幻想少女との現代生活   作:アルマジロ君

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新生活のスタート!

 車を走らせること数十分、あたりの風景も段々と田んぼなどの自然豊かな風景から住宅街や高い建物が多く見えてくるようになり高速道路もあたりを走る車の量が増えてきているのがわかる。ルーミアも高い建物を見て目を輝かせていた。

 

「さっきまでの景色がガラッと変わって豆腐みたいな四角い建物がいっぱい増えてきたのだー」

 

「あの建物はマンションって言ってなあの一つの建物に何百人もの人が住んでるんだぞ」

 

「外の世界って凄いのだー」

 

「この先にはもっと高いビルっていう建物もいっぱい出てくるぞ〜」

 

「そうなのかー?楽しみなのだー」

 

 ルーミアの楽しそうな笑顔を見て口角が少し緩んでしまった・・・いかんいかん運転に集中しなければ!

 

 その後さらに走らせて行くと巨大な木が生えたようなビル群が現れた。天にも届くかのようなビル群をルーミアは顔を上げて頑張ってみようとしていた。そしてついに東京都心の摩天楼に足を踏み入れた。あたりを行き交う車の量も先ほどの比ではなく見渡す限り車とビルで埋めつくしていた。

 

「わー!高い建物の間を飛んでるみたいに進んでいるのだー!」

 

「東京には100メートルを超える建物が600棟もあるらしいからね」

 

「お兄ーさんの家はこのビルって建物を超えた先にあるのかー?」

 

「うんビル群のある東京を抜けて大きな川を渡った先が僕の住んでいる千葉県だよ」

 

「楽しみなのだー!」

 

 東京は世界でも有数の大都市であり1000万人を超える人口を支えているそして僕の家はそんな東京を超えた先にあるためさっさと抜けようと思いアクセルを踏み前へ進んでいった。

 その後は東京の中心部を抜けてあたりも先ほどまでのビル群よりかは低くなった建物群に変わっており東京から離れていっていることがわかる、そして僕達は巨大な川である荒川と江戸川にかかる橋を渡りようやく千葉に入った。千葉に入ってからは行き交う車の量も少し減りビルももう見えなくなってしまっていた。そこからさらに走らせて数十分後ようやく僕達は高速のインターチェンジから降りて一般道に入った。

 

「さっきの都会とは違うけど人がいっぱいいるのだー」

 

「ちばも海沿いは東京よりは少ないけどたくさんの人が暮らしているからね・・・おっとこの道を曲がらないと」

 

 そう言ってハンドルを切り大通から抜けて一車線の細い道を通って行く。車は住宅街に入り外を見るとこれから会社に行く人や友達と一緒に登校しようとしている子供達の姿が見えた。そしてついに・・・

 

「とうちゃーく!」

 

「おーここがお兄ーさんのお家なのかー」

 

 キャンピングカーを家の駐車場に止めて降りると目の前には二階建ての一軒家があった。僕は車から荷物を下ろすと家に向かい歩いて行きその後ろをルーミアがテクテクとついてきていた。家の前にたどり着いた僕は鍵を手に取り家の扉を開けて中に入っていった。

 

「靴はそこの靴箱に入れて入ってくれると助かる」

 

「わかったのだー」

 

「あーカメラのパンフレットを出しっぱなしで出てきちゃってたっけ・・・ルーミアちょっと散らかってるから気おつけてくれ」

 

「お兄ーさんは幻想郷の新聞屋みたいにカメラというのを使うのかー?」

 

「ん?そうだよ僕も撮影が趣味でねキャンピングカーを使って遠くの場所まで行って写真を撮っているんだよ」

 

 そう言いながら僕は机の戸棚に置かれているファイルに手を取り僕が今まで撮ってきた写真をルーミアに見せるようにファイルを机に置き開いて見せた。

 

「いっぱい写真があるのだー!これは星なのかー?綺麗なのだー」

 

「あぁ僕は星撮影が好きでね普段は遠出して夜に撮影しているんだ」

 

「私も夜は好きなのだー」

 

