元ヤン×文学少女   作:エンドレスG5

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ドリンクバー密会

 入学式が終わって放課後の時間が訪れた。いつもなら家に帰ってなんとなくダラダラ過ごして夕飯を食べて寝るのだが、俺が今いるここは高度育成高等学校であり、夕飯は自分で用意、なんなら昼飯も用意、なんなら朝飯も。そして帰ると行っても家ではなく学校が用意した寮。

 何だか放課後なのにまだ学校が続いているように感じてちょっとワクワクする。

 

 クラスの皆んなは各々別々の行動に出る。ある者はそそくさと教室から出て行ったり、ある者は周りの生徒と親睦を深めたり、ある者は誰かから遊びに誘われるのを待っていたり。

 初日なので慣れるまではゆっくりしようかなと思った俺は荷物を整えて席から立ち上がろうとする。すると突然平田に声をかけられた。

 

「相良君、ちょっといいかな」

「ん?何」

「実はこの後、クラスの皆んなで親睦を深めるためにカラオケに行く事になったんだけど、相良君もどうかな?」

「カラオケ……」

 

 まさか誘われるとは思っていなかった俺は目を丸くして平田の瞳の奥にある自分を見る。正直嬉しくてニヤけそうだが、俺なんかが皆んなと遊びに行ってもいいのだろうか。平田みたいにイケメンでもなければ主体性もない俺は本当に皆んなから歓迎されるのだろうか。

 

「ごめん、俺が行ったら多分空気悪くなると思うし、今日はパスかな」

「そんな事ないよ。僕だけじゃない、皆んなも相良君とカラオケに行きたいって言ってるんだ。それとも、何か用事でもあった?」

 

 え、俺皆んなから誘われてるの?マジ?こんな見た目ヤンキーの俺と遊んでくれるの?今度こそ口角が上がってしまいそうだ。特に用事はないし、歓迎ムードなら行かない理由はないな。

 

 俺は嬉しさのあまりちょっと勢いよく立ち上がって平田に言う。

 

「いや!用事はない。皆んなが良いなら行きたいな」

「おぉ……相変わらず背高いね。うん、一緒に行ってくれて嬉しいよ。他のみんなは先に空いてるカラオケを探しに行ってくれてるから、とりあえず行こうか」

「うん」

 

 俺は平田とともに教室から出て、平田についていった。カラオケの場所はどうやら平田の端末に送られているそうだ。行動が早いな。入学式終わってからそんなに時間経ってないだろ。それにしても楽しみだ。一体何人でカラオケに行くのだろう。

 同年代の男子が分かる曲なら何曲か知ってるし、それを歌えば無難に盛り上がるだろうし、楽しみだな。

 

「あ、持ち込みokみたいだね。何か買っていこうか?」

「そうだな。じゃあコンビニで適当に何か買うか」

 

 そう言って俺と平田はコンビニに寄り道すると、何やらコンビニのイートインスペースで騒ぎが起こっていた。

 

「おー怖い怖い。お前クラスは何だよ。なんてな。当ててやろうか?Dクラスだろ?」

「だったらなんだってんだ!」

 

 自動ドアから入るや否やすぐ横で口論が起こっていて流石の俺も驚いた。見た事ない顔の生徒が二人、そして同じクラスの赤髪ヤンキーが揉めているようだ。

 それにこれは……カップ麺?の具材やスープが床に散乱している。平田はこの状況を見て流石に黙っていられず、口論の中に自ら割って入って行った。

 

「君達、喧嘩は良くないよ!とりあえず冷静になって話し合おう」

「あ"ぁん?てめぇはたしか……」

「君と同じクラスの平田洋介。今ここで争って先生が介入する問題に発展したら大変だ。とりあえず、勿体無いけど床に落ちた食べ物を片付けてから、一度話し合おう」

「おいおいお仲間でも呼んだのか?だが残念、不良品のDクラスがいくら集まった所でゴミの掃き溜めにしかなんねぇんだよ!」

「テメェ今なんつったゴラァ!!」

 

 今にも襲いかかりそうな赤髪ヤンキーを危惧して彼と二人の男子生徒の間に割り込み続ける。それにしても酷い有様だ。何が起こったのかは分からないが、こんなにも譲歩という言葉が見当たらない口論が進学校でも起こり得るものなのか。

 

 それに、クラスを当てた上にDクラスである事を非難したのは一体どういう事だ?この二人の生徒はDクラスじゃないって事だよな。Dクラス以外のクラスはDクラスを非難する理由があるのか?

