「よっ!ほっ!よーし四面の道中の弾幕もだいぶ避けれるようになってきたぞー!」
「おーお兄ーさん上手なのだー」
「フッフッフ・・・僕もだいぶ上達してきたろー・・・あっやっべあたっちゃった・・・」
「あーお兄ーさんおしかったのだー」
「次はルーミアの番なー」
「まかせろなのだー」
ハロウィンが終わり徐々に北の方では紅葉の葉が落ち始めている頃僕たちは家でこの間ルーミアが物置から見つけ出した東方Projectのゲームの一つである東方風神録を二人でプレイしていた。
東方風神録は原作の世界では秋頃に起きた出来事であり今の季節にもあっていると思い先ほど僕が物置から出して持ってきたのだ。しかしいざプレイして見るとノーマルでもなかなかに弾幕の密度が高く僕は苦戦してしまっていた。
しかしいざルーミアがやり始めると・・・
「ふんふふ〜ん♩なのだ〜」
「えぇ・・・嘘だろー何でこの弾幕避けれるんだ・・・」
「経験の差なのだー」
ルーミアは東方原作の最難関であるルナティックを選んだにも関わらず巧みなキーボード操作で難なく道中の敵やそれぞれの面のボスを倒していった。僕は心の中でさすがは本場の弾幕ごっこを経験している妖怪だと思うようにしたそうじゃないと僕のこの豆腐メンタルがもたなくなってしまいそうだ。そんなことを考えていたらルーミアは五面のボスである東風谷早苗を倒し一息ついたようであった。
「ふぅ・・・疲れたのだー」
「お疲れ様まさか被弾せずにこんな早く五面まで行けるなんてね」
「でもここまでで二回もスペルカードを使っちゃったのだー」
「逆にボムを二枚だけに抑えたのも十分凄いことだよ・・・」
「えへへ〜ありがとうなのだ〜」
ルーミアはどこか照れ臭そうな笑顔でこちらに顔を向けていた。僕はこの二ヶ月でルーミアの笑顔をまじかで何度も見たことにより笑顔にやられてしまうこともなくなってきていたいやはや慣れというのは怖いものである。そう考えながら僕はゲームの画面に写っている紅葉の画面を見てあることを思い出していた。
「そういえば今年の秋はぶどう狩りとハロウィンだけであまり秋らしいものを見れていなかったな」
「この前見せてもらった観光サイトも駐車場の満車や観光客の多さで行くのを断念してしまったのだー」
「そうだなーもう少し秋を満喫したいんだけど・・・」
そう考えた僕の頭の中にいい案が飛び込んできた。
「そうだ!ならいっそのこと長旅をする考えでいくのなんてどうだろう?」
「長旅を考えてなのかー?」
「そうそうキャンピングカーもあることなんだし寝泊まりは困らないと思うからどうだろう?」
「楽しそうなのだー!キャンピングカーでの長旅してみたいのだー!」
「よーしそうと決まれば早速ルートを調べてどういう観光場所あるのか調べてみようか!」
「わかったのだー!」
僕は早速パソコンを立ち上げてまずは関東エリアにある秋の観光名所を調べ始めたするとサイトにはさまざまな場所の秋のスポット観光名所の情報が出てきており混雑状況などが細かく書かれていた。
「ふむふむ戦場ヶ原に赤城山かどれも良さそうな場所だなぁ」
「この日光東照宮っていう場所も気になるのだー」
「おー日光か!なら華厳の滝や戦場ヶ原も近くにあるし一日目は栃木方面に向かって戦場ヶ原を見終わった後は国道百二十号を通って群馬県に入って近くのRVパークに泊まるとするか!」
「RVパークなのかー?」
「RVパークはねキャンピングカーなんかの人が泊まれる車中泊場なんだよ」
「車で泊まれるのかー面白いのだー」
RVパークとは日本RV協会が提供する車中泊場のことでありここでは料金を支払うことにより安心して寝泊まりができるという車中泊施設である。今回の旅ではこの施設を利用して数日かけて複数の県を回っていくという考えである。そうしてある程度ルートを決め終えると約一週間にも及ぶ長旅になることになった。
