男は、たまたま迷い込んだ山奥で寂れた神社を見つける
そこで出会ったのは、立派な狐耳と尻尾を生やした自称神様だった
「祟られたくなければまた来るがよい 今度は酒を持ってな」
身勝手な神様に振り回される男の運命は!?
気怠げな男が、山の中の階段を登っている
階段にこびり付いた苔が時折、男の足を滑らせる
「暑ぃ……」
男のぼやきは、四方から響く蝉の声に掻き消される
ほどなくして、びっしりと蔦が巻き付いた鳥居が姿を見せる
「……前掃除したよな?やっぱり時間の流れおかしいって……」
また愚痴を溢しながら鳥居をくぐり、男は声を張り上げる
「来たぞ神様!」
「ふがっ」
山林の中に紛れるような小さな神社、その賽銭箱の上で、ぐうすかと鼻提灯を膨らませていた人影が、ゆっくりと身体を起こした
「んん?ああ……また来たのか小僧」
「またとはなんだ……定期的に来ないと祟ると脅してきたのはあんただろ」
「はて…儂がそんなことを言ったか?年を取ると記憶が曖昧でなぁ……」
頭部から生える
眠そうな顔をしていたが、ばっと目を開くと、男の元に走ってきた
「はっ!そうじゃ小僧!次来るときは酒を持ってこいと言っていたな?」
「ばっちり覚えてんじゃねえか!!厚かましい!!」
怒りに任せて、男は持っていたビニール袋を投げつける
「あっちょ貴様!神への捧げものをそんな風に扱うとは!罰が当たるぞ!」
「うるせえ飲んだくれ何が捧げものだ!あんた神様らしい事したことないだろ」
神様は
「ほー言うでないか?儂が本気を出せば天変……ん?なあ小僧」
「なんだよ」
「つまみが入っておらんぞ?」
「帰る」
「あーーっごめん調子に乗りました!帰らんといて寂しいんです!」
「だーうるせえ!足にしがみ付くな!離せ!」
「コホン、さて小僧 貴様がこの神社に足繁く通って今回で記念すべき10回目だ」
「はぁ…なんだって俺はこんな無駄な時間を……」
「おい聞こえとるぞ 神社に通うというのはな、それだけで信仰になるというもの
信仰が溜まれば、それだけ儂の力も増す その権能を用いて、貴様に奇跡を授けてやろうという事だ」
「ポイントカードみてえなもんか」
「天罰!」
「だぁ危ねぇ!何すんだいきなり!」
「誰がお得な地元のスーパーか!矮小な例えにしおって!!」
「だからっていきなり目潰しとか神様のやることか!?」
「ふんっ!失明したら儂が奇跡の力で治したるわい!」
「マッチポンプじゃねえか!」
「でだ」
「何回仕切り直すんだよ」
「誰のせいじゃ!…貴様のお陰でまあ、ちょっとした奇跡を起こすくらいの信仰は…得られとる訳だ」
「それを俺に使ってくれるって?」
「ふふん、感謝せよ信仰せよ 奇跡の力を目の当たりにした貴様はもっと儂を信仰するようになり……そして更なる権能を得られる ガッポガッポよ」
「あんまそういう事言わんほうがいいんじゃ……ちなみにどんなことが出来るんだ?」
「そうじゃな、赤信号に引っかからなくなったり、適当に皿に出した柿の種の柿ピー配分が完璧だったり、気になってる子と移動教室が同じタイミングになったり、ゲムウォのジャッジで9が出やすくなったり…新幹線周遊カードを引きやすくなったり……怪我率10%までなら怪我しなくなっ」
「地っっっっっっっっっっ味!!!!後半に至ってはただのゲームじゃねえか!」
「なにおう!!元はと言えば貴様の儂への信仰が足らんのが問題なんじゃろうが!」
「信者0だったくせに偉そうに!その調子じゃどうせ祟りってやつも大したことねえな!?」
「言ったな!?明日から誰かが屁をこく度に貴様を風下にしてやるぞ!?」
「だから地味なんだって奇跡も祟りも!!」
取っ組み合いの喧嘩が一段落すると、男は少し背筋を伸ばし、神様に向き合った
「まったく……。……じゃあ、一つだけ 一つだけ答えてくれ」
「む……いつになくシリアスな空気 なんじゃ?」
男はまっすぐ神様の目を見つめ、言葉を紡ぐ
神様もつられて姿勢を正し、男に向かい合う
「初めて会った時から……ずっと気になっていたことがある」
「…………」ゴクリ
「こういう神様ってさ、普通女性じゃない?」
「え?」
虚を突かれたように、長く伸びた
「え?じゃなくて!!!!寂れた山奥の神社に住む狐耳尻尾付きの神様って!!相場はお姉さんか幼女の2択じゃないのか!?!?」
「な、な、何を言っとるんじゃ貴様は!男神だって山ほどおるじゃろうが!!!」
「おるじゃろうがよ!!!テンプレってもんがあんだろうが!!!なんでここまで要素揃っててジジイなんだよ!!!」
「ジジイ!?言うに事欠いてジジイと言ったか!?」
「その口調もだよ!!長く生きた神様が若い見た目に反して老人口調で喋るからギャップが生まれるんだよ!ジジイがジジイ言葉使ったところで無いんだよ意外性!!」
「さっきから訳わからん事を!もう頭きた!今後貴様が食う卵料理は全て殻入りじゃ!!」
「だから祟りが地味なんだよクソジジイ!!!」
一発ネタなので続きません
誰かポンコツ狐耳ジジイ神様とツッコミ系一般学生の話広げられるなら書いて 読みたい