 

「真面目に装ってるお前もDクラスなんだろ?いるよなぁそういう奴。でもDクラスに配属されてる時点で欠点だらけなのには間違いねぇから、良い子ちゃんのフリは自分を苦しめるだけだぜ?」

「僕は良い子のフリなんてしていないよ。どうやら君達は僕たちの先輩のようだけど、争いは同じレベルでしか起こらないと言うしね」

「……んだと?」

 

 珍しく平田が言い返した。いや、平田との付き合いが長いわけじゃないが、彼のような性格の人は誰にでも優しくて平等に接してくれるタイプだと思っていたが、やはり不良とはいえ自分のクラスメイトを大事に思っているそうだ。

 

 それに、この様子を見たところ、あの赤髪ヤンキーには非が無さそうだしな。早くカラオケ行きたいし、ここからは俺も平田の味方になろう。

 

「あの」

「あ?次から次へと誰…………だ……だ、誰っすか?」

 

 俺が背後から先輩達に話しかけると、さっきまでの威勢が急に無くなり、何故か俺に敬語で応えてきた。やっぱり俺の見た目が怖いのか。

 

「何があったのかよく分かりませんが、周りに迷惑がかかりますし、とりあえず穏便にいきませんか?」

「は、……はぁ?別に俺達は?最初から?喧嘩なんてするつもりなかったしぃ?な?」

「お、おおう。そうだぜ?つーかお前のクラスも当ててやろうか?」

「えぇ、どうぞ」

 

 先輩達は若干声が震えていたが、どうやら勇気を振り絞って俺に反抗してくるらしい。まぁ、多分ここで俺が怒鳴ったらしょんべん垂らして逃げるかもしれないが……いや流石にそれはないか。まぁでも気になる事もあるし、ここは一つ試してみるとしよう。

 

「お前、Dクラスだろ!そこのガキと不良品仲間だ!」

「いえ、俺はAクラスです」

「なっ…………!?え、Aクラス?お前が??」

「はい。先輩のクラスは?」

「……お、お前に教える義理はねぇ!もういい!帰るぞ」

「お、おう」

 

 いや義理はあるだろ。平田も赤髪も言ったわけだし。俺はまぁ試しに嘘ついてみたが。

 それにしても、Aクラスという言葉に過剰な反応を見せたのは少し予想外だったな。Dクラスで不良品、Aクラスで俺みたいな奴は嘘を疑われる……か。3年間クラス替えがないことを踏まえると、この学校においてどこのクラスに所属しているのかは重要な要素らしい。

 

「ありがとう相良君。さすがだね」

「それは褒めてるのか……?」

「あ、え、えぇっと、助けてくれてありがとうって意味だよ?決して君の容姿に対して言ったわけじゃ……」

「別にいいって。しょうがないし、実際今役に立ったわけだし」

「そ、そうだね。あ、片付けしなきゃ。君も手伝ってくれるかい?」

 

 平田はそう言って赤髪のヤンキーに声をかけるが、ヤンキーは俺たちに舌打ちだけ残してコンビニから去って行ってしまった。後始末は俺たちがやらされるようだな。

 

「行っちゃった……。とりあえずこれ、ティッシュあるから片付けよう」

「そうだな。まぁ仕方ないさ。ああいう時期は誰にでもある」

 

 俺にもあの赤髪みたいな時期はあったしな。何かを失ったり、大きな過ちを犯せば、自分のやっている事の幼稚さに気づくんだが、皮肉な事に過ちを犯さない限り気づかないんだよな。まぁ彼もこれからこの学校で成長していくだろう。なんせこの高校の名前は高度育成高等学校、だからな。