「流石に一週間も旅をすることになるから食料や衣服なんかをしっかりキャンピングカーに詰め込んでいかないとね」
「わかったのだー!早速服を選んでくるのだー!」
そう言ってルーミアは自分の部屋へと走っていった。そうして僕もキャンピングカーに諸々の荷物を入れるためにまずはパン菓子などのあまり日持ちしないものをキャンピングカーの棚に仕舞い込んで行った。流石に一週間も家を留守にしてしまうため賞味期限が切れてしまいそうなやつは片っ端からキャンピングカーの冷蔵庫の中に入れていった。そうこうしているうちにルーミアが一週間分の着替えを用意して玄関前に来ていたのでそれぞれ衣服を日毎に分けて収納スペースに入れていきキャンピングカーに全ての荷物を運び終える頃には日もすっかり下がってしまっていた。
「なんとか荷物を積み終えれた〜」
「でもお兄ーさんと旅行の準備するのも楽しかったのだー」
「わかる!旅行の準備をする時が一番楽しい気持ちになるよねー」
「むぅー・・・準備よりも旅先の方が絶対楽しいのだー!」
「そうだね、準備よりも楽しい思い出を旅先で作っていこう!」
「その通りなのだー!」
「よーしそうとなれば明日は八時ぐらいには出発したいから今夜はもう寝るとしようか」
「わかったのだー」
旅行の準備を終えて後は明日に備えて寝るだけとなった僕らはそのまま早めの就寝に入ることにした。
そして次の日の朝になりスマホの目覚まし時計の音と共に起きた僕はそのまま朝食の用意をしできあがる頃にはルーミアも起きて部屋から出てきており朝食を食べ終えた時には七時となっておりちょうどいい時間になっていた。
「さて時間もちょうどいいし後は忘れ物を確認し終えたら出発だ!」
「はーいなのだ!」
忘れ物がないかを確認した後家のガスなどがちゃんと確認し終えた僕は先にキャンピングカーで待っているルーミアの元へ向かい玄関の扉を閉めて運転席に乗り込んだ。
「よーしそれじゃあこれから一週間の旅行の始まりだー!」
「わーいなのだー」
僕がそういうと同時にキャンピングカーのエンジンをかけてアクセルを強く踏み込んだ。その後家から出発した僕たちはいつも通り高速のインターチェンジから高速道路に侵入し多くの車が行き交う大動脈に入っていったそして今回の最初の目的地でもある栃木県は今まで行っていた西側ではなく北側にあるため東京で宇都宮方面に伸びている東北自動車道に乗り換えるため東北道方面のインターチェンジに走っていった。道中にある宇都宮インターからさらに移ることになるが当分はこの東北道にお世話になることだろう。
そして東北道に無事乗り換えることができた僕らはそのままのペースで車を走らせてゆき再び大都会の風景からのどかな風景へと変わっていったするとそこでルーミアはあるものを見てつぶやいた。
「もしかしてあの一面金色に輝いてる草原って田んぼなのかー?」
「うん?あーそうだねもう十一月だし稲もほとんど成長しきっているだろうからね」
「綺麗なのだー幻想郷でもここまで広い田んぼは見たことがないのだー」
「そうなんだ・・・確かに幻想郷に住んでいる人の数からしたらそこまで巨大な田んぼを作る必要がないというのもあるだろうからね」
「そうなのだーだからこんな綺麗な景色見たことないのだー」
ルーミアはそう言って再び窓の外に広がる一面の黄金の草原を眺めていた。その目にはどこか懐かしい風景と重ねている部分もあったがルーミアは楽しそうに外を見ていた。その後数時間車を走らせ日光インターチェンジが出てきたのでそこから高速道路を降りてそのまま日光東照宮のある方へと車を走らせてゆき近くの駐車場にキャンピングカーを停めることができた。
「ふぅ・・・到着〜」
「着いたのだー!」
「隣の車に気おつけて降りるんだぞー」
「わかっているのだー!」