 ルーミアは腕を広げながらそう言った。僕も夜は好きだあの広大な夜空が嫌なことを全部忘れさせてくれるし、その美しい夜空を撮影するのも楽しいからだ。僕はそう思いながら部屋を片付けて行き今日から始まる新しい生活のことを考え始めていた。

 

「さて・・・今日からルーミアはここで暮らし始めるわけだけど何か不満に思うことはあるか?」

 

「全然ないのだー私も何かできることがあればなんでもお手伝いするのだー」

 

 僕はルーミアの発言に感動しながらもこれからの共同生活での過ごし方などを考えていた。他にもやるべきことはたくさんあるけどもまずは家での過ごし方などを決めないといけないなと思った僕はルーミアに今後の生活について話し始めた。

 

「さてルーミア今後の共同生活に向けてなんだが色々とルールを作っていこうと思う」

 

「おーなんなのだー?」

 

「まずは各々の役割分担を決めていこうと思ってなルーミアは基本的に家事とかはできるか?」

 

「できるのだー昔チルノや三妖精達と一緒に紅魔館のメイド体験をしていたからバッチリなのだー」

 

 三妖精というとサニーミルク、ルナチャイルド、スターサファイアのことかな?まさか紅魔館の主人であるレミリアがルーミア達をメイドとして雇ってたとは・・・確かにレミリアが妖精メイドとかをたくさん雇っているのは知っていたけれどルーミアもその中に混じってやっていたとは・・・じゃあメイドで家事の経験があるということは大丈夫だろうなと僕は考えてルーミアと僕で家の役割分担を考えていった。

 

「料理や洗濯、風呂掃除などは僕がやるからさ部屋の掃除とかはルーミアに任せちゃっていいかな?」

 

「わかったのだーでも私は掃除だけでいいのかー?」

 

「全然大丈夫だよ。掃除だけでも僕としてはとてもありがたいからね」

 

「なるほどなのだーそういうことなら任せて欲しいのだー」

 

 そう言ったルーミアに僕は笑顔を向ける、そして僕は今のルーミアのこの世界での立場を考えていた。ルーミアは元々この世界ではなく別の並行世界から渡ってきたしかも幻想郷の住人であるため当然身分証やら戸籍などを持っているはずもなかったのでそれらをどうするべきかを考えていた。まぁ正直なくても生活ができなくなるとかそういうわけではないのだが身分証がないと後々大変になってしまうかもしれないから作っておいて損はないと考えた僕はルーミアにその話をすることにした。

 

「なぁルーミアこれからは帰れるまでの間はこの世界で暮らして行くことになるわけだけどそのために身分証とかを発行して貰おうと思うんだけどどうかな?」

 

「お兄ーさん身分証ってなんなのだー?」

 

「あー身分証ってのは簡単に説明するとだな生活して行く中でその人本人であるかどうかの確認を取るためのものなんだ」

 

「そうなのかー・・・わかったのだー身分証ってやつを作るのだー」

 

「よしじゃあ昼飯を食べた後は市役所に行って身分証を発行してもらうか」

 

 そう言って僕とルーミアは昼飯を食べた後に市役所の受付に行きルーミアの身分証を発行してもらったルーミアはこの世界では僕が養子として引き取った子供ということで苗字に佐々木をつけたがほとんど使う場面がないだろうと思った僕は身分証を受け取った後はそそくさと市役所から退散していった。その道中にコンビニがあったので家の野菜室の中に野菜がもうほとんどないのを思い出し何か買おうと思った僕はルーミアに声をかけてコンビニに立ち寄ることを話した。

 

「ルーミア、ちょっとそこのコンビニっていう店に寄ろうと思うからついてきてくれ」

 

「わかったのだー」

 

 コンビニに立ち寄った僕は野菜売り場に行きそこに置かれているジャガイモやニンジンなどを籠に詰めていった。その後はコンビニ内で別れたルーミアを探すためにキョロキョロとしていたらルーミアがお菓子コーナーに釘付けになっているのが目に止まった。

 

「どうしたんだルーミア?お菓子に興味があるのか?」

 

 そう言った僕にルーミアは首を縦にうんうんというふうに振った今僕が手持ちに持っているお金もそこそこ余裕があるためルーミアのお願いを叶えてあげようと思った。

 