 

「相良君が言うと、何だか説得力があるね」

「それ、また俺の容姿disか?」

「えぇ?そんな事ないよ!」

「ははっ、冗談だよ」

「な、何だ冗談か〜。相良君はユーモアのある人だね」

「多少な」

 

 俺と平田はゴミを片付けている。それも紙切れや埃などではなく不快感極まりないカップ麺の中身だ。ティッシュで具材を掴むたびにスープが染み込んだ具のぐちゃっとした感覚が全身に行き渡る。勿体無い、気味が悪い、匂いも臭そう。普段口にしているものが地面に落ちただけなのに、それだけでこうも価値が180度変わってしまうとは。フードロス、ダメ、絶対。

 

「オレも手伝おう」

「えっ、あ、綾小路?」

「さっきぶりだな相良」

「おう。コンビニに行ってたんだな」

 

 綾小路は店員から雑巾を借りてきたらしく、俺の隣にしゃがみ込んで一緒に片付けを手伝ってくれた。優しいな綾小路。一昔前の俺だったら多分手伝わずにスルーしてたから、少なくとも綾小路は善人の部類に入るだろう。

 

「綾小路君か。相良君と仲良かったんだね」

「平田洋介だよな。相良はオレの前の席だからな」

「僕の名前覚えてくれてたんだね。嬉しいよ」

「そりゃ覚えてるさ。平田に対する印象が薄い生徒なんていないと思うぞ」

 

 間違いないな。逆に綾小路、お前に対する印象が薄い人はたくさんいそうだな。もちろんこれは口に出さずに心の中だけに留めておく。

 

 その後片付けを終えた俺と平田は綾小路にお礼を言ってコンビニから出てカラオケ会場に向かった。結局時間も時間なので何も買えなかったが、仕方ないな。

 去り際は綾小路と妙に目が合いまくった気がするが、気のせいだろうか。何か言いたい事でもあったのかもしれない。急いでるからそんな余裕はなかったが。

 

「ごめん!遅くなった!」

「おっっそ──い!!心配したんだよ?」

「平田君、相良君、やっほー」

「何か用事でもあったの?」

「とりあえず残り時間楽しもー!」

 

 カラオケボックスに入った途端、俺は目を疑った。理由は明白、男がいなかったからだ。

 あまり広いとはいえない部屋に女子3人男2人……左からギャルギャルギャル……何これ地獄?

 

「ひ、平田……」

「ん、何だい?」

「これで、メンバー全員?」

「うん。僕と軽井沢さんと佐藤さんと松下さん。皆んな相良君と遊びたいって言ってたよ」

「そ、そうっすか」

「?」

 

 クソこいつ聖人すぎて男女比とかあまり考えずに遊びの計画たてるタイプか!男3女3ならまぁ、かろうじて大丈夫なんだが男の方が人数少ないは聞いてないぞ!しかも俺が行かなかったら平田はハーレムカラオケだったって事だろ?何だよそれ意味分からん。しかも女子も女子でその辺気にしろよ。あ、気にした結果俺がお呼ばれしたわけか。いや俺の気持ちも少しは考えてくれ。

 

「平田君も相良君もいつまでも立ってないでさ〜ほらほら、席空いたから座って座って〜」

「平田君はこっちね!」

「相良君はこっち〜」

 

 女子が空けてくれたスペースに俺と平田は座る。俺は軽井沢さんと松下さんの間、平田は軽井沢さんと佐藤さんの間。うん、何で?

 

「よ〜し!全員揃ったし、今日は親睦会って事で皆んなでたくさん歌って盛り上がろー!」

「「イェーイ!!」」

「いぇーい」

「いぇ、いぇーい」

 

 イェーイじゃねぇよ!端っこ男2人でいいだろうが!何でわざわざ間に入れるんだよ!思春期男子舐めんな!

