サトシ君(転生者)の目指せ、ポケモンマスター!!   作:DestinyImpulse

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ポケモンリーグ・セキエイ大会・決勝戦・後編

 

 

【キングドラ。シードラの進化系。力を 蓄えるため 深い 海底で 眠っているらしい。 目覚めると 竜巻に なるという】

 

「シードラの最終進化系!これは水系トレーナーとしてリーフに進化方法を聞かないとダメね!」

 

「落ち着けカスミ。…しかし、水とドラゴンタイプ。確かにリザードンの対策には最適なポケモンだ」

 

 リーフが繰り出したキングドラの登場に沸き立つ観客達。その中でキングドラの情報もポケモン図鑑で確認するタケシ達。シードラを持つカスミが興奮する一方でタケシは水とドラゴンタイプを持つキングドラがリーフのリザードン対策として最適だと判断する。

 

「でも、サトシはリザードンを入れてないんだよね?」

 

「ああ、ラティアスとの戦いのダメージが深くてドクターストップを受けてしまったんだ」

 

「だが、リザードン対策を抜いてもあのキングドラは強い……厳しい戦いになる」

 

 しかし、サトシはリザードンを手持ちには入れていない。だがリーフが繰り出したキングドラはリザードン対策を抜きにしても強力なポケモンであるのは間違いない。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「キングドラ、“スケイルショット”!!」

 

「ドララ!!」

 

「ジバコイル、“10まんボルト”!!」

 

「ジババ!!」

 

 リーフがリザードン対策として用意したキングドラ。俺のリザードンを倒す為に用意しただけあり強い。自身の鱗を弾丸の如く飛ばすが電撃で弾き飛ばす。

 

 ドードリオを犠牲してまで降らせた雨には意図があるが、雨の恩恵はこっちにもある。ジバコイルに必中となった“かみなり”を降らせてキングドラを攻撃する。

 

「ドラー!!」

 

「なっ、避けた!?」

 

 しかし、雷が当たる直前にキングドラが高速移動と見紛う程の速度で回避する。“スケイルショット”で素早さが上がっても異常だ…考えられるのは特性…!

 

「この雨…“すいすい”か!!」

 

「大正解!キングドラ、“ハイドロポンプ”!!」

 

 雨の時に素早さが二倍になる“すいすい”!それならこの速さも納得だ。凄まじい速度でジバコイルの側面に回り込んだキングドラが雨で威力が上がっている“ハイドロポンプ”を直撃させる。

 

 雨で威力が上がった“ハイドロポンプ”は痛く、シバコイルが苦しそうだ。返しに雷を放つが掠りもしない!速すぎて必中ではなくなってる…!

 

 速度が違いすぎる…!

 この場はピカチュウに交換だとボールを取り出して戻そうとするが、シバコイルに肉薄したキングドラが“たつまき”で自身ごとジバコイルを包み込んで赤い光を遮ってしまう。

 

「サトシの見様見真似だけど難しいね。まだ、多少のダメージ覚悟で自分事閉じ込めないと上手くいかないね」

 

「っ!」

 

 それは完全に俺がラティアスを戻されない様にリザードンの“ほのおのうず”でジョーイさんの交換を遮ったテクニックだった。交換を遮られ一手が遅れてしまった俺に対してリーフはジバコイルを此処で仕留めようと“ハイドロポンプ”を直撃させる。

 

「耐えろジバコイル!“10まんボルト”!!」

 

「ジ…ジバババ!!」

 

 俺の声にギリギリで持ち堪えたジバコイルが即座に“10まんボルト”を放ち直撃させる。如何に速くても攻撃を放った直後ではジバコイルから直接広範囲に放たれる“10まんボルト”を回避するのは厳しい様だ。

 

 しかし、流石に倒れる事はなく三度の“ハイドロポンプ”が直撃。

 

 流石のジバコイルも三度も雨で威力の上がった“ハイドロポンプ”を喰らっては一溜まりもなくジバコイルが戦闘不能になる。

 

