目が覚めたら血鬼でした   作:角砂糖(おそらく塩)

5 / 12
これまでに投稿した話の中に幾つか違和感がある部分があったため、その箇所を修正しました。
ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

そして今回は主人公の長~い独り言回なので、面白味に欠けるとは思いますが、お許しを……





実は全く解決してない現状について

 

 都市のみなさん、ぐっもーにん!気持ちの良い目覚めを迎えた私だよ!

 

 先日はほぼ初対面の人を相手にみっともなく泣きわめきながら温かいご飯を頂くという、情けなさMAXな醜態を晒してしまったわけですが……

 いやー、いつぶりだろうね?あんなに思い切り泣いたのって。社会人になってからは一度もなかったと思うし、その前にも殆ど泣いた記憶がないからかなり久々だったんじゃないかな。

 

 あの後、羞恥心が天元突破してその場でうずくまり、それを微笑むおばあさんが見つめるというカオスな状況になったりもしたわけだけど、でもまあ大泣きしたからか気分はスッキリしたし、その晩も心穏やかに過ごせたし、結果的にはOK……なのかな?

 

 でも、そんなことより……

 

 

「これが、私のお金………!」

 

 

 昨日の頑張りの成果、待望のMyマネーが入った封筒を開く時がきましたっ!

 手で持てば確かに伝わる重み、摘まんだら感じる確かな厚さ。泣き止んだ私におばあさんから手渡されたこの封筒には、私の血と汗と涙と嗚咽などなどが詰まっているのだ!

 

 たかが1日、されど道程は過酷極まりないものでした。朝起きたらチビが悪化してて、牙生えてて、扉開けたらドンファンがいて、自分が血鬼だって判明して、お金無いから服を売りに行って、そこのおばあさんのお世話にもなって……

 本当に、本当に色々あった。信じられないくらいのイベントの密度だけども、その全てを乗り越えて、そして今!私はこの都市での最初の1歩を踏み出すまでに至った!

 それではいざ、御開帳ッ

 

「おおー!結構入ってるじゃん!」

 

 封筒の中を覗くと、1000眼札が14枚と硬貨が大小合わせて7枚、紙幣だけでも1万4000眼は確実という、かなり大きな成果だった!

 とはいえ都市の物価が不明だから、私が思っているよりも少ない金額っていう可能性はある。眼と円の価値がどれくらい違うのかもわからないし、慎重に使っていかないとね。

 

 

 

 

 

 今後の足掛かりとなる資金は手に入ったわけだけど、これだけのお金で今後を乗りきるのは不可能。なので、このお金が尽きるまでに自力で十分に稼げるようにならないといけない。

 本当は諸々の問題について考えを巡らせたかったけども、それをするのは最低限の生活を維持できるようになってから、それまでは過酷な世の中を生き延びる方法について考えることとする。

 で、その方法というのは、前世で散々苦しめられたアレしかないわけで。

 

 「はぁ、就活……… やるしかないか」

 

 職を得られれば衣食住は全て解決……とは言いきれないけど、格段に楽になるのは間違いない。自力で生きていけるようにする為にも、早い段階で職は手にしておきたいんだけど、でもそうするにはこの体が大きなネックになってしまう。

 外見だけを見るなら、私は親の庇護が必須な幼女なのだ。血鬼どうこう以前に、その時点で仕事を貰える可能性は限りなく低くなる。

 最初のうちはアルバイトでどうにかするつもりではあるけど、それだけで生きていけるほど世の中は甘くない。

 

 じゃあどうするのかって話になるんだけど、案は既に考えてある。私のように特殊な境遇であっても可能で、都市といえばって言えるくらい代表的な仕事―――『フィクサー』

 人殺しから猫探しまで、文字通りの何でも屋な職業なんだけど、それをやってる人も多種多様。例えば楔事務所のパメラみたいなガチ合法ロリな人でも、求められる仕事さえこなせるなら参入できる業界だから、私にとって一番可能性のあるところなんだよね。

 ほら、今の私も合法ロリだし…… 元社会人だから戦闘以外なら大抵はこなせるし…… 雑用専門ロリ系フィクサーとして売って行こうかなーって。

 

 ただ、この手段にも当然問題はある。それは私が血鬼であるということ。

 

 ご存知の通り、血鬼というのは都市において幻想体やねじれと同様に警戒すべき存在。会ったことは無くとも都市の住民の殆どに周知されていて、その認識は『血を吸おうとしてくるヤベーやつ』って感じ。

