幻想少女との現代生活   作:アルマジロ君

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常闇妖怪の記憶

「おいしょっと、ふぅ・・・とりあえず手当てして寝かしたはいいけどこの先どうしようか・・・って!?カメラあそこに置きっぱなしにしちゃった!?」

 

 あの後木に寄りかかって気絶していた仮称ルーミアを背負ってとりあえず戻ろうとした瞬間背中に大きな怪我があることに気づいた僕は急いでキャンピングカーまで戻り棚に入っていた救急箱から包帯を取り出し女の子の服を脱がすのは少し戸惑ってしまったがそんな事を考える余裕がなかった僕は服を脱がして包帯を背中に巻いた、途中背中にアルコール消毒をしたが痺れてしまったのか少女は苦しい表情を出していた。

 なんとか包帯を巻き終わりベットに寝かせてようやく一息つけると思った時に、少女を背負って急いでキャンピングカーまで戻ってきてしまいカメラ一式を置きっぱなしにしていた事を急に思い出してキャンピングカーから懐中電灯を持って飛び出して急いでカメラを置いた場所まで走っていった。

 

「えーと?確かここら辺に置いていって・・・カメラ・・・カメラ・・・あ!あった!良かったー!」

 

 なんとかカメラやその他一式を見つけることができ安堵した僕は何処にも傷がついてないかを確認した後はカメラバックを背負って三脚を持ち行きとは違いゆったりと落ち着いたペースで帰って行きその道中でやっとあの森で助けた少女の事を考え始めた。

 

「ん〜やっぱりあの子ルーミアだよな?あの弾幕ゲームに出てくる・・・?」

 

 ルーミアというキャラクターは弾幕シューティングゲームとして発売された東方projectの東方紅魔郷に登場するキャラであり常闇の人喰い妖怪としても有名だ、ネットでも数ある東方キャラの中でも上位の人気を維持している大人気なキャラクターでもある。しかし東方Projectとは二次元のいわゆる創作ゲームであり数々の二次創作やコスプレイヤーが出てこようとそれは本当の彼女達ではないとみんな弁えている。

 

 じゃあこの子はどうであろうか?真夜中の人っこ一人いない森の中をましてや見た感じの年齢が10代前半の子が道すらない森の中で倒れていることこそ問題だがさらにはその子は傷だらけでありその血を辿った先には首のない穴だらけの巨大な熊の死体がある、そしてあの時山の中腹から見た赤い光、これらのことを考えてもあの子が普通の存在でないことは明らかだった。ここまできたら逆にこれでルーミアではありませんって言ったらなんなんだよとツッコミが出てしまうぐらいだった。

 

 では仮に本当にあの子が東方のキャラクターであるルーミアだったらどうだろうかよくある二次元小説や動画だとルーミアはよく人喰い妖怪というので有名でありその代名詞とも言える「お前は食べてもいい人間かー?」などが有名である。もしその設定の通りにルーミアが人喰い妖怪だったとしたらそれを助けた僕はこの後どうなってしまうのだろうか?目を覚ました瞬間にお腹が減ったという理由で喰われてしまうんではないだろうかと考えてしまい僕は少し恐怖心が出てきて冷や汗をかいてしまった。

 

 そんな事を考えていたらもうキャンピングカーの前まで帰ってきてしまった。キャンピングカーを出た時は慌ててたりしており電気はつきっぱなしにしてしまった。

 

「よーし大丈夫だ僕!行くぞ・・・」

 

 僕は覚悟を決めて緊張した体を動かしドアに手をかけてその扉を開いた!恐る恐る中に入ってあたりを見渡してみる、特に部屋のものが荒らされたということもないようでホッとして彼女を寝かせたベットに目をやるとそこには真紅に染まったような目でこちらを見ているルーミアがおり思わず。

 

「あ、」

 

 という情けない声が出てしまった。

 

ルーミア視点

 

