理想のそば屋?
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■まえがき
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
※ 奈落家のいつもの設定確認
・設定は戦国時代なのになぜか現代の要素が入る。
(今回は冬のそば屋。戦国時代にもありそうですが、
造りは現代調)
・奈落家の服装は、原作通り。
・奈落さんと分身たち皆生存していて
人見蔭刀に仕えて
皆一緒に人見城に住んでいる設定です。
・季節は特に記載が無ければ、
投稿された日と同じです。
(タイトル通り冬)
ストーリーのジャンル:コミカル・ほのぼの
では、このまま下へスクロールして本編どうぞ。
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神楽と神無、二人して
人見城外の仕事に出ていた帰り。
時刻は16時半を回り
辺りはすっかり暗くなっている。
明かりの無い空を羽飾りで飛ぶのは危険なので
徒歩で人見城への帰路を行く。
空気はとても澄んでおり、
夜は深淵の闇を冷たく湛えている。
道に拙く光る小さな白黄色い街灯は
妖艶だったが純真さも併せ持っていた。
車道はそれなりの車の通行があり、
帰宅時間も相まって
シャッ、シャッと風を切って駆けて行く。
「てか、夕はんどうする?
奈落の野郎は済ませて来いって言ってたけど」
経費で落としていいのはありがたいが
決めるのが面倒だと神楽。
「…あそこ」
神無が小さな手で指すそこには
少し古びたそば屋があった。
「ええーっ!ハズレじゃね?」と
ごねるように反対する神楽。
「…こういう所が味があっていいの」と
言うが早いか神無は入り口の朽ちかけたような
淡いベージュの木の引き戸をギギッと開けて
そそくさと入って行く。神楽もそれに続いた。
こじんまりとした店内。
個人の店なのでBGMは無いが、
暖房が効いていて暖かく、明るく温かい雰囲気がした。
神無と神楽は中央奥の
黒くて四角い細長い、脚の細いテーブルの席に
対角線上に着いた。
脚や背もたれの造りが細い黒いイスも
テーブル同様
スタイリッシュ&シックでオシャレだ。
出窓には緑に美しい赤をたたえた
ポインセチアの植木鉢が置いてあった。
二人で席のテーブル横に立ててある
A5サイズの一枚のメニューを見て、
お冷を持って来た
メガネで白髪交じりの黒髪を
後ろでひとくくりにした
でも若そうな痩せているおばちゃんに
天ぷらそばを二つ注文する。
実際に言うのは神楽だ。
そして経費で落ちるのだから
少しくらい高い物食っとかねーとなと神楽。
だが、あまりにも高い物は注文しない二人。
一応二人で2000円以内である。
その後、姉妹はそれぞれスマホを見ている。
神楽は頬杖をつきながらSNSをチェックしている。
神無は両手持ちでマンガアプリを見ている。
少し時間がかかって天ぷらそばが出て来る。
[天ぷらそばの写真挿入]
えび天は淡い上品な色合いの衣としっぽ。
ふんわりサクッとしてる。ほんのり甘い。
きざみネギが少し。
すっきりとした温かいつゆは
ホッとする味わいがした。
麺は意外と令和モダンな"今時"な感じで
ピンとした細切りでつるつると食べやすい。
その素朴だけど愛情が込められている感じが
とても尊かった。安いし。
「奈落の作る天ぷらそば、
スーパーで買って来る惣菜の天ぷらだから
サクサクしてねーんだよなぁ」
尊きそばを食べながらも愚痴り始める神楽。
「あれもあれでおいしいけど…」
"皆"に優しく返す神無。
「でもどうせ食うならサクサクのが良くね?」
「緑のたぬき食べてろって言われちゃう…w」
「あ、それならスーパーの天ぷらのがいいねえw」
二人は笑い合った。
*
そばを完食し、
メガネのおばちゃんにお金を渡して
またギギッと引き戸を開けて、店を出る二人。
「ウマかったねえ」
「…うん」
神楽は笑顔だ。
神無も無表情の中に光があった。
心も体も温まった姉妹は
とても幸せだった。
冬の冷たい夜風も
姉妹を優しく包んでくれていた。
おわり
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
ほんとに終わりです。