー
『こいつ、闘い方を変えようとしている途中の敵に攻撃を仕掛けるなんて、一種の卑怯者じゃん……‼︎ 嫌なんだよね、そういう奴』
「じゅ準備が終わった後で助かった……」
『ところでぼっちちゃん? 何やら武器を遠距離のヤツに変形してたけど、何するつもりなの?』
「あっそれはですね……」
ミスレアディスクに問いかけられたのに対し、ミスレアポッピーは『実際にやって見せた方が早い』と断言するかのように、ガシャコンバグヴァイザー
それも、
『(えっ? あの構え方と銃口を向けている位置、絶対盾の方を狙っているよね? しかも持ち手じゃなくて、盾そのものを。なんで敢えて攻撃を防がせるような真似を?)』
ミスレアディスクは、理解しようにもできずにいた。自分の相棒が今、何を思って敢えての行動をしているのかを。
何故わざと防がれるような攻撃をしようとしているのか。盾に向かって攻撃する理由は何故か。必殺技で破壊するとでもいうのか。そもそも盾を攻撃なんかして、その後の一時停止能力に対抗できるのか。
分からない。分かりたくても分からない。相棒の行動を理解できないままの自分自身に、ミスレアディスクは微量ながらも嫌気を感じていた。
「大丈夫です」
『えっ?』
「私の考えている事を分かろうとしてくれているだけでも、すごく嬉しく思えていますから」
『……‼︎』
見透かされているのだろうか、自分が今考えている事を。不安にさせたのだろうか、それで嫌気を感じていた自分の事で。
だが、今の彼女としては、それはどうでもいい事だった。こんな自分でも、ひとりにこれまでと変わらず感謝されている。必要とされている。それが分かっただけでも、ミスレアディスクにとっては充分だったのだ。
「そして、私がこんな事をしている理由……それは、これ‼︎」
改めて盾の方に狙いを定め、ミスレアポッピーはガシャコンバグヴァイザーⅡの銃口から、溜められた事によるものだろう、野球ボールサイズとなる光の弾丸が発射された。
そしてその弾丸は、ミスレアポッピーの狙い通り、アクティングが前に出した盾に命中する。
それも、
『カメラレンズを、破壊した……? あっ⁉︎ まさか⁉︎』
何かを察したのか、ミスレアディスクは思わず声を上げた。
シャッター音を鳴らしただけで、相手を一瞬だけ一時停止できる能力。カメラレンズで相手を捉えずとも、適用可能な能力。意味も無さそうなのに、盾についてあるカメラレンズ。
それらが意味する答え。それは……
「よし……うおりゃああああああッ‼︎」
意気込んでから叫び、ミスレアポッピーは駆け出す。そして振り下ろされて迫り来るケーブルを、ガシャコンバグヴァイザー
そして、ミスレアポッピーがアクティングとの間合いを詰め、ガシャコンバグヴァイザー
パシャッ
またもやシャッター音が鳴り出した。結局、カメラレンズを破壊しただけで、アクティングの一瞬の一時停止能力を封じる事はできなかったのだろうか……
『GACCHARN!!』
と思われたが、ミスレアポッピーの手は何の問題もなく動いており、ガシャコンバグヴァイザー
何故ミスレアポッピーの動きを封じれなかったのか。それに戸惑うアクティングはその隙を突かれ、正面の胴体に強い斬撃を受けてしまった。さらに往復するように斬り裂き、回し蹴りを浴びせて吹っ飛ばした。
『おぉっ……‼︎ 音が鳴るのは変わらないけど、やっぱりあのカメラレンズが、厄介な一時停止能力の原動力を作っていたんだね‼︎ ぼっちちゃんナイス推理‼︎』
「あっありがとうございます……」
何故一時停止能力が機能しなかったのかを理解し、この推理を成功させたミスレアポッピーを褒めるポッピー。一方の彼女は、ここで褒められるとは思っていなかったのか、思わず照れてしまったようだ。
ともかくこれで、ミスレアポッピーを苦しませる厄介な能力を封じる事ができた。この後どうすべきか、答えは1つだった。
「これで……決める‼︎」
『スペシャルアタック、プリパレーション!!』
そして彼女の周囲に現れる、様々なポーズを取っているアギトの立体映像と様々な場面を映し出している映像。
それらが旋回している中、ミスレアポッピーは両方のレバーを、力強くも優雅に押し込んだ。
『スペシャルアタック、オーケー!!』
『KIMEWAZA!! CRITICUL CREWSーAID!!』
全ての映像が重なり、淡く弾けたのと同時に、ピンクと青の鮮やかなエネルギー光線が、彼女の周りで激しく弾けた。
ミスレアポッピーが華麗にくるりと一回転すると、足元に巨大なポップゲームの操作画面を思わせるエフェクトを展開した。
ビートの刻みに合わせて、空間にカラフルな音符のクリティカルエフェクトが次々と浮かび上がる。それに合わせ、彼女は軽快なステップを踏みながら空中に大きく跳躍。右足の先に眩い光のエネルギーを充填させていく。
「てぇぇぇぇぇぇいッ‼︎」
叫び声と共に、彼女は空中から旋風のようなキックを叩き落とした。
そのキックの着弾地に、1つの空洞が発生した。その空洞の中では、赤いパーカーを着た黒髪の男性が、虚ろな瞳で両腕にドス黒い鎖のようなものが巻かれていた。
「手を‼︎」
「……?」
迷わず強く呼びかけ、手を差し伸べるミスレアポッピー。記憶が曖昧で虚ろになりながらも、男性は縛られていた右腕を伸ばし、彼女の手を取る。
力強く男性を引っ張り上げれば、その男性を縛っていた鎖はあっさり引き千切られ、光の粒子となって消滅。男性も彼女が手を離したのと同時に、ゆっくりと浮いてその場から離れたベンチで横になった。
ミスレアポッピーが男性の安否を確認したのに合わせ、足先から解き放たれた無数の音符と光の波紋がアクティングを包み込み、ド派手なポップサウンドと共に色鮮やかな大爆発を起こした。
『KAISHIN NO IPPATSU!!』
弾けた光の粒の中心で、ミスレアポッピーは『Do-Re-Mi-Fa Beat!』のロゴを背景に、完璧な決めポーズを崩さなかった。
無理矢理に元気の溢れるポーズを取りながら、ミスレアポッピーは爆発を背景に輝いていた。
ね? 最初は善戦しなかったでしょ? えっ? まだ甘い? ……そっすか。