 私は昔の夢を見ていた。まだ私が人間をただの餌としか思っていなかった頃の記憶その日も山に山菜を取りに来ていた人里の人間を襲おうとしたがそんな私の行動を邪魔してきた人がその人の髪は綺麗な黒髪でその格好は赤と白に彩られた綺麗な巫女服に妖怪退治用のお祓い棒を手に持った人がそこにいた。

 

「お前は誰だ?食事の邪魔をしないで欲しいのだけど?」

 

 そんな事を口にした私に彼女は落ち着いた口調で名乗ってきた。

 

「私の名前は博麗霊沙この幻想郷の調停を担う博麗の巫女よ」

 

 そう名乗った女性はこちらにお祓い棒を向ける博麗の巫女それは幻想郷で起きる様々な異変を起こす妖怪を退治しこの幻想郷の均衡を保つ調停者だ博麗の巫女は代々霊力の扱いに長けておりその技術を使い数々の妖怪を退治してきた。その中でも今代の巫女は逸材であり数年前に起こった妖怪の山での鴉天狗の反乱を指揮した大天狗を博麗の巫女である彼女が退治して反乱を鎮めたそうだ。

 

 そんな彼女が今は私にお祓い棒を向けて立っている、私はこの幻想郷の中にいるもの達の中でも比較的に長く生きてきておりそこらの木端妖怪どもよりも強い力を持ってはいるがそれでも目の前の彼女に勝てる自信がほとんどなかった。それでも食事の邪魔をされたのだ敵わなくてもそれ相応の報いを受けさせようと考えた。

 

「食事の邪魔をしたのだから貴方も喰われる覚悟があるということよね?」

 

「それは嫌ね、生憎私は老後まで生きると決めているのよだから貴方をここで退治するわ!」

 

 その言葉を皮切りに彼女は急接近しお祓い棒とは逆の手に霊力弾を作り出し私のお腹に向けて撃ち放った!咄嗟に私は長年使ってきた剣を取り出してその霊力弾を防ぎながら後ろに跳び下がった。すぐさま反撃に転じようとしたが彼女はそれよりも早く動きお祓い棒を霊力で強化しながら近距離戦に持ち込んできた。

 

 私の使っている剣はいわゆるロングソードというものであり懐まで近づかれるとうまく剣を振ることが出来ず苦戦していた。彼女は強化されたお祓い棒を振りながら私の隙を突いて足技などで体勢を崩そうとしてくる。勝ち目がないとはわかっていたけれどまさかこうも一方的に押されるとは思ってもいなかった。

 

 これでも長い年月を生きてきた私を何十年としか生きていない人間の巫女が圧倒する光景を見ると何故?という言葉が出てくる。何故たった数十年としか生きれない人間がこうも強くなれるのかずっと考えていた。

 

「ハァ・・・ハァ・・・私の負け見たいね、いいわ人思いに退治しなさい」

 

「えぇそうさせてもらうわ・・・最後に何か聞きたいことはある?」

 

 気づいたら私は首元にお祓い棒を突きつけられて倒れていた。まさか相手に傷の一つもつけられないなんてと思っていると最後の言葉はあるか?と聞かれたそんな彼女の質問に私は応える。

 

「どうして貴方達人間はそんなに諦めるということをしないの?私が今まで襲ってきた人間達も恐怖こそすれどそれでも私に立ち向かって立ち向かってきた私はそれが不思議でしょうがなかった。」

 

「別に人間全員が全員絶対に諦めないなんてことは無いわよ、ただ誰にでも生きたいという気持ちがあり生きるために必死に足掻き時には自分以外の誰かを守るために自らの命をかけるそれが人間というものよ」

 

「そう・・・貴方達は生きる為に諦めないで戦う、とても強いのね貴方達は」

 

「!」

 

「私は今までずっと一人で生きてきたから他のやつの為に命を投げ出して戦うなんてどういった気持ちなのかはわからないけどそんなやつがいたらまた別の感情があったのかもね、、、ちょっと羨ましいわ」

 

 人間達は私たち妖怪とは違い生きることに重きを置いている、一人一人が弱いから集団で行動し互いに絆を深めていき仲間が傷ついたら他の者がその人を守るために戦う、私たちとは全く違う強さを持っている。集団行動をとるという点で似ている鴉天狗でさえも仲間のために命を張るなんて行為はしない、人間達の持つ強さは他の妖怪達でさえも絶対に真似ることの出来ない勇逸無二の強さだ。

