友に「赤福買ってやるから異種族で何か書け」と言われて書きました。

上位存在が人間好きってこう言う事じゃ無いの?

1 / 1
友「赤福買ってやるから異種族で何か書け」

 「赤福対決でお前が勝ったら書いてやるよ」


天使は『観て』いる

神様は人間を救いたいと思っていた。

だから、手を差し伸べた。

 

でもその度に、人間の中から邪魔者が現れた。

神様の作る秩序を、壊してしまうもの。

 

神様は困惑した。

人間は救われることを望んでいないのかって。

 

でも神様は人間を救ってあげたかった。

だから……

 

神様が助けたいと思った存在だけ助けることにした。

 

 

私はずっと世界を『観て』きた。それが役目だからだ。

 

その人間はひたすらに優しく、そして暖かだった。

その暖かな人間は傷付いた人間、捨てられた人間、無知なる人間の為にと人の道を歩んだ。

国の東西南北を問わず、助ける声有れば走りて向かい、その者の求める助けをしてやった。

 

やがて暖かな人間は、個人への支援だけで無く環境の改革までもを訴え始めた。

 

「個人と言うミクロを完全に救うには、それを取りまくメゾ、そしてマクロにも働きかけねばならない」

 

「きっとそれは時間がかかる、実現するのは何代も先の事となる。だが先達として後進の為、今を生きる子供の為、何よりまだ見ぬ子供の為に動かなければならない」

 

「人が人を助けるのは道理である」

 

暖かな人間は他の人間や、今まで助けた人間。まだまだ若く短い生の中で伴侶となった人間にも思いを伝えた。

 

そして彼らは答えた。

 

「何故そんな事を私がしなければならないの」

 

「楽をしようとしているのか、傲慢な奴め」

 

「そんな事よりもっと助けてくれ」

 

無論全ての人間がそうであった訳では無い、むしろ少数だった。

しかし暖かな人間が今まで助けた数が、その少数を少数で無くしていた。

そして助けた人間の、実に多くが無言無行動であった事が災いしたのだ。

 

浅ましい人間の声は無関心の人間が開けた空間で無限にも響き渡り、暖かな人間を責め立てる。

 

暖かな人間は最後に希望を、健やかなる時も病める時も支え愛し合おうと誓った伴侶に縋り付いた。

 

「もっと素敵な人ができたから」

 

暖かな人間を待っていたのは伴侶の冷たい視線と、見知らぬ人間の、勝ち誇るかのような下卑た視線。

 

暖かな人間がから急速に熱が引くのが『観て』取れた。

しかし最後の心の火を、人としての火に命を焼べた暖かな人間は己の不出来を謝罪し、心からの祝福を送る。

伴侶の、元伴侶達の顔が不愉快そうに歪んでいることも知らず。

 

私はそれが『観て』いられなかった。

だからこそ救ってやることにした。

 

 

 

その人間は、青年と呼ばれる時期の人間だった。

青年はごく普通の、言わば有象無象の、私が『観る』べき存在の一部に過ぎなかった。

強いて何かを上げるとすれば、それは青年の顔が人間達の中で位が低い顔であることか。

 

何とか愚かなことか、体など骨と肉で編んだ器でしかないのに。

そしてその器が青年を終わりへと追いやった。

 

青年が何かの列に並ぶ。

 

「止めてください、近寄らないで」

 

「お前この娘に何をした」

 

人間達の集会に参加させられる。

 

「なんでアイツが来ているの、マジキモい」

 

「ほっとけばいいよ、関係ないんだし」

 

「代わりに俺達のことやっといてよ」

 

青年は何も言えなかった。いや言わせられなかった。

何を言っても、何を成そうと己の顔がついて回る。

心を行動を見られない。

人を助けても迷惑そうに立ち去られるか、そばに居た顔の良い人間が代わりに感謝されて終わる。

 

青年にとって世界の全てが敵であり、恐怖であった。

 

私は何度も青年が嘆き、苦しみ、怒り、その心が凄惨な情景を願うのを『観た』。

しかし青年は他者を害する事が愚かな事を知っていた。

だが誰一つとして安心出来るものの無い世界、そんな世界に人間が耐えられないのは知っているし何度も『観て』きた。

 

やがて青年は太く丈夫な縄を手に、深き森に踏み入って逝く。

 

あぁ、あの暖かな人間が居れば青年も救われたろうに。

 

そして私は青年を救ってやることにした。

 

 

 

 

暗く異臭が漂う部屋の中、一人の人間が居た。

 

その人間は生まれたばかりの赤子であった。

暖かな人間を裏切った伴侶と下卑た人間の子であった。

 

まだ首も座らぬ赤子が泣きもせずに虚空を見つめる。

 

どうやら幼いながらも己の終わりを悟ったようだ。

いや、それに抗うだけの気力も体力も無いと『観た』。

 

体を這い回る虫も、尻に汚物が纏わり付く不快感も、何日も帰ること無い母を願う気持ちも。漠然と迫る死の前には遠い事なのか。

 

私は憤りという物を感じた。

かつて、私の前任がやらかして世界を洗い流すことにした主の気持ちも分かる。

 

子は父の咎を負わず、父は子の咎を負わない。

彼が盲目なのは本人や親の罪ではないと、主の子が残したように。

 

私は親の祝福無き赤子がこのまま無情にも死に逝くのを『観て』いられなかった。

 

私は救ってやることにした。

 

 

 

 

天と地の境。

 

それは遙かな昔に私や他の天使、果ては魔族に妖までもが主に頼み込み許しを得て作り上げたもう一つの祖国。

争いも重圧も無い国には、宙を流るる大河を写し取ったかのような河がある。

そして救うべきと判断した魂が流れ着くのだ。

 

その国には天使達を住まわせている。

新たに作られた天使、かの者達だけの守護者。

 

その手は魂を離さない様に長く、包み込める様に大きくしよう。

 

肌はどこからでも見つけられるように光らせよう。

 

子を見守る目は深く観られる方が良かろう。

 

子に笑いかける口も大きくしよう。

 

翼も多い方が良い。魂を包み、どこまでも連れて行ける翼だ。

 

こうして作られた守護者たる天使達は、その手で流れ着く魂を掬い上げ自らの胎の内に納める。

そして母として我が子に最上級の慈しみと救いを与えるのだ。

 

かの国が歩む道のりは穏やかで、その先には常に平和である




友「チギャウ……チギャウ……天使が可愛く想像出来ない……」

 「エヴァ旧劇の綾波リリスにディビニダドの腕をくっつけた感じで想像してみ」

友「バケモンやんけー!もっとイチャイチャとか書けや!」

 「そんな物、ウチには無いよ」


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。