 これで残りはピカチュウとゲンガー。向こうはキングドラ、体力半分のフシギバナに、間違いなくカイリュー。

 

 ステルスロックが撒かれていても俺が不利なのは明らかだ。先ずは目の前のキングドラを何とかしようとピカチュウを繰り出す。

 

「ピッカー!!」

 

 自分が巻き返してやると気合を入れる相棒に頼もしさを感じつつ“でんこうせっか”で突撃させる。雨はジバコイルが倒れたと同時に止んでおりキングドラの“すいすい”も終わり素早さは下がった。

 

 “スケイルショット”は一度使ってこれ以上脆くはしたくないし、“ハイドロポンプ”は相性不利でピカチュウには向かない。だったら使うのは“たつまき”と最後の技になる。

 

 足を止めようと“たつまき”でピカチュウを閉じ込めようとするので“あなをほる”で地面に潜って回避する。

 

「っ、キングドラ後ろ!“りゅうのはどう”!」

 

「ドラ!」

 

 何処だ何処だと辺りを見回すキングドラの背後から飛び出すピカチュウ。トレーナーの視点からピカチュウを探っていたリーフが気づいて呼び掛け、その声に反応したキングドラが振り向きながら最後の技に“りゅうのはどう”を放つ。

 

「ピカチュウ、“アイアンテール”でカチ上げろ!!」

 

「ピッカー!」

 

 しかし、キングドラが攻撃を放つよりも早くピカチュウが“アイアンテール”でキングドラの長い口をカチ上げ照準を逸らして攻撃をやり過ごす。

 

 水タイプでありつつもドラゴンタイプなので電気は弱点ではないが得意でもないので、このままキングドラを倒すと“ボルテッカー”を叩き込めばジバコイルが与えた消耗と“スケイルショット”で防御が下がった事でキングドラは戦闘不能になる。

 

「お疲れキングドラ……やっぱりピカチュウは強いね。リザードンが居たらもっと苦しかった」

 

「その為のキングドラなんだろ?強かったぜ……それで、そろそろカイリューを出すのか?」

 

「勿論!お願い、カイリュー!!」

 

「バウー!!」

 

 遂に現れたカイリュー。

 何だかんだで俺にも懐いているカイリューは俺と戦う事に乗り気じゃないのか捨てられた子犬の目でリーフを見るが、「大好きだから思い切りぶつかるんだよ」とリーフが励まし、俺も「遠慮はいらないぜ、俺達も全力で相手するからな!」と言えばやる気を出してバトルに臨んでくれる。

 

「カイリュー、“しんそく”!!」

 

「バウー!」

 

「ピカチュウ、“でんこうせっか”で少しでも速度を出すんだ!」

 

「ピッカ!」

 

 カイリューの“しんそく”に対して此方は“でんこうせっか”。やはり速度の違いが出て不利だが、ピカチュウには小回りの良さがある、掠りはしたがギリギリで回避したので即座に交換させる。

 

「ゲンガー、君に決めた!!」

 

「ゲンガー!!」

 

 最後の一体であるゲンガー。ゴーストタイプのゲンガーにはノーマル技の“しんそく”は効果がない。これで技は一つ封じたと“ゴーストダイブ”を指示してカイリューの背後を取って“れいとうパンチ”を叩き込む。

 

「カイリュー、“しんそく”で距離を取って!そのまま、“じしん”!!」

 

「バウー!」

 

 しかし、ゲンガーの拳が当たる前にカイリューが“しんそく”で距離を取り“じしん”で反撃してくる。弱点の大技を喰らう訳にはいかないので再び“ゴーストダイブ”で姿を消す。

 

「カイリュー、“ものまね”!!」

 

「バウ!」

 

「ゲンガー!?」

 

「なっ!?」

 

 しかし、なんと“ものまね”で“ゴーストダイブ”を真似したカイリューが消えたゲンガーと同じ世界に飛びゲンガーを引き摺り出したのだ!ゲンガーを押さえつけるカイリュー……ゲンガーの“みちずれ”を警戒して攻撃してこない。