 実際の血鬼は滅多なことがない限り手荒な真似はしないらしいんだけど、自分達の存在を維持するためには血液が必須なので、どうやっても人間との衝突は起こってしまう。

 血鬼専門のフィクサーが存在するくらいには脅威と見なされているので、何も考えずに「こんにちはー!」すれば「サヨナラー!」って首チョンパされるのは目に見えている。

 

 だから、フィクサーとしてやっていくには私が安全な血鬼であると証明する必要がある。その為には私の安全性をわかりやすい形で示さないといけないんだけど………

 

「うーん、私の安全性かぁ。こういうのじゃダメなのかな」

 

 ベッドから飛び降りて自室のカーテンをガシッと掴み、()()()()()()()()()()()()()

 私の全身が日光に包まれ、ほのかな暖かさと眩しさを感じる―――

 

 でも、それだけだ。

 

 昨日出歩いた時に判明した新事実だけど、どうやら私は水だけじゃなく日光も平気らしい。焼けるような痛みも、恐怖感も無く、私は本当に血鬼なのかと疑心を抱くほどに何も感じなかった。

 間違いなく普通の血鬼には無い特徴といえる。でも、だから何って話。一部の血鬼はこれらを克服しているケースがあるらしいし、そもそも「水も日光も平気です!」って言われても何が安全なのかを証明できない、だからこれは不採用。

 

 ならば、もう一つの私の特異性……… 血に対する渇望を一切感じないというものはどうだろうか。

 私は昨日かなりの空腹状態になっていたのに、血を飲みたいという考えが微塵も出てこなかった。普通の血鬼なら飢えを満たそうとして血が飲みたくなるはずなんだけど、何故か私はそうなっていない。

 血鬼になってから日が浅いから確証は持てないけど、今後も血を飲まないまま普通に暮らす事が出来たなら、私の安全性を示す十分な証拠になるんじゃないかな。

 

 さて、私の危険性払拭方法はこれで良いとして、実は問題はもう一つあったりする。それは、私の戦闘力がどの程度あるのかというもの。

 戦う必要の無い依頼で稼ぐ予定ではあるんだけど、ここは治安が最低最悪な都市。いくら巣の中とはいえ過信はできないし、誰かに命を狙われて外出た瞬間お亡くなり♪が普通にあり得るから、自分の命は最低限守れるだけの戦う力も必要。

 

 幸いなことに…… いや、全く幸いではないんだけど、私は血鬼だから戦う能力はあるはずなんだよね。血で武器を作ったり、血液そのもので攻撃したりとか。

 どうやってやるのかは全くわからないけど、何かの拍子に怪我して出血したら、その血で色々試してみるつもりだよ。

 え?適当に刃物で血を流せば今すぐできるだろって?嫌だよやるわけないじゃん、身体は血鬼でも心は一般ピーポーなんだぞ私は。そんな度胸微塵も無いわ!!

 

 

 

 

 

 ………よし、一旦話を整理しようか。

 今後の為にも就職先を探すのが急務で、最有力候補はフィクサー稼業。私の安全性は血を必要としないって事で示せそうで、それは今後の自己観察で信憑性を確かなものとする必要がある。

 今のところの最終目標はフィクサーになることで決定として、それまではバイト先を探さしつつ血鬼としての能力を確認して、頑張って生活費と貯金分を稼ぐ!

 

 完璧だな、ヨシッ!

 

「さーて、そろそろ外に出てバイト先を探しに行かないと。あとお買い物もしなきゃいけないし!」

 

 目標と定めたフィクサーはゲームでは戦ってばかりいたから雑用の仕事なんてほぼ無い可能性があるし、バイト先も見つかるかどうかはわからない。

 それでも動かなきゃ何も変わらないので、まずは動いて、それから色々と考えることにしよう。

 

 

 バイト先、直ぐ見つかりますように……!

 

 




ここまで書いて気づいた。これ以前の4話の間、都市要素全く関係ないもので苦しみまくってる……
流石にまずいと思ったので、今後は都市要素をあれこれ詰め込めるよう頑張ります。

その度に苦難が増えるかもだけど、頑張れロリ血鬼ちゃん!


※追記
本作の方向性と主人公の設定が固まってきたため、あらすじの内容を一部変更しました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。