 俺が海の家の子じゃなかったら緊張しまくって終わってただろうな。たくさんの水着美女と会話したおかげで耐えられそうではあるが。

 

「じゃあ僕の番だね」

「ヒューヒュー!平田君の歌声期待してるよー!」

「あはは、期待されると緊張しちゃうなー」

 

 平田も平田でよく適合できるなこの空気。俺には慣れるまであと数時間は必要だぞ……。

 こうなるなら綾小路を無理矢理にでも連れて来させるべきだったな……いや、多分アイツがこの場にきたら死ぬかもな。色々な意味で。

 

 その後はひたすらみんなで歌いまくっていた。俺はというと皆んなが知ってる有名曲をひたすら歌って何とか場を凌いでいた感じだ。流行りのJPOPとか、バンドの曲とか。ただ最近はアナログ人間になりつつあったせいか、ちょっと歌詞があやふやだったり、リズムが合わなかったりして気まずい瞬間もあったな。本当にキツい。

 

「そういえばドリンクバーあるけど、皆んな飲んでる?」

「もーめっちゃ飲んでるよー。何杯目だろ」

「え、頼んでたのか」

 

 俺はドリンクバー付きなのを知らなかったせいでつい声に出して驚いてしまった。確かに皆んなのグラスが机に置いてある。俺だけずっと空だ。緊張しすぎててこんな事にも気づかなかったとは。

 

「相良君気づいてなかった感じー?」

「あははっ!喉カラッカラなのによく歌ってたねー」

「は、はは。じゃあせっかくだし何か取ってこようかな」

「あ、じゃあついでに私のもお願いしていいかな?」

「私もー」

「えっ」

 

 席から立ち上がり部屋を出ようとしたタイミングでいきなりそう言われた。女子2人のグラスを目の前に出され、困惑する。断る理由なんてないが、一度に三つのグラスを持っていくのは難しいし、それにまだ顔と名前が完全に一致してないから間違える可能性もある。

 

「もちろん、ついでに取ってくるよ。けど────」

「あ、じゃあ私ついてくよ」

 

 そう言って俺の隣に座っていた女子が立ち上がり、自身のグラスと他2人のグラスを手に取って、そのうちの一つを俺に渡した。俺についていくと言った女子のグラスにはまだ半分程度ジュースが残っていたが……気を遣ってくれたのか。

 

「よろしくねー松下さん、相良君」

「うん。あ、次私の番だけど飛ばしてどんどん歌ってて」

「おっけー!」

「行こっ、相良君」

「あ、うん」

 

 そう言って俺と松下さんはカラオケボックスから出た。扉が閉まると同時に、カラオケボックス特有の熱と音が遮断される。廊下は少しひんやりしていて、彼女は小さく息を吐いた。何だか少し疲れているようだ。

 長い髪が歩くたびに静かに揺れ、制服の赤が白い壁にやわらかく映える。

 肩の力を抜いた横顔は、さっきまでの“場を支配する存在”ではなく、ただ少しだけ静けさを求めた、年相応の少女のものだった。

 

 特に会話する事なくドリンクバーのところに辿り着き、俺は自分の分と、おそらく佐藤さんの分のグラスにジュースを注ぐ。

 何だか少し気まずい……とは思わなかった。不思議と彼女と過ごしている沈黙の時間は居心地が悪い事はなかった。その後彼女も自身のグラスと軽井沢さんのグラスにジュースを注ぎ終えたようなので、俺は特に言葉を発さずにまた部屋に向かって歩き出そうとすると、松下さんに弱い力で制服の裾を引っ張られた。

 流石にビックリした俺は振り返り、松下さんの顔を見下ろす。彼女は首をあげて俺の目を見て言った。

 

「少し休憩してかない?」

「あ……そうだね」

 

 彼女が気疲れして休憩したかったのか、それとも気疲れしている様子の俺に気遣ってくれたのか、それとも両方なのかは分からないが、今の俺にとってその提案は拒む理由がなかった。グラスを置いて壁によりかかり、一息つく。松下さんも俺の隣で壁によりかかって、大きく身体を伸ばしてリラックスしていた。

 

