もしもグランドツアーの3人がキヴォトスに来たら 作:ガチタン雷電
第5章 アビドス式カスタム・地獄の3日間
■1日目 ―「問題判明の日」
アビドス整備ヤード。
太陽は遠慮なく照りつけ、砂は細かく、工具はすぐに熱くなる。
そんな過酷な環境で、まずチェックから始まった。
●ハモンドのハマー:
“壊れているところを探す作業が壊れる作業になる”
ノノミはフェンダーを叩きながら言った。
「ここ……錆びてますね。」
ハモンド「え、そこは昨日まで“無傷”だったんだが?」
ノノミ「外側だけ綺麗に塗られてただけですね。中は空洞です。」
ハモンド「中古車販売店ェェェェ!!」
さらにホシノが下回りを覗き込む。
「これ……サスペンション、片方だけ他の車のものが付いてるんだけど?」
ハモンド「なんだよそれ!!誰がそんなフランケンシュタイン(継ぎ接ぎ)みたいなことを!!」
ジェレミー「君が買った売り場の人間だろ。」
●ジェレミーのランドローバー:
“電気系統はイギリス車の伝統芸能”
シロコが配線を軽く触っただけで――
バチッ!!
ジェレミー「うおああああっ!!」
シロコ「ん、ごめん。ショートした。」
ジェレミー「ショート“した”んじゃなくて“してる”んだ!!今まさに!!」
ジェームズが横からほほ笑む。
「ランドローバーって、自然発火する種類があったんじゃなかったっけ?」
ジェレミー「それは一部の年式だ!!……たぶん!!」
●ジェームズの NISSAN Patrol(6代目):
“唯一“正常”な車”
アヤネは点検して首をかしげた。
「えっと……問題らしい問題が……ないです。」
セリカも頷いた。
「さすがパトロール。砂漠で強いの当たり前ね。」
ジェレミー「くそっ、日産のくせに!」
ジェームズ「“信頼性”という概念を知っている車に嫉妬しないでくれ。」
ハモンド「いや、君はさっきカルロス・ゴーンの話でみんなに散々いじられてたじゃん。」
ジェレミー「そうだぞ。“パトロール買ったらゴーンもついてきた”とか“脱出モード”搭載してるんだろって言ったら怒るし。」
ジェームズ「もうその話題やめてくれ!!」
アビドスの少女たちもニコニコしている。
セリカ「それで“逃走モード”はどこにあるの?」
ジェームズ「アビドスまで来てゴーンいじり続くのか!!」
■2日目 ―「アビドス流の“妙に正しい”カスタム」
シロコたちは驚くほど手際が良かった。
●ラジエーター保護メッシュ
●吸気口サンドスクリーン
●下回りの耐砂コーティング
すべて綺麗に、無駄なく進む。
ジェレミー「……シロコ、お前、プロの工場渡り歩いてきたタイプの子だろ?」
シロコ「ん…違う。」
ジェレミー「いや絶対それだけじゃない!!なんだこの完璧な仕事は…日本人か!!」
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■ハマー:修理しながら壊れ続ける現象
ノノミ「ハモンドさん、ショックアブソーバー、全滅です。」
ハモンド「“全滅”!?ひとつじゃないの!?」
ノノミ「はい。左右も前後も、全部死亡です。」
ジェレミー「ハモンド……君は“走る骨董品”を買ったのか?」
ハモンド「俺のハマーが!! 俺の二万ポンドがァァ!!」
■ランドローバー:電気の地獄
シロコ「ん…テールランプの電圧が……安定しない。」
ジェレミー「え、今の動きは何だ? 点滅じゃなくて“震えてる”んだけど?」
ジェームズ「それは英国製特有の“気まぐれ”だね。」
ジェレミー「気まぐれとか要らん!!」
■3日目 ―「カスタムの完成と地獄のテスト」
3日目の午後。
ついに3台とも“観光用として安全に走れる状態”になった。
見た目は――
ハマー:補修跡だらけだが妙に砂漠仕様っぽい
ランドローバー:配線を束ねた跡が露骨に見える
パトロール:普通にカッコいい
ジェレミー「おい、最後だけ異様にまともだぞ。」
ジェームズ「何度も言うけど、僕のは信頼性の塊なんだよ。」
ホシノ「じゃあ――テスト行こっか!」
■そして砂嵐の前兆
地平線に、もやのような砂の帯が伸びていた。
シロコ「ん……あれ、砂嵐?」
アヤネ「予報にはなかったはず……」
ホシノ「まあいっか。テスト走行で中止にする理由じゃないよね~?」
ジェレミー「あるわ!!」
ジェームズ「やめるべきだ!!」
ハモンド「俺のハマーは風で壊れる!!」
しかし、アビドス流グランドツアーは止まらない。
少女たちの目はきらきらしていた。
アヤネ「では、出発です!」
こうして、3台は砂嵐迫るアビドス砂漠へ走り出した。
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