 

 ステロのダメージで“マルチスケイル”は無くなってるのでダメージを半減にはできない。だが、ゲンガーの不一致の氷技なら耐えられるとカイリューを信頼しているリーフは攻撃を耐えて“じしん”で終わらせる気だ。“ゴーストダイブ”で逃げ様にも“ものまね”で“ゴーストダイブ”がコピられて逃げられない。

 

「カイリュー…目を開けちゃダメだからね!」

 

 しかもカイリューは目を瞑ってる。これじゃ“さいみんじゅつ”や“あやしいひかり”で睡眠や混乱にもできない。

 

 確実に俺がカイリューに対してゲンガーを出すと読んで用意した戦術だ。リザードン対策のキングドラと言い、リーフは俺と戦う準備を万全にしていた…!自分達が勝ち進み、必ず激突すると確信して…

 

「………ゲンガー、“どくどく”だ!!」

 

「ゲンガ!」

 

「っ、カイリュー、“じしん”!!」

 

「バウ…!バウー!!」

 

 認めるしかない。

 リーフのリーグに向けた準備は俺よりも入念かつ確実なモノだと。苦難の末にカイリューを猛毒にして消耗を早める方が得策だ。ダメージを与えようにも“はねやすめ”で体力と“マルチスケイル”が復活すれば終わりだ。

 

 “どくどく”で猛毒になったカイリューが苦しそうにしつつも“じしん”でゲンガーを戦闘不能にする。

 

『強いぞ!カイリュー!サトシ選手をラスト一体に追い詰めてた!!さぁ、サトシ選手の残りポケモンはピカチュウだけ!果たして逆転は有り得るのか!』

 

「……いくぞピカチュウ!君に決めた!!」

 

「ピッカ!!」

 

 実況の声が会場に響く中で最後になったピカチュウを繰り出す。キングドラで多少は消耗しつつも、まだ戦える。逆転してやるとメラメラ燃えていた。

 

 突然の如くリーフはカイリューに“しんそく”を指示してくる。“でんこうせっか”で少しでも速度を出し小回りの良さで回避する。サカキのドサイドンで見せた相手のパワーを逆手に取った回避術だ。先にカイリューの“しんそく”を受けたのもタイミングを見極める為だ。

 

「ば、バウ!」

 

「っ、当たらない!?」

 

 シバ師匠のルカリオに散々“しんそく”でボコられたのだ。確かにカイリューは天才だが、やはりルカリオ程、攻撃が正確ではない。その差をピカチュウが分かっているのなら躱わす事は不可能ではない。

 

 とは言え集中力が必要なのは確かなので、ゲンガーに対処してほしかったのが本音だ。

 

 冷や汗を流しながら必死にカイリューの“しんそく”を躱わすピカチュウ。カイリューも速度が上なのに当たらないピカチュウへの困惑と猛毒のダメージで辛い表情を浮かべていた。

 

「バウ…バウ…!」

 

「ピカ…ピカ…!」

 

 そして遂に“しんそく”を使う体力が尽きて膝を突くカイリュー。ピカチュウも反撃する余裕がない程に集中していた為、汗を流して大きく息を吸い込んで、とにかく酸素を脳に送っていた。

 

「このままじゃ猛毒で倒れる…!カイリュー、これで決めるよ!“りゅうせいぐん”!!」

 

「バウーー!!」

 

 このままでは猛毒でカイリューが戦闘不能になると悟ったリーフが遂に切り札の“りゅうせいぐん”を指示する。カイリューの口が放たれた流星がフィールドの上空で弾け、群星となって降り注ぐ。

 

「ピカチュウ!“アイアンテール”で流星を弾いて登れ!!」

 

「ピッカー!!」

 

 降り注ぐ流星群には何処へ逃げても無駄、地面に潜っても地面ごと破壊させるし、迎撃する力はピカチュウにはない。ならば遣り過ごすしか道は無い。

 

