最終回に向かう奈落家
(「【奈落家】美容院に行く神楽」から続いています)
■キャプション
かなり珍しい白童子と白夜回
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■まえがき
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
※ 奈落家のいつもの設定確認
・設定は戦国時代なのになぜか現代の要素が入る。
(今回は常夏のアイランドみたいな温水プールでの一幕です)
・奈落家の服装は、原作通り。
(白童子と白夜は水着ですが。
特に水着姿の色とか形とか指定して書いてはいないので
ご自由に想像していただければと思います!)
・奈落さんと分身たち皆生存していて
人見蔭刀に仕えて
皆一緒に人見城に住んでいる設定です。
・季節は特に記載が無ければ、
投稿された日と同じです。
(冬の温水プールでのお話です。
冬ゆえに人がいないことを
狙って行っているのもあります)
ストーリーのジャンル:少しシリアス・最後は文学的(?)
では、このまま下へスクロールして本編どうぞ。
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木枯らしの舞う平日。
公務の仕事を早めに切り上げて作った
奈落お手製の唐揚げの夕食を
人見家の皆が完食して大満足した後。
今日は平和に終わるかと思いきや、そうでもないようだ。
白童子は、神楽が何やら怪しい動きをしているのを見かけ、
密かに注視していると人見城庭園の奥で
神楽と黒装束の何者かが話しているのを目撃した。
人見家の家臣ではなかった。
思うところのある白童子は、弟に見えない弟
と言うより白童子が兄に見えないだけだが、
夢幻の白夜を誘って城を抜け出した。
寒々とした暗い青を感じる空を
白夜の白い折り鶴に乗っかって
向かったのは、城からかなり離れた
人見城下の町の公費で運営している温水プール。
本来入場料の価格は張るが、
人見蔭刀の重臣を証明する書状を使い
タダで入る。(白童子も使うようになったw)
しかし他の領民にとって高めの値段設定だからこそ
人がおらず話しやすいと踏んでのことだった。
プールサイドの灰色の混じった落ち着いた水色の
ざらざらしたコンクリートは
屋外プールのような壮大さを醸し出していた。
大きなガラスの窓の外は
ファミコンのスーパーマリオの夜ステージのような、
すべてを吸い込まんとする闇が広がっている。
しかし室内はたくさんの青をたたえるプールを
明るく照らすライトの光で、夜の街のパリピ感があった。
様々なプールがあり、一様な造りでないところもオシャレで、
常夏のアイランドのようであった。
白童子と白夜は更衣室で水着に着替え、
プールサイドに出る。
白童子は一見すると女の子のような可愛さがあった。
白夜の色白の体は筋肉質で引き締まっている。
まずは採暖プールへ。
採暖プールと言ってもほぼお湯で
水着を着ているかいないかの違いくらいで
ほぼ温泉である。あたたかい。
「神楽が密かに動いているようだぞ?」
白童子が白夜に切り出す。
冬の平日夜の室内プールはほぼ客がおらず、
いても距離があるため
他人に話を聞かれることはまず無いだろう。
それに聞こうとしてもプールに注がれる水の音で
相当近くに寄らなければ話を聞くことは不可能だ。
しかしこれだけ広い客のいないプールで近寄って来るのは
かなり不自然だ。よって無理である。
それを踏まえての人見城を出てのここでの会話だった。
「そりゃそうだろ。何しろ自由という
自身の人生や幸福がかかっているからな」
「"わしら"は神楽を囮に奈落に取って代わる。
お前はどうする?」
白童子はどちらに付くのかと言いたいのだろう。
「つーか、そんなの奈落はとっくの昔にお見通しだと思うけどなぁ」
白夜は本題をはぐらかした。
彼は神楽の言う自由にもあこがれはあったが、
彼女のように密かに行動を起こす気も
白童子のようにいつか奈落に面と向かって
反逆してやろうという気は無く、
飄々としながらも皆で仲良くやって生きたいと思っていた。
それは人見家の者たちには一見、無関心と捉えられていた。
しかし白夜は自由と言う光にあこがれるだけの人生も
悪くないと思っていた。
「はっきりせん奴だな」
白夜がはぐらかしていることくらいは白童子にとっては
お見通しである。さらににらみをきかせ詰め寄る白童子。
「俺は幻の分身だからなw」
白夜が自身の本質を述べながらさらに軽くかわす。
だが続けて釘を刺す。
「姉さんを囮にするのは結構だけど、
あまりひどいことはするなよ。
それに姉さんも含め皆が本当に自由になれるなら
俺も協力してやってもいい」
「そうか。わかった」
白童子は"本物"に成りたかった。
神楽にはそれほど重きを置いてはいないが、
奈落を倒し、自身こそが本物であることを証明するためには
白夜の協力は不可欠だ。そのために神楽に気遣うくらい
どうと言うこともない。
白夜は白童子がこちらの条件を吞んだことにホッとしていた。
奈落を倒して自由を得るのはともかく、姉弟同士傷つけ合いたくない。
お互い話の決着がついた二人は、
最後に流れるプールで泳いでから帰ることにした。
採暖プールで温まった後の流れるプールはとても冷たくて
でも嫌な冷たさは感じなくてとても心地よかった。
清く青いプールの水にシックな夜の闇が映り込み
そこに白いライトが反射してちらちら光っている。
その光景はとても美しく、
白夜と白童子には自身の希望のように思えた。
おわり
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
ほんとに終わりです。