 そんな事を考えているとふと頭によぎったのはもし私も人間達と同じように他の誰かとの絆を深め合いその者に命をかけることが出来るのだとしたらまた別の感情が芽生えていたのではないかと思ってしまった。こんな死の間際でそんな事を考えてしまう私も変わっているとは思うけどね。

 

「さぁ、答えたわ祓うのならさっさと祓って欲しいわ」

 

 そんな事を私が口にすると彼女の口から意外な言葉が出てきた。

 

「気が変わったわ貴方は祓わないであげる」

 

「え?」

 

 私は思考が停止してしまった。今彼女はなんと言った?祓わないであげるだと?さっきまでのあの死闘を考えると信じられないような言葉だった。

 

「そのかわり貴方を封印するわ封印と言っても思考は今の貴方のままで力が無くなって言動なんかも少し幼くなってしまうぐらいだから」

 

「ど、どうしてそんな事をするの?」

 

 私は質問せずにはいられなかったどうしてわざわざ祓うでもなく封印なのかをそれをしてなんの意味があるのかがわからなかった。

 

「う〜ん強いていうならさっきの貴方が言った人間の強さとそれに対する羨ましいという気持ちが嘘偽りでなかったことかな?まぁこれは私の勘なんだけどね」

 

 そんな事を言った彼女は私の発言が事実であることにどこか自信があるかのように感じた。私はそんな彼女の理由を聞いて唖然としてしまっていたそして私はさらに質問した。

 

「いいの?力が封印されたとしてもまた私が人を襲うかもしれないよ?」

 

「ん?そんなことは今の貴方にはないと思うけどな〜?まぁもしそうなってしまったら今度こそ私が貴方を退治するけどね!」

 

 彼女はどこか子供っぽい言動をしながら私に言い放った正直私はまだ信じれていなかったさっきまで人を襲おうとしていた私をほんの一瞬の心変わりを信じて退治しないなんておかしいのではないかと思ってしまった。そして私はこれからのことを聞いてみた。

 

「ねぇ?封印された後の私は一体どうすればいいの?」

 

「え?別に好きにしてもらっても構わないけどそうねぇ・・・」

 

 少し考え込んだ彼女は次にこう答えた

 

「人間のことについてより深く観察してみなさいそうすれば自ずと貴方が欲したい感情も見つけることが出来るはずよ」

 

 

 

 

 

 ふと目が覚めるさっきまで懐かしい夢を見ていたような気がするがそれよりも疲労が回復していないのか体が重かった。ふと腰を上げようと手を地面につこうとした時手が何やら柔らかいものに沈み込んでいく感覚がした。そして意識が回復してきて目も開いてきたら最初に目に映ったのは先ほどのような真っ暗な森の中ではなく見知らぬ木の天井が見えたそして手が何についたのか見ようとしたらそれはフカフカのベットであった。

 

「ここは何処なのだ〜?」

 

 さっきまでのような獣が蔓延る夜の森ではなく人工的な作りの暖かな空間だった、ベットにかかっているカーテンをどけると明るい光が差し込んできて思わず目を瞑ってしまった。腰だけを上げて目を擦りながら辺りを見るとこじんまりとした部屋が広がっているのが見えた。そして次に目が行くのが自分の体であった何やら包帯などでぐるぐる巻きにされてるのを見ると誰かがあの森から意識の失った私をここまで運んできて治療してくれたの考えた。

 

 そういえば最後に何か灯りをつけたものが近づいているような気がしたがもしかして人だったのだろうかもしそうならお礼を言わなくちゃと思った次の瞬間、机の隣のちょっとした段差がある扉がガラッと開く音がしてそちらに視線を向けたその人は綺麗な黒髪をしたメガネをかけた青年をじっと見ていたらあちらもこちらに気づき視線をこちらに向けてきて「あ、」と声を漏らしていた。

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