キャンピングカーから降りるとそこは自然豊かな森の中でありあたり一面色とりどりの紅葉した木々で埋め尽くされていた。僕たちは駐車場を後にした。駐車場を出た先には東照宮正門という看板と共に日光東照宮まで続く階段が設けられておりそのまま階段を登っていくことができたのだ。階段を登っていった先に現れたのは多くの観光客が行き交う表参道だった。
「わーいっぱい人がいるのだー」
「ルーミア逸れないように注意してね」
「わかったのだー」
僕とルーミアは逸れないようにお互い手を繋ぎあって進んで行った。歩いていったその先には巨大な鳥居がありそこを潜った先には右に大きな五重塔が姿を現した。
「おっきな建物なのだー」
「ここにある五重塔は約二百七年昔に建てられた建物らしいね。そして五重塔は日本各地にあるんだけどそんな五重塔の建築技術を参考にしているの現代の建物があってねそれが僕たちが高速道路で移動している時に見える東京で一際目立つあの高い塔東京スカイツリーなんだよ」
「へぇーなんで今の人は昔の技術を参考にしたのだー?」
「それはね日本はルーミアも知ってるかもだけど地震の多い国でねそんな中で今の人はどうやって高い塔を作るか悩んでいた時に参考にしたのが耐震性の優れた五重塔だったんだよ」
「そうなのかー昔の人も今の人もみんなすごいのだー」
その後僕たちは東照宮を見るために入場料を支払いそのまま中に入っていった。そして入った先には建物に色とりどりの色が使われていたり像などの動物が掘られた建物が姿を現した。そんな建物を見ながら進んでいくとそこには東照宮でも有名な三猿が現れた。
「おーお猿さんなのだー」
「あれは三猿だね右から順に“見ざる”、“言わざる”、“聞かざる”って言われているんだよ」
「そうなのかーお猿さんたちにも意味が込められているのかー」
三猿を通り過ぎていった先にはこの日光の顔とも言える世界遺産にも登録された日光東照宮がついに現れた。東照宮には金や白といった普通の神社などにはあまり見られないカラフルな色が付けられておりそれによりその存在感が増していた。
東照宮を見ていた僕はそこでふと気担うことが思い浮かびそれをルーミアに質問してみることにした。
「そういえばルーミア?」
「どうしたのだー?お兄ーさん?」
「少し気になったんだけどルーミアって長く生きてるんだよね?」
「そうなのだー今でこそちょおと幼い感じだけどこう見えて千年以上は生きているのだー」
「じゃあそんなルーミアはさ当時の東照宮とかって見たことはあるの?」
「うーんごめんなのだーその頃には私はもう幻想郷で暮らしていたからその当時の東照宮は見たことないのだー」
「そっかーなら仕方ないねごめんね急に聞いちゃって」
「気にしないで欲しいのだーむしろどんどん聞いてもらっちゃっていいのだーできるだけ答えてあげるのだー」
「じゃあ気になったことがあった時はどんどん聞いちゃうね」
「任せてほしいのだー!」
僕たちは雑談をしながらその後も東照宮を散策していき全部周り終わり東照宮から出てきた頃にはお昼ちょっと過ぎぐらいになっておりお腹が空いてきていた。そこで僕たちはいったんキャンピングカーに戻って昨日入れておいた菓子パンを出して小腹を満たした後に駐車台を払って近くの飲食店で昼食を済まして華厳の滝に向かった。
華厳の滝に向かう途中で僕たちは栃木県の観光名所の一つでもあるいろは坂を登っていった。いろは坂は秋のシーズンになると紅葉した木々が所狭しと立ち並び素晴らしい絶景になる栃木県でも有数の観光名所である。
「わー山全体が紅葉しているのだー秋姉妹がこの光景を見たら興奮待ったなしなのだー」
「その二人の中でも妹の秋静葉の方がこの光景見たら後先考えずに飛んでいっちゃうんじゃないかなぁ」
「そう思うのだー」
