もしもグランドツアーの3人がキヴォトスに来たら 作:ガチタン雷電
第3章 “アビドス式・査定と無茶振り”
砂漠の熱風が吹きつける中、アビドス対策委員会の5人と先生が3台の前へ立った。
ホシノが手を上げて言う。
「じゃ、まずは車の“評価”からね~。
アビドスはお金ないから、ムダな車は基本却下でーす。」
ジェレミー、ハモンド、ジェームズは同時に顔をしかめた。
■1台目:ジェレミーの中古ランドローバー・ディスカバリー
まずはジェレミーのディスカバリーが査定される。
シロコが車体を慎重に見ながら言う。
「ん……乗り心地は良さそう」
だが、シロコを乗せたランドローバーが砂に沈みはじめるのを見てセリカが
「あっ数十メートルで砂に沈んだ。」
アヤネがデータ端末を見ながら続ける。
「この車、整備性が悪くて維持費が高いと聞きます。
アビドスでは……すみません、却下ですね。」
ジェレミーは抗議する。
「いや、これはイギリス製だぞ!伝統と歴史が――」
ホシノが笑顔で遮った。
「アビドスは“壊れないもの”を求めてるから~。
伝統より“実際に動くかどうか”が大事。」
ジェレミーは崩れ落ちた。
「……なんて国(学校)だ。」
■2台目:ハモンドの黄色いハマー H3
次はハモンドのハマー。
セリカが首をかしげながら車体を見上げた。
「……でかい。」
ノノミが記録を確認する。
「前オーナーが軍関係者の“友人”というだけで、軍用性能はゼロ……
あと、あきらかにサスペンションがおかしいですね。多分壊れてます。」
アヤネは淡々と言った。
「却下です。」
ハモンドは叫ぶ。
「いやいやいやいや!この黄色い色は救助隊向けなんだぞ!?」
ホシノがニッコリと返す。
「うん、救助される側にはすごく向いてるね~。」
「違う!!」
■3台目:ジェームズの Nissan Patrol(6代目)
そしてジェームズのパトロール。
一同が車体の前に来た瞬間――
アビドス全員の目が輝いた。
「でかい……!」
「強そう……!」
「砂に沈まない……!」
「エンジン音がかっこいい……!」
ホシノは腕を組みながら宣言した。
「採用!」
アヤネも頷く。
「はい。アビドスの観光事業に一番向いています。
砂漠で走れるし、壊れないし、先生も安心して乗れます。」
ジェレミーが呆然。
「……なんでジェームズの車だけ!?
ゴーン絡みで値下がった“事故物件”だぞ!」
ジェームズが即座に反論する。
「黙れジェレミー!」
ホシノが笑いながら言う。
「なんか知らないけど、ジェームズさんの車……すごい“逃げ性能”ありそうなんだよね~。」
ジェレミーとハモンドが小声で言う。
「……それはゴーンのせいだ。」
「……完全にゴーンのせいだ。」
ジェームズは顔を赤くした。
「やめろと言ってるだろ!!」
■そして、“地獄のお題”が発表される
査定が終わり、ノノミが真剣な表情に変わった。
「では……先生と相談して、3人に“あるお題”を出します。」
ジェレミーが身構える。
「なんだ?また車で砂漠を横断するとかか?」
ハモンドが不安げに言う。
「それとも……アビドス名物の何かの護衛任務とか……?」
ジェームズが最悪の予感をして黙り込む。
するとホシノが手を叩いて宣言した。
「アビドス観光ツアーを成功させるための、“砂漠ガイド車両”を作れ!」
ジェレミー「……は?」
ハモンド「作れってどういう意味だよ!?」
ノノミが淡々と続ける。
「あなたたちの車を、アビドス観光に向けて“カスタマイズ”してほしいんです。
防砂装備、観光設備、緊急救助機能など……。」
ノノミが一言付け加える。
「明日までにお願いします。」
ジェレミーが叫ぶ。
「明日!?無理だ!!」
ハモンドが泣きそうになる。
「僕のハマー、そもそも壊れてるんだぞ!!」
ジェームズだけが落ち着いて言う。
「……まあ、僕のパトロールなら大丈夫だけどね。」
ジェレミーとハモンドは彼に向かって同時に叫んだ。
「お前は黙れ!!」
先生は苦笑しながら、ポツリと言った。
「観光が成功したら……アビドスの借金、ちょっとだけ減ります。
観光復興予算が借金の10%程度でます」
その瞬間、アビドスの少女たちの目がギラリと光った。
そして3人は悟った。
――絶対に逃げられない。
砂漠の夜が迫る中、
英国人の3人の車は、アビドスの星空の下で奇妙なカスタムを待っていた。
2万ポンドは日本円にして450万円くらいです。