「ふぅ〜、初日から皆んな元気だよね」

「そうだね」

「ぶっちゃけ相良君、少し疲れてたっしょ?」

「まぁそうかも。でも松下さんも同じでしょ?」

「あ、名前覚えててくれたんだ。じゃあ下の名前はなんでしょう?」

「えっと、千秋」

「ピンポーン。正解です。相良君は圭だよね」

「うん」

「じゃあ軽井沢さんと一緒だ」

「そうだったんだ……」

「え、知らなかったの?」

 

 軽井沢さんの自己紹介は聞いていたが、見た目のインパクトが強くて名前まで覚えていなかったんだよな。軽井沢ケイ、か。漢字はどう書くんだろう。なんか女子と同じ名前ってちょっと気恥ずかしいな。向こうが嫌がっていないといいんだが。

 

「覚えてなかったって言うか、よく聞こえなかったからかな」

「へ〜。ってか、私の名前は覚えててくれてたんだね」

「まぁ、親戚のおばさんに千秋って人いるし」

「あははっ、何それ。ちょっと嬉しかったのに急に冷めた〜。私は相良君の名前、カッコいいと思って覚えてたんだけどね〜」

「それ本当か?軽井沢さんと同じ名前だったからじゃないの?」

「お、勘が鋭いね」

「さっき自分が言った事忘れたのか?冷めるわ〜」

「あはははっ、やり返されちゃったな〜」

 

 …………なんだこの感じ。初対面かつ異性との一対一とは思えないほど喋ってるぞ。俺、どうしちゃったんだ?女子2人に囲まれて歌ったせいで男として一皮剥けたのか?いや違う。普通に松下さんとなら話しやすいだけか。いやそれはそれで何で?

 

「今、何で私相手だとこんなに話しやすいんだろうって思ったでしょ」

「ぅえっ?そ、そんな事は」

「あはは、図星じゃん。分かるよ、私も同じ事考えてたから」

 

 松下さんは笑顔でそう言った。何だかこの人は軽井沢さんや佐藤さんと違って少し大人びている気がする。落ち着きもあるし、きっとこれから色々な人に頼られるようになるんだろうな。

 ってか、松下さんも俺と話しやすいって思ってたのか。何でだろ。精神年齢が近いとか?

 

「精神年齢が近いとか?」

「そうかもな。って心読むなよ!」

「読んでないよ〜。私も同じ答えを出してただけ」

「そ、そっか」

「まぁそれはそうかもね。平田君は優しいし話しやすいけど、相良君と違って本音を言ってくれなさそうだし、軽井沢さんや佐藤さんも良い人なんだけど、中でも相良君は特に仲良くなれそうだなって思ったよ。相良君は?」

「俺は…………確かに話しやすいと思った。けど軽井沢さんや佐藤さんとまだきちんと会話してないし、平田は俺の中で暫定ベストフレンドだから、松下さんと特に仲良くなれそう、とはまだ思い切れないかな」

「正直だね君。そういうとこ、嫌いじゃないよ」

「どうも」

 

 今俺は成長期に入ってる。知らない事をたくさん知る時期という意味での成長期だ。本を読み始めたあの頃のよう。そもそも友達は喧嘩して仲直りして出来るものだと思っていて、本の中で見る友達はファンタジーだと思っていたが、むしろ本の中での友達の作り方の方が現実に近いようだ。やはり俺は田舎に閉じこもってた井の中の蛙だったってわけだな。

 

「何か浸ってるね」

「松下さんはエスパーか何か?」

「ははっ、どうだろうね。じゃあそろそろ戻ろっか。今頃皆んな喉乾かして待ってるかも」

「そうだね」

 

 そう言って俺と松下さんはカラオケボックスへと戻った。その後は何だか気が楽になった気がして、変に気を遣う事なく全力でカラオケを楽しむ事ができた。

 初日かつ全員初対面とは思えない盛り上がりっぷりで正直放課後カラオケハマりそう。これも松下さんや平田のおかげだな。

 




余裕があった時また投稿します。
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