ルーミアとの雑談を楽しんでいたらいろは坂も通り過ぎてしまいもう華厳の滝のところまで到着していた。キャンピングカーから降りると遠くから水を叩きつけるような強い音が響き渡ってきているのが聞こえてきた。そして歩いていき無料の展望台に辿り着くとそこには色とりどりの紅葉の木の間から勢いよく下に落ちていく巨大な滝が姿を現した。
「すっごい大きい音なのだー!」
「華厳の滝は高さ九十七メートルもの高さがあって日本三大名瀑と言われているんだよ!」
「滝と紅葉が合わさってとっても綺麗なのだー!」
大きな声でルーミアはそういうと柵越しにルーミアは華厳の滝に釘付けになっていた。そこで僕は一つルーミアに提案してみることにした。
「ルーミア!どうせなら下からの滝の大迫力な光景見たくないか?」
「え!?見れるのかー!」
「有料だけどエレベーターがあってそこから下に降りれるんだよ!」
「見てみたいのだー!」
「よーし!それじゃあ下からの景色を見にいってみよう!」
「わーいなのだー!」
そうして受付で料金を支払いエレベーターを降りて下の展望台に向かっていった。展望台に着くとそこには先ほどの上からの景色とは比べ物にならないほどの大迫力な滝目の前に広がっておりその轟音も先ほどの日ではなかった。
「すごい音なのだー!」
「あぁ・・・流石にこうも迫力が凄すぎるとなんだか逆に怖くなっちゃうな」
「幻想郷にある妖怪の山の滝とどっちがすごいのか気になるのだー!」
「妖怪の山の滝というと九天の滝のことかな?」
「そうなのだー河童や天狗たちも一押しする妖怪の山の自慢の滝って言われているのだー」
「へぇそれは確かにどっちがすごいか気になるな」
こうして華厳の滝の観光を終えた僕たちはキャンピングカーに戻り車を発進させた。時間もそろそろ四時になりちょっと急ぎ目にこの先にある今夜の車中泊施設であるRVパークに行かなければならなかった。
「ちょっと時間もないし戦場ヶ原は走りながら眺めるとするか」
「戦場ヶ原ってどういう場所なのだー?」
「うーんとね簡単に説明すると大昔の火山の噴火でできた巨大な湿原地帯かなこの先の湖を超えた先にあるから走りながら観れると思うよ」
「わかったのだー見てみるのだー」
そうして車を走らせて数分後湖を回って山の中に入るといきなり視界が開けてあたり一面木がなくなった巨大な湿原が現れた。
「ここだけ木がほとんどない平原なのだー」
「戦場ヶ原の名前の由来は男体山と赤城山の神同士の戦いの神話が名前由来とされているらしいね」
「名前の由来がかっこいいのだー」
そんな戦場ヶ原を過ぎて走ること十何分ほどなんとかチェックインの時間に間に合う形でRVパークに入ることができた。あたりには僕たちと同じ多くのキャンピングカーや車が車中泊をしていた。
「わーお兄ーさんと同じキャンピングカーがいっぱいあるのだー」
「この施設にはシャワーやレストランなんかもあるらしいけどルーミアはどうする?一応キャンピングカー内でもシャワーは浴びれるけど」
「うーん・・・ご飯はキャンピングカーで食べてシャワーは施設のを使ってみたいのだー」
「了解じゃあまずはシャワーだけして帰ってきてから夕食にしようか」
「わかったのだー」
無事チェックインを済ませた僕たちは施設のシャワーを借りて今日の一日の汚れを落として着替えてからキャンピングカーに戻り昨日冷蔵庫に詰め込んでおいた食材を使って夕食に回鍋肉を作った。夕食も食べ終えた頃にはあたりはもう真っ暗になっており他の車中泊の人たちも徐々に就寝し始めていた。
「そろそろ寝るけどルーミアはどこで寝たいとかある?」
「それじゃあ私が怪我をして気絶してた時にお兄ーさんが寝かしてくれたベットがいいのだー」
「あぁ後ろの二段ベットの下ね・・・わかったじゃあ僕はバンクで寝るか」
「お兄ーさんおやすみなのだー」
「うんルーミアも明日のために早く寝ちゃいなよー」
「はーいなのだ」
そうして僕たちは電気を消してそれぞれのベットに入りまた明日のために体力を回復するために静かな夜を過ごした。