 ピカチュウが“アイアンテール”で流星を弾いてドンドン上へと登っていく。流星群の安全地帯…それは流星群よりも高い場所だ。

 

「名付けて“りゅうせいぐん封じ”ってとこかな!」

 

「……うっそ」

 

「…バウ…!?」

 

 まさか“りゅうせいぐん”を登って回避するとは思わなかったのか、唖然とするリーフとカイリュー。これでカイリューの特攻が半減する。しかし、この“りゅうせいぐん”で決める気でパワーを捻り出したカイリューが猛毒のダメージで戦闘不能になるので関係はない。

 

「カイリュー、戦闘不能!ピカチュウの勝ち!」

 

「お疲れ様カイリュー……まさか、あんな形で“りゅうせいぐん”を攻略するなんて、やっぱりサトシは凄いね!」

 

「…じゃあ、その凄い俺を此処まで追い詰めたリーフも凄いって事だろ」

 

「それは勿論!サトシ、楽しいね!!」

 

「ふ…ああ、最高だ!!」

 

 カイリューを戻したリーフが満面の笑みを浮かべて楽しいと言うので同意する。ああ、楽しいバトルだ!

 

「だからこそ勝ちは譲れない!!」

 

「うん!お願い、フシギバナ!!」

 

「バナー!!」

 

 リーフが最後のポケモンである相棒のフシギバナを繰り出す。ドサイドンとのバトルとステロダメで体力は半分程だろう。ピカチュウも“しんそく”と“りゅうせいぐん”の対象で集中力をかなり使って消耗しきっている。

 

 フシギバナが“ねをはる”で体力を回復する準備を整える。既に最後の一匹だデメリットはない。時間を掛ければ負けるのは此方だ…故に短期決戦!

 

 フシギバナが根を張る隙に“でんこうせっか”で距離を詰め、その勢いの状態で“ボルテッカー”を使う。既に技のスロットは四つ埋まっており。“あなをほる”はフシギバナに“じしん”されて終わる。だったら半減でもタイプ一致で最高火力の“ボルテッカー”に全てを賭ける。

 

「突っ込め!ピカチュウ!!」

 

「ピカピカピカ…ピッカー!!」

 

「フシギバナ!」

 

「バナ!」

 

 お互いの距離は目と鼻の先で素早さは此方が上。だったら下手に迎撃して間に合わずに技を喰らうよりも、初めから受ける心構えの方が良い。

 

 覚悟を決めたフシギバナにピカチュウが突撃する。バチバチと炸裂する電撃がフィールドに炸裂して爆煙が舞い上がる。その爆煙を突き破ってピカチュウが吹き飛ばされて戻ってくる。

 

「ピカチュウ!?」

 

「ピッ…カ!」

 

 衝突の反動で飛ばされたのだろう。俺の声に反応してヨロヨロと起き上がるピカチュウ、“ボルテッカー”の反動で立ってるのがやっとだ。これで決着が決まらなければ……そう思った俺だが…

 

 

 

「フシギバナ、“ハードプラント”!!」

 

「バナー!!」

 

 

 どうやら勝利の女神は、俺ではなくリーフに微笑んだ様だ。爆煙の中からボロボロであるが健在のフシギバナが姿を現してリーフの声に死力を出して草の究極技を放つ。

 

 ボロボロのピカチュウにもはや“ハードプラント”を凌ぐ力は残されておらず巨木に飲み込まれたピカチュウが戦闘不能になる。

 

 

「ピカチュウ、戦闘不能!フシギバナの勝ち!よって優勝は、マサラタウンのリーフ選手!!」

 

 俺のポケモンが全て戦闘不能になったことで勝敗が決し、リーフの優勝宣言が会場に響いた。

 

 





・サトシが負け、リーフが優勝した

 この展開は最初から決めていました。
 エースであるリザードンが出なかったのも大きいが、それでもサトシ対策を入念に行ったリーフの執念の勝利である。


 次回で漸くカントー編が終わる…!
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