「よし!なら好きなお菓子かをこの籠に入れていいぞーただし常識的な量にしてくれー?」

 

「!わかったのだー!」

 

 僕がそういうとルーミアは満面の笑みでお菓子を選び出していたそして僕は後ろから見ていたこの近所の奥さんと思われる人たちからの微笑ましいものを見る目線に気づいて顔を赤くしていた・・・はずかしい・・・

 その後はルーミアが選んだお菓子を数個籠に入れてお会計を済ませてコンビニを後にした。ルーミアはお菓子が入った袋を持って楽しそうに歩いていた。家に着く頃には日が傾け始めておりもう夕方になっていた・・・今日だけでたくさんのことが起こったなと僕は今日一日を振り返っていた。深夜の森の中で傷だらけになったルーミアを助けて帰れる手段が見つかるまで家に預けることになって身分証なんかも作ってと一日だけで起こっていい量ではないなと思った。

 

「さて夕食を作ろうと思うけどその前にお風呂が沸いてるから先に入ってきちゃっていいよ」

 

「わかったのだーいってくるのだー」

 

「着替えは女性用のがないからごめんだけど僕の子供の頃のパジャマを一式用意したからそれを着て欲しい」

 

「はーいなのだー」

 

 そういうとルーミアは駆け足で風呂場に進んで行った。それを見送った僕は夕食で作ろうと思っている肉野菜炒めの材料を切りながらあることを思い出していた。

 

「あ、ベットどうしよかな・・・」

 

 残念なことに家には一人用のベットしかなく布団などは一切僕の家に置かれていなかったのだ僕はソファで寝るかいざとなったらキャンピングカーのベットで眠ろうと考えているとあっという間に肉野菜炒めは出来上がっており炊いておいたご飯と冷蔵庫にあった昨日作った味噌汁の余り物を二人分よそいテーブルに並び終えるとお風呂から上がり着替え終わったルーミアが出てきていた。子供の頃僕が着ていたパジャマが意外と似合っており喜んでるルーミアを席につかせて夕食を食べ始めた。

 

「そういえばルーミア今日の寝る際のことなんだけど・・・」

 

「ん?どうしたのだー?」

 

「家にあるベットが一つしかなくてね今度新しく家具を買いに行くから今日はルーミアがそこで寝てくれ僕はソファかキャンピングカーのベットで寝るから」

 

 疑問に思ったルーミアに僕はそう説明した。だってルーミアは妖怪とはいえ見た目10歳の小学生ぐらいの女の子と一緒に寝てしまったらいろいろとアウトな気がしてしまうからね。そんな説明を聞いてルーミアは・・・

 

「嫌だなのだーお兄ーさんも一緒に寝るのだー!」

 

「え?いやだってね?ルーミアは一応女の子だし一緒に寝るのは流石にまずいと思うんだけど?」

 

「そんなことないのだー!私は妖怪だから問題ないのだー!」

 

「いや・・・でも・・・」

 

「お兄ーさん?」

 

「あ、はいわかりました・・・」

 

 僕はルーミアの圧に負けて大人しく一緒にベットで寝ることになった。

 

「それじゃあ電気消すぞー?」

 

「わかったのだーおやすみなさいなのだー」

 

「うんおやすみ」

 

 そういって電気を消してベットに入るとすでに隣から寝息が聞こえてきており反対側を向いているとはいえ僕は緊張してしまっていた。

 

「これから先どうなんだろうなぁ・・・」

 

 こんなことを思ってしまったのはルーミアが二次元の存在だからだ。東方Projectといえば日本だけじゃなく一部海外でも人気のあるコンテンツであり多くの人が知っているからである。コスプレとかでも言って誤魔化せばなんとかなるとは思うけどこの先どうして行くか頭を悩ませていた。

 

「うぉっと!?」

 

「スー・・・スー・・・」

 

 そんなことを考えていたら後ろからルーミアがしがみついてきてさっきまでも寝息が聞こえたのにさらに近くで聞こえてしまい自分の心臓の音がうるさかった。

 

「はぁ・・・余計に寝づらくなっちゃったな・・・」

 

 僕はそんなルーミアを退けることもなくそのまま瞼を閉じて眠ることにした。

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